アイコン 3月の全国主要都市のオフィス空き室率 まだ増加に歯止めかからず 特集、福岡都心・・・


新コロナ事態により、テレワークの推進や業績悪化から、事務所規模を縮小する企業や移転する企業などにより空き室率は増加傾向にある。また、東京五輪前の完成を目指し再開発されたいくつもの大規模オフィス、企業は移転したものの、上述の理由で見直しがかかっていることも空き室率の増加につながっている。

さらに都心の再開発は大都市の各地で行われており、供給過多現象が続いていることにある。
過去にもそうしたことが何回もあったが、その後1~2年で埋まっていた。それは景気回復によるものだが、今回の新コロナからの経済回復が本格化するのかは判断がつきにくい。

資源・エネルギー高や食料品価格の高騰=外的インフレで、長年増えない可処分所得の配分が偏重し、消費が落ち込むことでデフレになる可能性も指摘されている(外的インフレと内的デフレが同時進行=スタフグレーション)。

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国の政策と再開発で好調な建設業を除く内需関連企業の景気は、新コロナから一時的には回復するものの、以前のような状態には戻らない可能性が高い。
外需関連企業は米経済が牽引して旺盛に推移するものと見られ、金利を上げられない日本とインフレ対策に金利を上げる米国との金利差からの円安効果で純利益は高水準に戻るものと見られる。
 景気がよくなれば、オフィス需要も増すだろう。
なお、下記データは、オフィス仲介大手の三鬼商事の発表値から作成している。


スクロール→

2022年3月のオフィス空室率状況と賃料

三鬼商事版

全国主要都市ビジネス地区

 

 

空き室率%

平均賃料

札幌

18/12

2.33

8,757

19/12

1.91

9,144

20/12

2.66

9,468

21/12

2.61

9,547

22/3

2.21

9,572

 

仙台

18/12

4.40

9,109

19/12

4.19

9,197

20/12

5.51

9,316

21/12

6.59

9,272

22/3

5.67

9,264

 

東京

18/12

1.88

20,887

19/12

1.55

22,206

20/12

4.49

21,999

21/12

6.33

20,596

22/3

6.37

20,366

 

横浜

18/12

2.55

11,377

19/12

2.00

11,862

20/12

3.85

12,271

21/12

4.77

12,398

22/3

4.63

12,411

 

名古屋

18/12

2.72

11,152

19/12

1.92

11,568

20/12

3.80

11,819

21/12

5.64

12,008

22/3

5.75

12,072

 

大阪

18/12

2.83

11,423

19/12

1.82

11,794

20/12

3.44

11,925

21/12

4.53

11,796

22/3

5.22

11,893

 

福岡

18/12

2.04

9,974

19/12

2.09

10,547

20/12

3.79

11,086

21/12

4.53

11,177

22/3

4.90

11,291

・家賃は坪単価・円、三鬼商事による調査データ

 

特集:福岡

福岡都心は経済特区による大規模再開発が天神・大名地区と博多駅周辺の2ヶ所で、それぞれ複数行われており、今後、大型ビルの完成が目白押しになってくる。すでに昨年9月、特区再開発ビル1発目となる「天神ビジネスセンター」ビルが完成している。

こうした中心街の再開発による既存オフィスの移転により、2019年6月には空き室率が1.78%まで減少したものの、完成すれば新ビルに移転し、既存ビルでは空き室となる。

福岡では新築ビルに移転したオフィスの穴埋めができるか、また新ビルは容積率が大幅に増加しており、延床面積が増加した分、オフィス需要があるのか、先が見えない状況となっている。

直近の再開発発表では、JR九州が博多駅の在来線上に大型ビルの建築計画を発表している。

ただ、福岡都心の器は大きくなり続けるが、中身は東京都心の多くの上場クラスの新興企業の本社を、福岡都心に誘致するしかないのかもしれない。

福岡市の中心部は、博多駅が現行地に移転して呉服町が寂れ、その対策に過去、福岡市は第3セクターで大規模商業施設ビル「博多リバレイン」を開設した。しかし、大失敗して格安で売り飛ばす羽目に陥った経緯もある。今回もまた、天神と博多駅の再開発の狭間で、さらに衰退するのかもしれない。


スクロール→

福岡ビジネス街区の空き室率と賃料の推移

 

19/1

20/1

21/1

22/3

全福岡ビジネス地区

1.89%

2.01%

3.87%

4.90%

10,020

10,658

11,075

11,291

赤坂・大名地区

2.38%

2.58%

4.91%

5.74%

9,209

9,799

10,127

10,336

天神地区

1.76%

1.88%

2.82%

5.09%

11,049

11,679

12,315

12,843

薬院・渡辺通地区

1.05%

1.21%

3.44%

2.64%

10,345

10,863

11,250

11,168

祇園・呉服町地区

2.16%

2.54%

4.09%

6.02%

9,649

10,165

10,594

10,668

博多駅前地区

1.91%

2.13%

4.70%

5.01%

10,324

11,194

11,638

11,872

博多駅東・駅南地区

2.13%

1.71%

3.51%

4.53%

9,423

10,036

10,314

10,475

新築ビルと既存ビルの空き室率 

平均空き室率

1.89%

2.01%

3.87%

4.90%

新築ビル

1.01%

14.75%

32.14%

21.19%

既存ビル

1.90%

1.93%

3.44%

4.15%

新ビル供給状況 昨年1月~

20223

新築ビル1棟「福岡舞鶴スクエア(延床面積6,200坪)

202111

新築ビル2棟、計500

202110

新築ビル2棟、計900

20219

新築大型ビル1棟「天神ビジネスセンター(延床面積約18千坪)」

20217

大型ビル1棟、詳細不明

20212

新築ビル1棟「博多深見パークビルディング(延床面積3,809坪)

20211

新築ビル1棟「KMGビル(延床面積3,151坪)

 

[ 2022年4月 8日 ]

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