アイコン 武田薬 シャイアー買収完了 そのリスクはトランプにあり

 

 

武田薬品工業は8日、アイルランド製薬大手シャイアーの買収手続きが完了したと発表した。
昨年5月の買収合意時の試算によると、買収額は約6.4兆円(以前は7兆円とされていた)で、日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)で過去最大。
売上高3兆4000億円のメガファーマ(巨大製薬企業)が誕生し、世界大手の仲間入りを果たす。
新薬開発に苦しむ製薬企業が多い中、武田は買収によって有望な新薬候補を手に入れ、研究開発投資を拡大できる。
武田は7.7億株に上る新株発行と現金を使い、シャイアー株を100%取得。
国内外のメガバンクと限度額75億ドルのタームローンクレジット契約を締結している。
以上、

株価がこの間下がり4066円前後(1月8日現在)、ところが募集価格は7601円で計5.85兆円分として、1月8日に現物給付している。
武田薬品工業は12月5日、臨時株主総会で、アイルランド製薬大手シャイアーの買収について、約460億ポンド/約6.39兆円/138.92円)で買収。買収費用は、4兆円規模の新株発行と約3兆円の現金でまかなう。現金は新規借り入れなどで調達する方針としていた。

 

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<トランプリスク>
欧米のメガファーマは、20年間の特許切れ問題から、これまでメガファーマどうしの統合や有力新薬を持つ中堅製薬会社や有力新薬創薬中の医薬品ベンチャー企業などに対して、巨額買収合戦を繰り広げてきた。
その結果、薬価が空前の高さまで登り詰め、トランプ政権は、大幅な薬価基準の見直しを図る意向を示している。
武田も買収後、米国での売上高が過半を占めることになり、トランプ見直しから、これまでの利益を確保できるか不明なところも多い。
米国で本格的に見直しが始まれば、世界へ波及し、これまでやりたい放題のメガファーマはその政策の見直しを迫られることになる。
すでに、メガファーマのこうした動きは3年前までほぼ終了しており、武田の今回の吸収統合は末期となっている。

逆に言えば、20年間の特許期間自体も問題視されている。すでに期限に近い大型医薬品について別の効果を調べ上げ、特許申請して延命させている医療薬や別の効能で擬似製品を作り特許申請したりしている医薬品も多くなっている。
新薬の創薬には300億円以上かかるとされ、開発できたとしても大型になるかどうかもリスクとなる。
メガファーマはリスクのある大型新薬を開発するより、保有会社を買った方が手っ取り早いとしている。その結果、お金にならないエボラ出血熱ウイルスなどに対する薬は開発されてこなかった。
アフリカ起源のエイズウイルスも欧米に患者が続発したことから、メガファーマにおいて、本格的な対策薬の開発が始まった。
こうしたエボラウイルスのようなレベル4菌は、大学や国の研究機関の極一部で研究されているものの、創薬会社とは異なるため研究にとどまり、有効薬が開発されるのは極・稀でしかない。

武田薬品にしても今や外人さんたちが経営しており、日本人だったらこうした買収はできなかったことだろう。

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武田薬品工業
連結/百万円
16/3期
17/3期
18/3期
会計方式
IFRS基準
売上高
1,807,378
1,732,051
1,770,531
営業利益
130,828
155,867
241,789
経常利益
120,539
143,346
217,205
当期利益
80,166
114,940
186,886
総資産
3,824,085
4,355,782
4,106,463
自己資本
1,948,692
1,894,261
1,997,424
資本金
64,766
65,203
77,914
有利子負債
768,224
1,144,890
985,662
自己資本率
51.0%
43.5%
48.6%

 

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[ 2019年1月 8日 ]

 

 

 

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