アイコン 新たなる宇宙観測基地スクエア・キロメートル・アレイ(SKA)建設/9ヶ国参加


スクエア・キロメートル・アレイ(SKA)は、比較的高い周波数の電波を受信するための"Dishes"と呼ばれるパラボラアンテナと、低い周波数の電波を受信するための"Aperture arrays"と呼ばれるアンテナ群という異なったアンテナが建設される。
SKAでは数千個のアンテナを並べて、宇宙を観測する電波干渉計。建設地はアフリカとされている。今年7月から建設に入り、2028年まででも全体の10%しか完成しない超ビッグプロジェクト。本格的な運用開始も2028年からとされている。

Dishesは、口径15mのアンテナ約3000台からなる。個々の望遠鏡の口径はさほど大きくないが、これにより比較的低予算で広い視野が得られる。

アンテナ群の配置は、建設とケーブル敷設などの設置のしやすさ、解像度とコストなどを考慮し、渦状腕配置とされ、アフリカ大陸の数千kmに渡って設置される。
Aperture Arrayは、その中でも低周波な電波を受信する「低周波アレイ」と、それより高周波な電波を受信する「中周波アレイ」とでは受信機の形状が異なる。

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これらは、アンテナで電波を反射・集光させてから受信するDishesとは異なり、むき出しの受信部で集光することなく直接受信する。こちらは中心部から200km程度の範囲で設置される。
元々2016年に建設が開始され、2020年から運用開始とされていた。

<中国も参加>
全国政協委員で、中国科学院の院士を務めるSKA中国首席科学者の武向平(ウー・シアンピン)氏は3月4日、「世界の各方面の協力と努力により、人類史上最大の望遠鏡であるスクエア・キロメートル・アレイ(SKA)の建設が今年7月より始まり、2028年に全体の10%が完成し、観測を開始する見通しだ」と述べた。人民日報が伝えた。

国際ビッグサイエンスプロジェクトの一つであるSKAは、世界最大かつ感度が最高の望遠鏡の建設を目指している。その受信面積は1平方キロメートルに達する。

「中国天眼」(FAST)は、世界最大の単一口径球面電波望遠鏡である一方で、SKAは多くの小さなパラボラアンテナの組み合わせからできている。
FASTは北半球に位置するのに対して、SKAは南半球に位置する。両者は相互補完とし、共に人類の天文研究事業に貢献する。
SKAプロジェクトは、中国が国際熱核融合実験炉(ITER)計画に続き参加する2つ目の国際ビッグサイエンスプロジェクトとなる。

1993年に東京で開かれた第24回国際電波科学連合総会において、中国を含む10ヶ国の天文学者が共同で、次世代の大型電波望遠鏡の建設を計画するよう提案した。SKA機構が2011年にローマで正式に設立され、中国は9の創設国の一員となっている。
中国科学院国家天文台の研究員である秦波氏は、「ITER計画の参加と異なり、SKAプロジェクトは中国にとって初めてプロジェクト立案・検討から国際機関の創設、基本ルールと条約の策定からプロジェクト建設・運営に至る全プロセスに参加し、重要な役割を担う国際ビッグサイエンス計画だ」と述べている。

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[ 2021年3月11日 ]

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