１９９１年～２０１２年病死するまで首相たったメレス首相は、それまでティグレ人民解放戦線の議長でエチオピア人民革命民主戦線の書記長であった。

今やエチオピア内部の民族間の権力闘争となっている。
長い間、人口の少ないティグレTPLFに支配されたというほかの民族の意識もあり、オロモ族の首相になり、ティグレTPLFの政権離脱により、こうした問題が双方に噴出したものと見られる。
アビィ政権はこれまでと異なり産業振興政策を取り、産業誘致のため欧州への働きかけを多くするなど、ティグレTPLFとは政策を異にしたものと見られる。
アビィ首相は、このたび「敵を埋める」とＦＢに掲載、掲載分はＦＢにより抹消されたが、それほど、ティグレTPLFに対して憎しみを込めたものとなっている。敵対する民族に対してはアフリカ特有の民族浄化するような激しい性格を持ち合わせているのかもしれない。

アビィ首相の父親はオロモ人のイスラム教徒、母親はアムハラ人のキリスト教徒。
アビィ首相は２０１８年４月、政権与党のエチオピア人民革命民主戦線(オロモ人民民主機構、アムハラ民族民主運動、ティグレ人民解放戦線、南エチオピア人民民主運動の４組織で構成)の代表として首相に選出されたオロモ人民民主機構の代表。

アビィ首相は２０１９年、エチオピア人民革命民主戦線を繁栄党に組織変更、その時点でティグレ人民解放戦線は与党から離脱した。

２０２０年１１月、ティグレTPLF軍が政府軍基地を攻撃したとして、政府軍はティグレ族が居住する北部を攻撃、
１１月２６日、政府軍は　ティグレ軍に降伏するように最後通告、２８日にティグレ州の州都メケレを制圧して軍事作戦完了を宣言していた。この制圧作戦ではエチオピア北部で隣接するエリトリア軍も参加していた。

２０２１年１１月３日現在、ティグレ軍とオモロ同盟軍(オモロ民族集団)は、首都から２００マイル(３２０キロ)離れたムミセの町まで進軍しているという。

オモロ同盟軍は、政府の首都拡張計画によりほとんど無償で土地を奪われ、抗議したオロモ人たちが政府軍により殺害されたことから結成された反政府民族集団、同じ民族ながら政府与党のメンバーであるオロモ人民民主機構とは敵対関係になる。
オロモとアムハラは関係良好でティグレ軍に勝ち目はないが、ほかの民族や部族がティグレに同調すれば、泥沼化するおそれもある。
イスラムスンニ派が多く、ＩＳが入り込む余地もある。