【経済ミニコラム】建設業界において欠かせない存在となった外国人技能実習生。しかし本来の「技能移転」という建前に対し、実態は単純労働力としての依存が強く、制度と現場の乖離が指摘されてきた。長時間労働や低賃金、パワハラといった人権問題も後を絶たず、制度自体の信頼性が揺らいでいる。こうした中、政府は新制度「育成就労」への移行を進めているが、実効性ある監督体制の構築が急務だ。建設業界側も「受け入れ」から「共に働く」姿勢への転換が求められる。言語支援やキャリアパス設計の導入など、制度の“人材育成”という本来の趣旨を体現する仕組み作りこそが、真の改善への第一歩となるだろう。