アイコン 米ローズタウン・モーターズ 破産申請(民事再生) 新興EVメーカー


鳴り物入りで参入した米国のEVベンチャー企業、その中でローズタウン・モーターズは6月26日、デラウェア州の破産裁判所に、米連邦破産法第11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。負債額は5億ドルと申請している。

ローズタウンは2019年に、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)から工場を買い取り、事業を始めた。ただ、生産開始が当初予定していた2021年9月から22年後半にズレ込んだ上、今年2月までに製造したEVのピックアップトラックは僅か40台弱にとどまった。量産化の目処が立たない中、頼ったのが米アップルの「iPhone(アイフォーン)」組み立てで知られる台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業。鴻海は合意違反があり、新たな出資を見送るとローズ側に伝えている。

昨年11月、鴻海に工場を売却し、生産を委託した上で、最大1億7000万ドルを投じローズタウンに約20%出資することで合意。その後鴻海は5270万ドルを出資したが、契約違反を理由に追加出資に難色を示していた。ローズタウンは鴻海に対して訴訟を起こしている。
  他の新興EVも、ローズタウンほどではないにせよ、生産は低調。

 

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●リビアン・オートモーティブは5万台を今年の生産目標に掲げるが、1~3月期に製造したのは9395台。
 新興EVメーカーでは最大の生産台数となっているが目標未達、資金繰りが懸念され、アマゾンの追加出資しだいとなる。

●ルーシッド・グループは目標1万台に対し、同四半期の生産台数は2314台。
 CEOはテスラのモデルSを開発したピーター・ローリンソン氏、サウジアラビアの政府系ファンドから10億ドル調達しているが、販売計画を達成しなければ、サウジ政府の追加出資が求められ、サウジ政府しだいとなる。

●フィスカーは9月末までに月産6000台の達成を狙うが現在は55台にとどまっている。
以上、

鴻海はiPhoneに次にくる商材に苦戦している。
EVでは鴻海はEVモーターを開発し、車台=プラットフォームも開発、自動車の新興のファブレスメーカーが室内外デザインや室内装備、車両システムを受注し、自社のブラットフォームを利用した車両を鴻海が受託生産することを目指している。

ただ、鴻海は創業者が前回の台湾総統選で、台湾は中国と統一すべしとする中国派の国民党の予備選に出馬し落選していた。
そうした政治色を出したため、同社は周囲から赤メガネで見られるようになってしまった。台湾企業であり、米国への進出はできるが、米国では警戒される存在になっている。
こうした問題を出せば、さらに米国での事業は困難を帰す可能性がある。ただ、傘下のシャープなどは自社ブランドでも商売になろうが、韓国勢と中国勢がライバルであり、商材も限られ苦戦している。
大手自動車メーカーでもまだ生産は半導体やサプライチェーンから部品調達問題もまだあり、本調子ではない。当然ながら大手メーカーのサプライチェーン企業からの調達は、大手が当然優先され、新興企業は部品調達などサプライチェーン問題を引き起こしている。

テスラの2番煎じとしてEV革命時に市場参入し、期待されたが、新コロナ、半導体不足、部品調達調達問題、IT企業等経済悪化、賃金上昇など新興自動車メーカーの経営や生産を圧迫する事象がテンコ盛りになっている。販売価格も高くも購入する人たちはIT分野で成功した人たちがほとんどで、足元のIT不況により、冴えない生産と販売台数となっている。

追、
独VWはEV販売が進まず、生産計画台数を3割ダウンさせている。
経済悪化の中、EVは価格が高く、補助金が高額でなければ購入する人たちは限られる。

欧州は、エネルギー資源のほとんどを輸入に依存している。その輸入の主力先がロシアであったが、2022年3月7日の対ロ制裁のより電力も天然ガスも原油、軽油・ガソリン価格が吹っ飛び、原油価格は少しは落ち着いてきたものの、天然ガス価格はカタールなど中東産のLNGが主となり、高い買い物になっており、発電においても大量にLNGを消費し、当然、電気代は高騰している。軽油やガソリンはロシアから導入していたが、これもロシア産をインドが輸入し、インドが石油精製して欧州へ供給開始し、調達コストが大幅に上昇している。
米国も対中政策でインドを自陣に取り込むため、インドに対して何の対応もしていない。インドはロシア産原油を対ロ制裁により、2割あまり安価に輸入している。
ほかに大量購入している国は、中国の民間石油精製大手の5社前後とインドの石油精製会社。原油生産国の中東・UAEも輸入し、国産品とブレンドし国産品として輸出販売しているという。
そうした経済環境にあり、いくら環境派の欧州だとしても、高いEVは売れないようだ。

フランス国民の暴動は、警官による少年の射殺事件がきっかけとなっているが、年金改革と称する年金改悪、ローンの金利高、光熱費や食料品の高騰に不満が鬱積し続けているもの。

欧州各国は総じて同じ状況にある。(ただ、欧米各国は賃金が上昇し続けている。主張なき無声国民の日本は実質賃金が減少し続けている。)
米国と欧州の決定的な違いは、欧州は北海油田はあるもののエネルギー資源のほとんどを輸入している。
一方、米国は世界最大の産油国であり、世界最大の天然ガス生産国。米国は価格暴騰のおり、サウジに増産要請したものの、米国のシェールオイル生産会社には増産要請・増産命令を発しなかった。
当然、サウジはバイデン米政権の要請に応えなかった。
応えたのは米国の敵対国であるベネズエラ、米制裁により金がなく原油生産施設の改修工事もできず,OPEC内で生産枠を持ちながら、減産幅が拡大し続けていた。

同国が国有化したシェブロンの原油生産施設をシェブロンに戻し、シェブロンが自費で改修工を行い、生産を再開させるというもの、米国のベネズエラに対するいろいろな制裁緩和が交換条件だが、バイデンがロックフェラー財団傘下のシェブロンの所有権と権益をベネズエラで回復させた。

露制裁、原油価格暴動という異常な時期でもバイデン政権は、自国の原油生産会社に増産命令や特典を与え増産させることもせず、ベネズエラに動き、ユダヤ商人のロックフェラー財閥との関係強固をはかっている。当然、棺おけが早い老人大統領の2期目への支援が関係しているようだ。ベネズエラは世界最大の原油埋蔵国でもある。
計算が量子コンピュータ並みの米国に世界のすべてが利用されているような・・・。


スクロール→

各国のインフレ状況とインフレ退治の金利

 

 

 

金利

インフレ

コアインフレ

食料インフレ

 

ドイツ

22/12.

2.00

8.1

5.2

19.4

 

23/3.

3.00

7.4

5.8

21.2

 

23/5.

3.75

6.1

5.4

14.5

 

フランス

22/12.

2.00

5.9

5.3

12.1

 

23/3.

3.00

5.7

6.2

15.9

 

23/5.

3.75

4.5

5.8

13.6

 

イタリー

22/12.

2.00

5.8

5.8

13.1

 

23/3.

3.00

6.2

6.2

13.2

 

23/5.

3.75

6.0

6.0

11.8

 

スペイン

22/12.

2.00

5.7

7.0

15.6

 

23/3.

3.00

3.3

7.5

16.4

 

23/5.

3.75

3.2

6.1

11.9

 

オランダ

22/12.

2.00

9.6

6.2

16.8

 

23/3.

3.00

4.4

6.6

17.8

 

23/5.

3.75

5.7

6.9

14.8

 

米国

22/12.

4.50

6.5

5.7

10.4

 

23/3.

5.00

5.0

5.6

8.5

 

23/5.

5.25

4.0

5.3

6.7

 

日本

22/12.

-0.10

4.0

4.0

7.0

 

23/3.

-0.10

3.2

3.1

7.8

 

23/5.

-0.10

3.2

3.2

8.6

 

韓国

22/12.

3.00

5.0

4.7

5.2

 

23/3.

3.25

4.2

4.8

6.3

 

23/5.

3.50

3.3

4.3

3.8

 

国際商品先物相場 ドル価 月末価ほか

 

22/12.

小麦価格.

792

大豆価格.

1,524

対ドル円

 

23/3.

692

1,505

132.79

 

23/5.

594

1,299

139.34

 

23/6.

636

1,557

144.32

 

・低所得者層の生活不満は、最低限生活できる分野の食料、電気とガソリン等燃料価格の高騰にある。

 
 
                 

 

 

[ 2023年7月 3日 ]

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