韓国、5月トリプルダウン、輸出減少 消費も投資も減少 半導体輸出構成24%
韓国では米国発の関税ショックが現実化し、4月の自動車生産が5ヶ月ぶりにマイナスに転じた。
製造業をはじめ全産業の生産が萎縮したうえに、消費や投資も低迷していて、3ヶ月ぶりに「トリプル減少」が現れた。
(現代自動車は関税前の駆け込み輸出で3月までは対米自動車輸出を急増させていた。その反動および米新工場稼働の影響)
韓国統計庁が30日に発表した産業活動動向によると、4月の自動車生産は1ヶ月前より▲4.2%減少した。自動車生産が前月比減少したのは、昨年11月(▲6.6%減)以来5ヶ月ぶり。
統計庁のイ・ドゥウォン経済動向統計審議官は、「3月から、現代自動車の米国工場が本格的に稼動したうえ、米関税の影響が生産台数の減少に影響を及ぼした」と説明した。
トランプ米政府が4月3日から米国に入ってくる輸入自動車に対し25%の関税を課し始めたのが、韓国国内自動車生産台数に直接的な影響を与えている。
現代自動車グループが米ジョージア州に完成した「メタプラントアメリカ(HMGMA)」が、現地生産を開始した。
実際、5月の韓国の対米自動車輸出額は28億9000万ドルで、1年前より▲19.6%減少している。
生産減は自動車だけでなく、
半導体は▲2.9%減はじめ、鉱工業生産全体では3月に比べて▲0.9%減少。
サービス業も▲0.1%減、
建設業は▲0.7%減、
公共行政は▲6.3%減
なども軒並み生産が減少し、全産業生産指数は▲0.8%減となり、3ヶ月ぶりに減少に転じた。
内需関連指標も低迷が続いた。
消費動向を示す小売販売は1ヶ月前より▲0.9%減少し、2ヶ月連続で減少した。
衣服などの準耐久財は▲2.0%減
通信機器・コンピュータなどの耐久財は▲1.4%減、
医薬品などの非耐久財は▲0.3%減と全て分野で販売が減速した。
設備投資は、半導体や製造用機械などの機械類は▲4.5%減で投資が減り、3月より0.4%減少した。
建設業の生産を示す建設指標は、1ヶ月前に比べて▲0.7%減少した。
設備投資と建設既成の両方とも2ヶ月連続で減少している。
韓国政府は、2~3月の生産が連続で大幅に増加した基礎効果で調整を受けたと分析した。企画財政部の関係者は、「米関税関連の不確実性で、輸出の方で下方リスクがある状況であるだけに、通常リスク対応と内需活性化に万全を期したい」とし、「追加補正予算が執行されれば、5月の産業活動に前向きな影響を及ぼしかねない」と説明している。
最近の消費・企業心理の改善は、内需に前向きな影響を及ぼすと期待した。
5月の消費者信頼感指数(CCSI)は、4月より8.0ポイント上昇し、4年7ヶ月ぶりに大幅上昇となった。
昨年の消費支出は全年齢層で減少した。
可処分所得のうち消費支出が占める割合を示す平均消費性向は、2014年の73.6%から10年後の24年には70.3%に▲3.3ポイント低下した。
年代別では
60代が69.3%から62.4%に低下し、下げ幅が最大となった。
30代以下は73.7%→71.6%、
40代は76.5%→76.2%、
50代は70.3%→68.3%、
70代は79.3%→76.3%と全年代で低下した。
なかでも20代と30代は月平均の可処分所得が348万2000ウォン(約36万4000円)から346万8000ウォンに減り、消費額も256万7000ウォンから248万3000ウォンに減少、消費低迷の原因となっている。戒厳令消費異常の12月を除いてもこうした消費性向の減少は明らかになっている。
企業心理指数(CBSI)も同様に、2023年5月以降、最大の上げ幅を記録した。この急激な回復は、政治的不確実性の緩和と米国との潜在的な関税協定に対する楽観が高まったことによるもの。昨年12月の非常事態宣言で、11月の100.7ポイントから88.2ポイントと急激に委縮、その後はゆっくり回復、4月は93.8ポイント、5月は101.8ポイントと急激に回復上昇した。
トランプ関税に楽観論は禁物、伏兵として、トランプ政権が対中だけではなく、カナダや欧州と貿易関税報復戦争に突入する可能性があり、その余波として欧米とも自国産業最優先策から輸入規制に入る可能性が高くなっている。すでに鉄・アルミではEUも、米国の高い関税に輸入が急増する恐れがあり、すでに輸入枠規制をとっている。
トランプ氏は鉄・アルミ製品については現行の25%を50%に引き上げる計画を持っていると述べている。
企業の国内投資は明確に将来(関税の影響)が見えなければ限定的状況が続くだろう。
消費は少子高齢化により需要が減少し続けている。
韓国半導体は中国・米国向けを筆頭に好調下にある。AI半導体にセットされる高付加価値製品で最先端のHBMやSSDがデータセンター向けなどに好調を持続・拡大させている。輸出構成でも2年前の半導体不振時には12%(過去の好調時は18~20%)まで落ちていたが、今年の5月で見る限り、24%まで高まっている。
追、6月6日は韓国大統領選挙日、
李在明氏、トランプ並みに優柔不断にコロコロ変え、法無視、議会無視、裁判所無視、その政策の強引さに李氏シンパは心酔し、ともに民主党はすでに李在明党にして私物化している。
トランプ同様怖いものなし。
韓国大統領選挙は李在明で動かないが、トランプ氏そっくりだろうか。
李氏は大統領になるためには何でもありの人物。
大統領になってからは李在明党を手駒にして動かし、やりたい放題の政治を司ることになる。
文在寅政権時代には文氏に嫌われ金正恩に会っていない。どういう顔して金正恩に会うのだろうか。トランプ大統領にも、習近平国家主席とも会うことになる。
トランプ1政権時代のように、文在寅の手下の高官が米国へ行ってまで言いたい放題していたが、トランプ2政権は趣を180度変えており、外交でもトランプの失言はいつものことだが、外交では李在明および手下の高官の失言や暴言は命取りになる可能性がある。
特に米国の対中145%の関税に至る経過をみても窺い知れよう。
文政権当時、韓国高官が「傘は(米国だけではない)別にもある」と暗に中国の傘に入る動きを示唆したりしていた。
李政権はどう動くのだろうか、両班を統治機構の中心に据えた李氏朝鮮時代の再来・・・かも。
今の両班はともに民主党議員や党員、市民活動家、労働組合幹部、左派新聞社、参与連帯系弁護士・・・。こうした新両班たちには李政権中枢の役席が待っている。
スクロール→
韓国 小売販売高/前年比 |
|||
|
23年 |
24年 |
25年 |
1月 |
-1.7% |
-1.3% |
0.2% |
2月 |
0.4% |
0.8% |
-1.8% |
3月 |
0.1% |
-3.3% |
1.5% |
4月 |
-1.4% |
-2.0% |
7.0% |
5月 |
-0.6% |
-2.8% |
|
6月 |
1.5% |
-3.6% |
|
7月 |
-1.7% |
-2.2% |
|
8月 |
-4.7% |
-1.3% |
|
9月 |
-2.0% |
-2.2% |
|
10月 |
-4.4% |
-1.1% |
|
11月 |
-0.1% |
-2.6% |
|
12月 |
-0.7% |
-2.5% |
|
|
|||
韓国 小売販売高/前月比 |
|||
|
23年 |
24年 |
25年 |
1月 |
-1.8% |
1.0% |
-0.6% |
2月 |
5.2% |
-3.1% |
1.8% |
3月 |
0.1% |
1.1% |
-1.0% |
4月 |
-2.6% |
-0.8% |
-0.9% |
5月 |
0.6% |
-0.2% |
|
6月 |
0.9% |
1.0% |
|
7月 |
-3.2% |
-2.0% |
|
8月 |
-0.3% |
1.5% |
|
9月 |
0.1% |
-0.3% |
|
10月 |
-0.8% |
-0.8% |
|
11月 |
0.9% |
-0.7% |
|
12月 |
0.6% |
0.2% |
|
韓国 5月の貿易 輸出内訳 |
|||
|
億ドル |
前年比 |
構成 |
輸出額 |
572億70百万ドル |
-1.3% |
|
主要8品目 |
|
|
|
半導体 |
138億ドル |
21.2% |
24.1% |
スマホ等 |
13億ドル |
3.9% |
2.3% |
パソコン |
11億ドル |
2.3% |
1.9% |
医薬品 |
14億ドル |
4.5% |
2.4% |
船舶 |
22億ドル |
4.3% |
3.8% |
自動車 |
62億ドル |
-4.4% |
10.8% |
石油製品 |
36億ドル |
-20.9% |
6.3% |
石油化学品 |
32億ドル |
20.8% |
5.6% |
|
|
|
|
輸入額 |
503億30百万ドル |
-5.3% |
|
貿易収支 |
69億40百万ドル |
|
|
韓国の輸出/億ドル |
|||
|
23年 |
24年 |
25年 |
1月 |
463.0 |
548.0 |
491.0 |
2月 |
500.0 |
524.0 |
526.0 |
3月 |
549.0 |
566.0 |
583.0 |
4月 |
495.0 |
562.0 |
582.0 |
5月 |
521.0 |
581.0 |
573.0 |
6月 |
543.0 |
570.0 |
|
7月 |
505.0 |
574.0 |
|
8月 |
520.0 |
579.0 |
|
9月 |
547.0 |
587.0 |
|
10月 |
550.0 |
575.0 |
|
11月 |
556.0 |
564.0 |
|
12月 |
576.0 |
614.0 |
|
合 計 |
6,325.0 |
6,844.0 |
2,755.0 |
韓国の輸入/億ドル |
|||
|
23年 |
24年 |
25年 |
1月 |
590.0 |
544.0 |
510.0 |
2月 |
554.0 |
481.0 |
483.0 |
3月 |
596.0 |
523.0 |
533.0 |
4月 |
520.0 |
547.0 |
533.0 |
5月 |
543.0 |
532.0 |
503.0 |
6月 |
530.0 |
491.0 |
|
7月 |
487.0 |
539.0 |
|
8月 |
510.0 |
541.0 |
|
9月 |
510.0 |
521.0 |
|
10月 |
534.0 |
544.0 |
|
11月 |
520.0 |
507.0 |
|
12月 |
531.0 |
549.0 |
|
合 計 |
6,425.0 |
6,319.0 |
2,562.0 |
韓国の貿易収支/億ドル |
|||
|
23年 |
24年 |
25年 |
1月 |
-127.0 |
4.0 |
-19.0 |
2月 |
-54.0 |
43.0 |
43.0 |
3月 |
-47.0 |
43.0 |
50.0 |
4月 |
-25.0 |
15.0 |
49.0 |
5月 |
-22.0 |
49.0 |
70.0 |
6月 |
13.0 |
79.0 |
|
7月 |
18.0 |
35.0 |
|
8月 |
10.0 |
38.0 |
|
9月 |
37.0 |
66.0 |
|
10月 |
16.0 |
31.0 |
|
11月 |
36.0 |
57.0 |
|
12月 |
45.0 |
65.0 |
|
合 計 |
-100.0 |
525.0 |
193.0 |