一律4万円給付案? 自民が検討―国民が本当に求めているのは「安心できる未来」
物価高騰が続くなか、自民党は国民1人あたり現金4万円を給付する案を検討していることがわかった。参院選を前に公約化し、年内の実施を目指すとしているが、国民が本当に求めているのは“一時的な現金”ではなく、“長期的な生活の安定”である。
■ 給付は「歓迎」されるが「信頼」には繋がらない
今回の給付案は、2024年度の税収が想定を上回る見込みであることから、その「上振れ分」を財源とする。一人4万円という金額は、家庭によっては生活の足しになる一方、食品・光熱費・住居費の継続的な上昇に対しては「焼け石に水」との声も多い。
住民税非課税世帯への上乗せも検討されているが、「結局は選挙前の人気取りでは」と見る向きも少なくない。実際、SNSやネット掲示板では「4万円で生活が改善するなら苦労しない」「給付より将来への安心をくれ」といった書き込みが目立つ。
■ 広がる将来不安、求められるのは「構造的な安心」
今、国民が直面しているのは単なる一過性の物価高ではない。エネルギーコストの上昇、食料自給率の低さ、非正規雇用の多さ、社会保障への不安など、複雑に絡み合った“生活リスク”が常態化している。
このような中で、「一律給付」は短期的な救済策にはなるが、国民が本当に求めているのは、「継続的に働き、安心して暮らせる社会」の実現である。たとえば、最低賃金の引き上げや非正規から正規への転換支援、子育てや介護への継続的な支援、そして将来の年金制度の安定化。そうした“制度としての安心”にこそニーズは集中している。
■ マイナンバー活用も不信払拭がカギ
今回の給付では、マイナンバーと預金口座を紐付けた「公金受取口座」の活用も検討されている。制度的には合理的だが、これまでの運用トラブルや情報漏洩問題を思い出す人々にとっては、「信頼して任せられる仕組み」とはまだ言い難い。
マイナンバーの普及促進と給付をリンクさせる政策は、国のデジタルインフラ整備として理にかなっているものの、国民に“便利さ”ではなく“監視される感覚”を与えてしまえば、逆効果になりかねない。
■ 給付の先に何があるのか
給付そのものを否定する声は少ない。問題は、「その先の展望」が示されていないことだ。将来的にどう税財源を再分配し、誰がどのような支援を受けられるのか。今回の給付が、単なる選挙対策で終わるのか、それとも持続可能な福祉・雇用政策へとつながるのか――。
今求められているのは、政権与党としての“選挙前のアピール”ではなく、“信頼できる未来像の提示”である。安心して暮らせる社会。その実現のための政策設計と説明責任が、いまこそ問われている。






