アイコン ウクライナ 250万発の爆弾で足りず111ヶ国禁止のクラスター爆弾、米供与で使用へ


2008年「クラスター弾に関する条約(=オスロ条約)」国連加盟半数以上が禁止署名、2010年に30ヶ国が批准して発効、その後、批准国が増加し続け、現在111ヶ国が禁止条約を批准している。

クラスター爆弾は通常の爆弾と異なり、大量の子爆弾を内包しており、子爆弾が周囲へ拡散され広範囲をことごとく破壊する爆弾、しかし、子爆弾の不発比率が高く、戦後、地雷と同じように爆発し、死傷者をこれまで多く発生させてきたことから、人道的見地から使用禁止条約がオスロ条約として提案され、現在まで批准国が増加し続けている。
戦地におけるクラスター爆弾での死者は40%が一般の成人、30%が子供、軍人の死者は5%未満というデータが公表されている。軍人は戦闘地で分散して戦っており、こうしたデータとなっているようだ。

地雷とクラスター爆弾の不発弾と当然異なり、子爆弾はどこへ飛んで不発弾になっているか分からず、地雷のように検知器で撤去作業が行えない難点がある。使用された地では、戦後に生まれた子供らを殺傷し続けている。ベトナム戦争では、べトコンや北ベトナム軍の南下ルートがラオス領内にもあり、米軍はそうしたラオスの国境地帯へもナパーム弾・クラスター爆弾・枯葉剤によってルートを大規模攻撃していた。

 

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ベトナム戦が終了して40年以上経過した現在でも山岳地帯のクラスター爆弾の不発弾の爆発で犠牲者が出ており、2016年から米国支援(当時、オバマ大統領が支援の申し入れ)で撤去作業が行われている。

クラスター爆弾を過去使用した国は18ヶ国、
製造したことのある国は日本も含め30ヶ国。
現在の保有国は35ヶ国
廃棄国は37ヶ国
禁止条約批准国は111ヶ国
(2023年3月1日現在/外務省/日本は2009年12月批准)

欧米紙によると、クラスター爆弾の不発率は、ロシア製は30%以上、米製はホワイトハウス報道官が3%未満と発表したと報じた。
しかし、別の報道紙では、米製は製造から20年以上経過しており、不発率は高まっているはずだと報じている。

クラスター爆弾は、通常、親爆弾に子爆弾数百発を内包、その子爆弾が一帯に散らばり爆発し、面で制圧する。
制圧面積は親爆弾を破裂させる高度により定まるとされる。
通常、爆撃機で親爆弾をパラパラと雨のように投下し、一帯は膨大な子爆弾の爆発地となる。

ベトナム戦では米軍は、子爆弾の中に数百個のボール球を詰め、殺傷能力を飛躍的に高めたクラスターボール爆弾を多用した。
現在の米軍は、こうした面制圧型から、破壊力の極めて高い子爆弾を用い、一帯の戦車や装甲車をまとめて破壊するものまであり、現在では、クラスター爆弾といっても、その使途と種類は多岐にわたっている。
(バイデン政権は、どうせ供与するなら、より破壊力の強力なクラスター爆弾を供与するものと見られる。ロシア軍の兵器を地域から一掃すれば自ずとロシア軍の占領地はなくなる。しかし、2014年に占領された東部の奪還を目指せば、東部には40%前後のロシア人が昔から居住し、独立意識が高く、ロシアの体制が変わらない限り、ウクライナは向こう5年・10年内に終戦に至る可能性はない)

今回、イギリス・カナダ・スペイン・イタリアなどは、米軍供与のクラスター爆弾の使用について、クラスター爆弾使用禁止条約国で有り、ウクライナは使用すべきではないとの態度を表明した。

ただ、2009年に批准し禁止加盟国であるシュルツ・ドイツは中途半端な対応ばかりがこれまでも目立ち、今回も米国の決定を理解できると発言し、ウクライナの使用を黙認することを決定している。

 ウクライナはロシアとともにオスロ条約を批准しておらず、これまでにウクライナ軍もロシア軍もそれぞれが保有するクラスター爆弾を戦線で使用している。
今回はそうしたウクライナ国産クラスター爆弾ではなく、ウクライナ軍の砲弾そのものが減少し、その代賛として米国が大量供与するクラスター爆弾を使用するもの。

クラスター爆弾は軍用機からの投下型とミサイル発射装置などによる砲弾型がある。

<すべては砲弾不足が原因>
昨年までに150ミリ砲弾(供与の戦車や自走砲・榴弾砲の砲弾口径は150ミリが主)をウクライナに対し、欧州NATOから100万発、米国から100万発、200万発以上ウクライナに供与された。
しかし、今年に入り、砲弾不足が明らかになり、追加して供与された。

(ウクライナは国産砲弾+旧ソ連圏のNATO加盟国から大量の装甲車や榴弾砲および砲弾の供与を受けている。合わせれば50万発はくだらないだろう。それに西側NATO加盟国から主に150ミリ砲弾を使用する戦車や自走砲・榴弾砲など大量に供与され、その砲弾も欧米から計200万発以上を受けたが、昨年末までにほとんど使いきったようだ。

2022年2月24日にロシア軍のウクライナ侵攻、昨年12月31日までは311日間、毎日8000発以上砲撃している計算。

米軍はウクライナに供与する150ミリ砲弾が足りず、昨年末に韓国から10万発購入、今年に入りさらに追加して100万発購入し、送付先はウクライナ周辺の米軍基地が指定されていると韓国紙が報じていた(形だけ借用方式)。

しかし、韓国は朝鮮戦争の休戦中、韓国の爆弾ストックに問題が生じることから、韓国では急遽生産拡大で対応し、韓国の爆弾材料メーカーや爆弾メーカーはフル生産状態が続いている。
それとは別に、韓国はポーランドなど東欧国や中東・オーストラリアなどから神弓ミサイル、戦車、自走砲、榴弾砲および砲弾などを大量受注し、フル生産状況下にある。

米軍需企業の場合、150ミリ砲弾100万発を製造するには2年以上有するとされている。現在、米軍の砲弾在庫は限りなく少なくなっていると見られる。

<ウクライナ戦争、核爆発・核爆弾の炸裂のリスク、日ごと高まる>
米軍とロシア軍の代理戦争になりつつある、世界最大の核保有国の米ロであり、エスカレートし続ければ、限りなく核爆発や核爆弾の破裂が近くなる。

ウクライナの反撃は、露の南部被占領地を分断するため、サポリージャ原発のあるサポリージャ州から反撃を進めている。
しかし、サポリージャ原発はロシア軍の手にある。ウクライナ軍の反撃が進めば進むほど、6基ある原発の数基の原発が爆発するリスクがある。
1986年のチェルノブイリは4号基の1基だけの爆発事故だった。

ウクライナ政府は、爆発物様のモノが原発建屋にあると発表し、西側紙が挙って報道したが、現地原発に以前から入っているIAEAの専門家からは何もそうした報告はないとIAEA本部は発表している。西側の軍事偵察衛星や民間衛星の画像でいくらでも確認できる時代だ。
欧米の報道機関は、欧米中心の自社の政治的主張=立場に基づく報道であり、時として日本叩きを痛烈になした過去がある。

いずれにしろ、ウクライナ政府は、世界を注目させるため、劇場型情報として原発の爆発物報道を流したのかもしれない。しかし、カホフカダムの決壊のようにダムを支配しているロシアが99%の確率で破壊したと見られ、サポリージャ原発もロシア次第でどうなるか分からない。

<米ロのトップは核戦争の腹をくくっているのだろうか>
ぷっちんプーチンと老人性頑固病のバイデンの2人は、もはや互いの柔軟性のないプライドの問題、決して譲歩することはできず、話し合いは0。
2015年のウクライナ停戦合意のように米国を排除し、第3国が仲介に入らない限り、停戦はほぼ不可能。しかし、今回はロシアがウクライナを介してNATOを敵にしたため、停戦合意に向かわせる仲介役はもはや皆無となっている。
トルコはパフォーマンス大統領であるが、限りなく力量不足。

米国は本来、当事国ではないはずだが、バイデン大統領はゼレンスキーにそれ行けそれ行けと嗾け、逆にエスカレートさせ続け、すでに影の当事者となっている。
ソウウツぷっちんプーチンと老人俳優バイデンのダブル主演のゼレンスキー劇場は開幕して1年半を経過。

<ロシア自壊の可能性>
プーチンは、私的子飼いのワグネルが起こしたクーデターに対して、首領のプリゴジンを処分もせず・できず、その権勢はもはや過去のものとなったようだ。
プーチンは軍部出身ではなく、KGB秘密警察上がり、ウクライナ侵攻では、露軍はウ軍の反撃にあい失敗も多く、そのたびにプーチンは軍トップや参謀を更迭してきた経緯がある。

今回のクーデターでは軍の一部もワグネルに協力しており、こうした軍部の統率に亀裂が入っていることを表している。プーチンはこれまでに軍参謀らを処分し続け、軍部の信用をなくし、逆に孤立している可能性すらある。

プーチンにしても、ワグネルのクーデター前、プリゴジンの激しい軍部批判の言動を容認しており、軍部のプーチンに対する不信感は限りなく高まっているものと見られる。

プルゴジンは現在、ロシア・旧レニングラードに帰還したとされるが、プーチンはプルゴジンを処分しない限り、軍部をまとめ上げることは困難と見られる。
軍部の規律は戦争事態下の絶対条件でもある。
それができないプーチンの立場は弱まり続けること必至。
来年3月の大統領選挙で勝利して、軍との関係の立て直しを図るつもりだろうか
(ウクライナ戦直後は8割の支持率、現在7割とされ、6割に落ちても勝利に影響なしだが・・・)
こうしたロシアの状況からして、ロシア軍・ロシア政府の自壊による停戦への道も近いのかもしれない。



 

[ 2023年7月10日 ]

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