アイコン 隣国造船業界 ロシア制裁で打撃を受ける可能性


ロシアからの受注を増やしてきた韓国造船会社の悩みが深まっている。ウクライナ軍事侵攻や欧米制裁が長期化した場合、10兆ウォン(約9700億円)に達するロシアからの受注船舶の引渡しが滞るか、ロシア側の契約取り消しにもつながる可能性がある。

ロシアから現代重工、大宇造船海洋、サムスン重工などが受注している。
韓国の造船会社がロシアからの受注金額は、80億5000万ドルに上る。隣国勢3社の1月末現在の受注残高は978億ドル、約8%に該当する。
企業別では、
サムスン重工業が約50億ドル、
大宇造船海洋が約25億ドル、
現代重工系が5.5億ドル。

3社が受注した船舶の大半は、北極海の航海機能(砕氷機能)を備えたLNG運搬船。ロシアのエネルギー会社ノバテックや大手海運会社ソブコンフロートなどが発注している。

受注した北極海向け船舶は、一般航路の運航会社では耐氷·砕氷などの特殊機能は不要、その分、価格も高いとなっている受注船舶。
契約代金は、引渡し時に50%以上を引渡しの時点で受け取る内容。
3社全体のロシアからの受注残高のうち半分が、24年以降の引渡しでまだ建造に入っていないという。しかし、半分は建造中という。
以上、東方新報参照

 

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<2021年期の決算>
政府系銀行傘下の産業銀行系の大宇造船海洋の2021年12月期の決算は、
売上高は前期比▲36.2%減の4兆4866億ウォン(約4200億円)、
営業損失▲1兆7547億ウォン(約1640億円)、
当期純損失▲1兆6998億ウォン(約1600億円)の赤字。
赤字は、鋼材を含む資材価格の急激な上昇により発生した1兆3000億ウォン(約1200億円)相当の工事損失の引当金とクレーム等引当金を計上したことによるもの。

現代重工系3社の造船会社は、
現代重工業は▲8,006億ウォンの営業赤字、
現代三湖重工業は▲3,072億ウォンの営業赤字、
現代尾浦造船は▲2,266億ウォンの営業赤字、

サムスン重工業は、▲1兆3120億ウォンの営業赤字を出している。

中国との競争から相変わらず安値受注する隣国勢、鋼材価格の高騰は2021年2月からであり、スチール先物相場は4,105(CNY/T)ドルから21年5月には5,947ドルまで跳ね上がり、その後調整され、現在上昇トレンドの4,900ドルあたりで推移している。

今後、露発注LNG砕氷船のリスクが生じることになる。
今後、新コロナ景気回復により物流は活発化しようが、一方で露制裁が続けば世界的に露との物流は減少することになる。

また、新コロナにより荷捌きが大幅に遅れ、現在、世界各地の港湾で滞留している膨大な船舶が、今後、新コロナ収束により、解消されてくることから、再び大過剰船腹問題が生じることになる。

<バルチック海運指数>
バラ積み船の運賃指数を示すバルチック海運指数は、2021年1月1,754、2021年10月に5,226まで跳ね上がり、今年1月に1,415まで落ち、現在3月は2,718付近で推移している。

新自由主義が依拠する市場原理そのものが、コントロールが効かず、野放図になった金融経済。世界の金が異常にダブつき、金のハケ口が先物市場や仮想通貨市場をビッグバーン状態で拡大させながら、こうした狂乱相場をあらゆる市場で引き起こしている。
いずれ世界はパンクするか収縮するしかない。その最たるものが日本の財政かもしれない。

[ 2022年3月14日 ]

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