大ブームのたい焼き屋さんの現状/200店出店して100店閉鎖(1)
焼き菓子の「たい焼き」は日本固有の食文化の賜物であるが、既存の焼き色のたい焼きに新たに白いたい焼きが登場して、大ブームを巻き起こしている。
某調査では、たい焼き市場は、2004年当時78億円の市場であったものの、09年には388億円と5年間で5倍に急拡大、本年も472億円(富士経済調べ)と昨年に比し21.6%伸びるとしている。
たい焼き市場は、「白いたい焼き」が全国ネットのテレビで放映されたことも手伝い急拡大して、今でもたい焼き屋さんが増加中である。たい焼き屋さんの経営者は、製粉会社から不況下の建設会社、焼き鳥さん、とんかつ屋さん、クレープ屋さん、テキヤのダンナまで参入、脱サラ組も参入して、大ブームを演出、瞬く間に全国に広がっている。
その仕掛け人は、「「白いたい焼き」のミックス粉を開発した鳥越製粉(鳥越俊太郎氏の実家)に始まるといわれている。同社は業務用製粉に強く、開発力もあり、うどんやラーメンなどの麺類にその強さを有している。
同社の属する製粉業界では、製粉や精麦価格の不安定さもあり、ここのところ大きく業績を伸ばした企業はない。しかし、同社は「白いたい焼きミックス」粉が、同社の売上・利益とも押し上げ、08年12月期は過去最高の売上高と利益を呈した。昨期の09年期も精麦下落による影響を受けたものの、「白いたい焼きミックス粉」の売上により、業績は高水準を維持している。
<鳥越製粉業績推移>
連結/百万円
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06/12期
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07/12期
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08/12期
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09/12期
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10/12期予
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売上高
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18,795
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19,702
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24,225
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23,966
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23,100
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経常利益
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1,789
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1,859
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3,120
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2,484
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2,490
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当期利益
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991
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1,088
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1,680
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1,426
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1,470
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同社が、開発した「白いたい焼きミックス粉」(米粉+キャッサバ粉(つなぎの役目あり、餅々感))は、元々社員が友人の結婚式に「紅白のたい焼き」をプレゼントしようとして開発したものといわれている。商品化までには3年を有したとされ、その製品を鳥越製粉は大牟田市で不況により配管工事業から異業種へ転進を模索していた尾長屋さんに持ち込んだ。尾長屋さんは餡作りに苦心して「白いたい焼き」の尾長屋を開店したところ、地元でモチモチ感から大評判となり、また同店がFC展開したこともあって、瞬く間に広がっていったとされる。その間「ガイヤの夜明け」で紹介されたりしたことも、全国へ大きく広がるきっかけとなった。今ではFC店も含め200店舗あまりとなっている。
一方、昭和製粉(昭和産業)は、東北のカリスマたい焼師から、美味しいたい焼きの秘伝の伝授を受け全国展開、老舗組も流行にあやかろうとFC展開、こうして白いたい焼きの新規参入組と既存のうす皮たい焼き組により、全国にたい焼き屋が快進撃を続けている。
たこ焼き屋さんからたい焼き屋さんへ変身した店も多く、ロードサイドの独立店、テナントビルやGMSへの出店など、今では既存店も含め約1500店舗以上のたい焼き屋が全国に出現しているという。
その店舗開発の仕掛け人は、07年12月白いたい焼き屋開店の尾長屋さんから、老舗のたい焼き屋さん、店舗も有しないたい焼きの研究所と称する会社までもがFC展開に乗り出している。
とあるFC元は、何百というFC店の開発に成功、加盟料だけでも数億円を稼ぎ出し、笑いが止まらないという。しかし、その裏では既に・・・・