アイコン 中国 EVバッテリー必須アイテム黒鉛を輸出規制 半導体材料2品に続く


中国商務省は20日、一部のグラファイト(黒鉛)製品について12月1日から輸出許可を義務付けると発表した。国家の安全保障と利益を守るためという。
グラファイトは電気自動車(EV)向け電池に使用され、中国は世界最大の生産国。米地質調査所によると、世界の供給量の67%を占める。
中国の税関データによると、同国からの主要な買い手には日本、インド、韓国が含まれている。
新たな規制の下で「機密性の高い」3種類のグラファイト製品の買い手に輸出許可の申請を義務付ける。
中国は半導体の材料となるガリウムとゲルマニウム関連製品にも8月から同様の輸出規制を導入している。
以上、

中国はレアメタルの生産量世界一、EVバッテリーや半導体の材料の輸出を規制すれば、世界のそれぞれのメーカーは生産できない状態に陥る。
こうしたレアメタルの多くは中国が世界一の生産量と輸入量を誇る石炭で発電した電力による電炉で生産されている。

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ガリウムはアルミ精錬の際に抽出されるレアメタル
ガリウム砒素に代表される化合物半導体材料として高周波デバイスや LED 等の光デバイスなどに用いられ、衛星放送や移動体通信用のキーデバイスとして、オプトエレクトロニクス分野の製品に需要が拡大している。
ゲルマニウムは60%以上を中国で生産、ほかロシアなどで生産されている。
用途は半導体としては高温度で特性に勝るケイ素に置き換わっていくが、PET ボトル製造時の触媒、光ファイバー用添加剤、ダイオード、赤外線感知機器、太陽電池用の単結晶などに幅広く利用されている。

1020_03.jpg

黒鉛は、EV1台のリチウムイオン電池パックでのアノード(陽極)用に、平均50~100キログラムの黒鉛が必要、これはリチウムの約2倍の量。EVの急拡大で需要に供給が間に合わないのはすでに明らかになっている。
中国は、世界の天然黒鉛の61%を生産、アノードに使う精製処理済み黒鉛の98%を生産している。
中国外のレアメタルメーカーは、黒鉛の調達にマダガスカルやモザンビークの鉱山を開発している。

中国はリチウムでもわかるとおり、生産量は少ないが、実際、リチウム鉱石を輸入し溶融し抽出し、リチウムメタルとしての生産量は世界一。
中国は、豪州産リチウム鉱石の95%、米国産リチウム鉱石の90%輸入している。
中国企業はチリやアルゼンチンでも塩湖系のリチウムの生産に当たっている。
(最近、米国では、ネバダ州のマクダーミット・ガルデラ内で世界最大のリチウム鉱脈が見つかっている)

3元系バッテリーの必須アイテムのコバルトは、コンゴ民主共和国で2/3以上生産されているが、採掘は中国企業が行い、その利権も国家単位で中国企業が持つ。

ニッケルはインドネシアやフィリピン・パプアニューギニア・ニューカレドニアなどでも生産されるが、フィリピンを除き、多くの鉱山で中国の鉱山会社が採掘している。
下記図はニッケルにインドネシアが入っておらず正確性に欠け、資料もかなり古いようだ。リチウムの2020年の(純分)生産量は82,500トン。

1020_04.jpg

黒鉛生産量/トン  2017年版(古い)

中国

780

65%

インド

150

12%

ブラジル

95

8%

カナダ

30

3%

モザンビーク

23

2%

その他

122

10%

 

[ 2023年10月20日 ]

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