アイコン 比ドゥテルテ大統領 引退表明 副大統領としての出馬断念 娘サラ氏の動向注目


フィリピンで来年5月に実施される総選挙の立候補届け出が10月1日に始まり、2日に波乱が起きた。副大統領選に出馬する予定だったロドリゴ・ドゥテルテ大統領(76)が一転して政界引退を表明した。

次期大統領候補として最も人気が高い同氏の長女、サラ・ドゥテルテ氏(43)は、南部ダバオ市長であるが、市長再選に向け出馬を表明している。しかし、サラ氏が大統領選に動く可能性もある。9月はじめにサラ氏は「国政には出ない。出るのは父か私のうち1人だけと父と合意している」と明言している。

<次期大統領支持率は娘がトップ>
「パルス・アジア」は9月6日から11日にかけて2400人を対象にした世論調査を実施し、次期大統領としての支持率は、
首位は、娘のサラ・ドゥテルテ・タバオ市長が20%と依然としトップを維持、
2位は、マルコス元大統領の長男で「連邦党のフェルナンド・マルコス・ジュニア(42歳、愛称ボンボン・マルコス)氏の15%、

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3位が、俳優出身のマニラ市のイスコ・モレノ市長の13%、首都圏の貧困地域トンドの出身でごみ回収業やペディキャブの運転手などを経験した貧困層から俳優としてスカウトされて芸能界にデビューした異色の経歴の持主。知名度が高く、またその経歴から貧困層や女性の支持も強く「清潔な政治家」としての期待も高まっている。

4位が、フィリピンの英雄でもあるプロボクサー(先日引退表明)のマニー・パッキャオ上院議員の12%と続いている。

フィリピンでは憲法の規定により、大統領の任期は「1期6年」と決められており、再選は禁止されている。このためドゥテルテ大統領は次期選挙に大統領として出馬することは憲法違反となるため不可能。 そこでドゥテルテ大統領が名誉総裁を務める最大与党「PDPラバン」から指名を受ける形で副大統領への立候補を決める、奇策」の出馬となっていた。しかし、大統領になった人物が病気になり職務遂行ができなくなれば、副大統領が大統領になる可能性もあり、そうした前例もあり、それは憲法違反となる。

しかも、「パルス・アジア」によれば、副大統領候補としてのドゥテルテ大統領の支持率は、これまで大統領としては80%あまりの高い支持率を得ていたものの、暴落して14%。同じく副大統領に出馬を表明しているソト上院議員は支持率25%でトップとなり、ドゥテルテ大統領は2番手に甘んじる結果となっている。こうしたことを受けドウテルテ大統領は引退を表明したものと見られる。

<ドゥテルテ大統領の今後>
国際刑事裁判所(ICC=本部オランダ・ハーグ)も9月15日、ドウテルテ大統領が行った麻薬犯罪者などに対する「超法規的殺人」に関して本格的な捜査開始を許可している。
このためドゥテルテ大統領としては、2022年5月の大統領退任後に「超法規的殺人」や反ドゥテルテを掲げたメディアへの弾圧など大統領在職中の「負の業績」で司法の訴追や国民的批判を浴びることだけはなんとしても回避したい意向とされ、それが副大統領を目指す真の動機とみなされている。そのためにも自らが撤退したとしても、娘のサラ・ドゥテルテ氏が大統領になることを望んでいる可能性もある。
しかし、自らの支持率低迷に、もしもサラ氏が大統領選で敗れれば、ドウテルテ大統領にしてもすべての影響力をなくす可能性もはらむ。
ただ、大統領もサラ氏もルソン島ではなく南部のミンダナオ島の西の港湾都市ダバオ市(145万人)出身であり、父親の勢いを借りなければ大統領になることは難しいかもしれない。

<サラ・ドゥテルテ氏とは>
サラ・ドゥテルテ氏(ドウテルテ大統領の娘)
2005年に、サン・セバスティアン大学で法学を学び、2005年に卒業。
2006年には、フィリピン共和国の司法試験に合格し、法曹資格を得る。
2007年に、ダバオ市長を務めていた父ロドリゴの下で副市長に就任。
2010年のダバオ市長選挙に勝利し、女性初の市長に就任。
2016年に、ダバオ市長に再登板し、実弟のセバスチャン・ジマーマン・ドゥテルテを副市長に任命している。
サラの政治家としての実績から、父であるロドリゴの任期満了に伴って執行される予定の2022年5月の大統領選挙への出馬が云々されている。
結婚し夫との間に2人の息子と養女が1人いる。
なお、ドウテルテ大統領の長男パオロ・ドゥテルテ氏は下院議員(タバオ市選出)。

<ドウテルテ大統領語録>
「麻薬中毒者は殺せ」、
実際、自警団を組織させ、警察のほか軍隊も投入し、麻薬犯罪者や中毒者の多くが射殺された。
「人権に関する法律は忘れてもらう」
「国連を焼き払う」
「コロナ用のマスクはガソリンで拭くといい」
「ワクチンを接種しなければ投獄」
「(政府のコロナ対策に対して)過激な抗議するなら、射殺も躊躇しない」
「低貧国のフィリピンは中国から投資してもらう必要がある」として、親中政策に舵をきり、南シナ海の領有権を主張する中国に対する国際司法裁判所の判決を反故にし、中国から多くのインフラ投資を引っ張っている。ただ、次の政権者がサラ氏でなければ、軌道修正の可能性も高い。

 

[ 2021年10月 3日 ]

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