アイコン 建築資材急騰 木材・鋼材 米中の需要急拡大 日本はこれからか


日本ではすでに米国の戸建て住宅の需要急拡大で木材価格が急騰、鉄鋼価格も鉄鉱石価格が急騰し、鉄鋼価格がさらに急騰する様相となっている。それに加え、海運代金も急騰しており、輸入国の日本は相場以上の値上がりが生じることになる。
バイデン米大統領は2兆ドル規模のインフラ投資計画、中国も成長率を上げるため5000億ドル規模のインフラ投資計画を発表している。
鉄鋼価格に世界で生産者が限られ相場はなく、生産者との交渉によって年間の取引価格が設定される。

鉄鋼需要が急増している中国では、鉄鋼の生産も急増、今年は過去最高の生産量となる12億トン超え必至と見られている。

 

2018年鉄鉱石生産量

 

千トン

オーストラリア

557,427

ブラジル

292,778

中国

209,311

インド

126,000

ロシア

56,700

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鉄鉱石の最大の生産国は中国が経済制裁し、ワインなどの輸入を高い関税をかけ輸入制限しているオーストラリア、石炭でも中国は豪州炭の輸入を減少させたことにより、年初中国国内では停電に追い込まれるほどだった。
これはオーストラリアの首相が、新コロナウイルスは中国が起源だと本当のことを言ったことから、中国が怒ったもの。
それ以前から中国がオーストラリアの議員たちを買収したり、スパイ活動したり、不動産を買い占めたりしたことから、先にオーストラリアが中国人や中国人投資家に対して規制を設け両国は対立、ウイルス起源説発言が火に油を注ぎ、オーストラリアからの輸入を規制強化している。

鉄鉱石はオーストラリアが最大の産出国、中国国内で需要が急増しているものの、生産調整しているオーストラリアの中国に対する輸出量は限られ、価格も急騰となっている。  
しかも、生産量第2位のブラジルも鉱山ダムの決壊により生産量は大幅に減ったままになっており、枠外で輸出を増加させる状況にはない。
こうしたことは、新コロナによる経済的打撃が、米中政府の経済への梃入れ策により経済が急回復していることによるもので、鋼材も鉄鉱石も価格急騰、その需要を満たす必要があり、中国政府は困り果てている。
近場ではインドネシアもかつて輸出国であったが、韓国ポスコがインドネシア政府に付加価値創出を働きかけ、鉄鉱石の輸出を原則禁止している。ポスコはインドネシアに高炉を設け、インドネシアと利益を分かち合っている。
インドは新コロナの猛威で産業用の酸素まで医療用に使い、鉄鉱石の産出どころではなくなっている。
ロシアは埋蔵量も多いが、中国にとって敷居が高く、中国政府はこれまでに借金させたインフラ投資により手懐けているアフリカに食指を伸ばしているが、中国の需要を満たすような鉱山はなく、新たに開発するには時間がかかりすぎる。
中国政府は鉄鋼価格も急騰しており、国内での買占めや売り惜しみに対して目を光らせている。
5月の中国・青島港輸入量基準(CFR)鉄鉱石現物価格は、1トン当たり前年同月の92.5ドルから192.8ドルと倍に値上がりしている。
こうした中国国内の需要増により、鋼材の輸出が激減し、FTAを締結し安価な中国産が流入していた韓国の鉄鋼産業も利益を享受しているという。

日本ではまだそれほどまだ影響は出ていないようだ。国際相場により順次値上がりするものと見られる。
産業新聞によると、国内市場価格は、
H形鋼(200×100)は、2019年4月88,000円、昨年4月77,000円、今年4月は82,000円となっている。
異形棒鋼(鉄筋)は、2019年4月66,000円、昨年4月66,000円、今年4月は68,000円となっている。
同じく鉄スクラップ価格は2019年4月24,000円、昨年4月8,500円、今年4月27,000円となっている。

また木材のシカゴ先物取引所の相場(指数)では、米国の戸建て急増により暴騰、2019年4月341、昨年4月319、今年1月887、今年4月1,500、5月1,303となっている。

 

[ 2021年6月 1日 ]

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