アイコン 英トラス新首相 バイデンの似の前政策か 大規模補助と減税


米バイデン大統領はトランプ政権の末期、新コロナ経済から回復途上にありながら、首相就任祝いとばかりに1.9兆ドルという膨大な新コロナ経済対策費を支出、結果、先物商品相場を暴騰させ、今のインフレ退治に至っている。
 英国は基軸通貨でもなく、財政悪化を招く新首相の就任祝いは、サマーズ米元財務長官にして「英国は長きにわたり、主要国の中で最悪のマクロ経済政策を追求したと記憶されるだろう」と指摘しているほど。

高いインフレ、高金利の状況下での大々的な減税は、英国債券と通貨の「ダブル安」を招き、世界の金融市場を動揺させる。

英国政府は23日発表した景気浮揚策。

26日の英国債券市場は、英国債2年物の金利が前取引日に比べて0.62ポイント上昇の4.53%となり取引を終えた。
中央銀行の政策金利の変更に敏感な2年物国債の金利は、8月末の約3パーセントからわずか1ヶ月あまりで50%以上上昇した。
英国流で言えば「ギルト・タントラム」(英国債のかんしゃく玉)現象が現れている。

当景気浮揚策は、ここ50年で最大規模となる年間450億ポンドの減税に加え、家計と企業に対して今後6ヶ月間にわたって電気・ガス料金など600億ポンドを補助するというもの。
今月初めに就任したリズ・トラス首相は、物価の負担を軽減するとともに、来年は0%と予想される実質経済成長率を2.5%にまで引き上げるとして勝負に出た。

 

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問題は、
不足する税収を充当するためには大規模な国債発行が必要。

ドル高の中では英国債の投資収益率が下がる懸念が憂慮され、市場では英国債の投げ売り現象が生じ、国債金利が跳ね上がっている。
そのうえ減税などの浮揚策を通じて市場での需要を増やせば、物価をむしろ刺激するため、政策金利の引き上げが速まるという観測もされている。
こうした政策は、経済が成長したとしてもインフレを換算した実質ではマイナスになる可能性が指摘されている。

長期金利の目安とされる国債10年物利回りは28日4.567%まで上昇したが、その後落ち着き月初の利回りと同じ4.012に落ち着いている。ただし、株価は落ちている。
英国は北海油田をノルウェーとともに有しており、エネルギーの影響を貿易面ではドイツほどには受けないが、価格は影響する。
今回の政策は諸刃の刃であり、インフレを加速させれば、更なる金利上昇=企業経営の悪化を招く、マイナススパイラルに陥る危険性を潜ませている。特に消費者に直結する食料価格がイグジットの影響もあり、大幅な上昇となっている点は国民に不満が蓄積され、政治的にも注意を要しよう。


スクロール→

英国

インフレ

食料イン

金利

対ドル

株価

国債

 

 

 

月初

 

10年物

21/12

5.4

4.2

0.25

1.3520

7,288.2

0.972

22/1

5.5

4.3

0.25

1.3419

7,495.4

1.308

22/2

6.2

5.1

0.50

1.3133

7,535.4

1.411

22/3

7.0

5.9

0.75

1.2571

7,314.8

1.612

22/4

9.0

6.7

0.75

1.2600

7,560.5

1.907

22/5

9.1

8.6

1.00

1.2175

7,451.9

2.101

22/6

9.4

9.8

1.25

1.2166

7,298.9

2.241

22/7

10.1

12.6

1.25

1.2175

7,225.8

1.862

22/8

9.9

13.1

1.75

1.2166

7,466.4

2.803

22/9

 

 

2.25

1.8600

7,218.9

4.012

928

 

 

 

1.0859

7,005.3

4.012

 

[ 2022年9月29日 ]

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