大ブームのたい焼き屋さんの現状/200店出店して100店閉鎖(3)
白・茶の中で一番店舗展開しているのは、うす皮茶の昭和産業(子会社の㈱オーバンで展開)の「たい夢」である。同店は1号店を05年青森に初出店、以来これまでに全国に290店舗展開している。そのため、老舗のたい焼き屋のFC展開は総計でも100店舗強に過ぎない。
ブームに乗っての出店は、ブームが冷めた時にその影響を一番受け安いが、6年前に大ブレークしたメロンパン専門店は、今ではどこにも見当たらなくなった。たい焼き屋も既に多くの店が潰れ、閉鎖や商売変えも多くなってきている。またたい焼き屋だけでは売上が上がらず、焼き鳥も販売している店も有るという。それでも小資本での出店が可能なこと、FC店営業も積極的に行っており、全国でのたい焼き屋の店舗数はまだ拡大中とされている。
某調査会社の話であるが、FC店を200店舗以上開発したたい焼き屋さんは、今でも営業しているFC店舗さんは約半分の100店舗以下になっているそうである。いくらたい焼きといっても立地などマーケティングを考えず、どこに出店しても売れると錯覚しても現実は現実である。たい焼き屋出店に、有り金をはたいて飛びついても、残るのは借金だけという話は、ブーム業種ではよくある話である。出店に際しては、味へのこだわりは当然であるが、マーケティング調査が肝心ということは、何でも共通することである。
それでもFC元は、全くリスクのない大きな加盟料が入り、コンサル料も入り、大いに稼ぐ。また初期投資でリスクがない機械屋や販路を広げたい製粉会社だけが大儲けという話で終わる可能性すらある。
今回のたい焼きブームの本当の仕掛け人は、昭和産業、鳥越製粉、熊本製粉など製粉メーカーのようである。