アイコン 米金利一挙に0.5%引き上げ上げ1.0%に テーパリング策も同時導入


米中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が3・4日に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)の定例会合で、2000年以来22年ぶりとなる大幅な利上げを決めたほか、バランスシートの縮小を6月に開始することも決定した。
高インフレの抑制を目指し、過去数十年で最も積極的な引き締め策を講じる。

FOMCは、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.5ポイント引き上げることを全会一致で決定。また並行してテーパリング策も行使する。連邦準備制度理事会(FRB)が保有する米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の縮小を6月に開始する。縮小額はまず月475億ドル(約6兆1700億円)とし、その後3ヶ月かけて950億ドルにしていく。

 

スポンサーリンク

会合で、通常の2倍の「0.5%の大幅利上げ」と、「量的引き締め」と呼ばれる金融資産の圧縮に乗り出すことを決めた。2つの引き締め策によって記録的なインフレの抑え込みを急ぐ。
コロナ禍の量的緩和策では市場から国債などを買い入れて大量の資金を供給してきたが、これとは逆に、市場に出回る資金が減ることになり、「量的引き締め」と呼ばれる。

FRBは声明で、「委員会はインフレリスクに細心の注意を払っている」と説明。中国での新型コロナウイルス感染拡大に関連したロックダウン(都市封鎖)について、「サプライチェーンの混乱を深刻化させる可能性が高い」とも指摘した。さらにロシアのウクライナ侵攻とそれに関連した動きは、「インフレを一段と押し上げる圧力を生みつつあり、経済活動への重しとなる公算が大きい」と記した。
今回の利上げにより、FF金利の誘導目標レンジは0.75~1.0%となった。
声明では、「金融政策スタンスを適切に引き締めることで、委員会はインフレが目標の2%に戻り、労働市場は強さを維持すると期待している」と改めて表明。また前回と同様に「誘導目標レンジの継続的な引き上げが適切になると見込む」との文言も盛り込まれた。
以上、

ただ、対ドル円など主要国の通過は、すでに0.5%の金利上昇は折込積みで、次回7月の会合では、上昇しても0.25%、インフレしだいでは据え置かれることも考慮され、少しながらドル安にシフト。対ドル円も130円台から129円台で推移していたが、また130円台に戻している。

今回の引き上げは、GDPが1~3月の前四半期比▲1.4%(年率では3.4%)に悪化する中、3月のインフレ率が昨年の9月の5.4%から今年3月には8.5%と強い消費に上昇し続けていることにある(経済悪化の中のインフレ=スタフグレーションに陥る懸念もある)。
世界一の消費大国の消費熱を冷まさない限り、資源やエネルギーの高騰は収まらず、世界経済が空中分解するおそれもあった。しかし、資源・エネルギー・穀物市場に与えるウクライナへのロシア侵攻は泥沼化の様相を辿っており、強力な西側の露制裁もあり、米国の消費を金利高で少々抑制させたとしても、その影響は限定的なものと見られる。
欧州は米国・中国に続く3大経済圏であるが、露制裁でエネルギー政策は180度転換を余儀なくされており、米国が原油や天然ガスを大増産しない限り、また、イランの再核合意の早期締結によりイランの生産・輸出量を大幅に増加させない限り、その解決策は見当たらず、その調達合戦でエネルギー資源の高騰は継続することになる。

やりっぱなしのロシアはウクライナ戦線拡大で引くに引けない状態に陥り、一方、米欧から何兆円にも及ぶ大量の兵器がウクライナ側に投入され続けることから、戦闘が長期化するのは必至、再び需要が増加する秋以降の天然ガスが再度問題となる可能性が高い。
(第2次世界大戦以来となる白人社会同士の戦いゆえ、どちらか降参するまでとことん行ってしまう。イスラムのスンニ派とシーア派の戦いにも類似しているが、白人社会が仲裁に入っていたものの、今回は人類の頂点に立つ白人社会の戦いであり、力を持つ仲裁者がいない。)
神様でも仏様でも現れない限り、停戦は覚束なくなっている。

制御されない新自由主義経済の核心である証券・債権・先物市場にあり、買占めから世界の需給バランスを狂わしている。
必要不可欠でもニッチな半導体を製造していた旭化成半導体の工場が全焼したことから始まった半導体不足、自動車メーカーや半導体商社は買占めに走り、自動車用半導体全般での不足となり、2021年は自動車生産台数減として表面化していることにも類似し、金持ちの国と金を持たざる国との差は急拡大している。

テスラは自動車用半導体不足から、機転が利くイーロン・マスク氏は臨機応変にプログラムを書き換え家電用の半導体を自動車に搭載し成功したと見られたが、当然、走行中に壊れ大量のリコールに陥っている。笑っ。

0506_08.jpg

GDP 四半期、前期比ベース
1~3月期は▲1.4%
0506_09.jpg

GDP 四半期、前年同期比
1~3月期は3.4%
0506_10.jpg
 

[ 2022年5月 6日 ]

スポンサーリンク
 

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧