アイコン ウクライナのダム破壊の大洪水 足元では雨季


ドニプロ川(=ドニエプル川/2,290km)は、ロシアやべラルーシュの支流が集まりウクライナを南北に縦断して黒海に注いでいる(源流はロシアの標高220mの低山)。ウクライナ上流部にはチェルノブイリ原発があり、中下流域には欧州最大のザポリージャ原発(6基)がある(キーウ貯水池から黒海までは約800キロ)。
同河川はウクライナでは6ヶ所あまりに堰が設けられ、水力発電用として利用されている。

ザポリージャ原発そばのドニプロ川の水位は少し下がったとされ、サポリージャ水力発電所(=ドニエプル貯水池)下からカホフカ貯水池の堰までの膨大な水が流れ出ている。
(長さ:2百数十キロ、幅員:最大30キロ、平均10キロ/深さ最大38m)

 

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河川の高低差がどれほどあるのか不明だが、貯水池の堰が破壊されたことにより、大量に下流へ流出していることは間違いない。

下流のヘルソン市までは破壊ダムから60キロあまり、すでに浸水しており、低地ではさらに水面は高くなり、10メートル以上の高台に避難するしかない。高台がなければあるところまで避難するしかない。
戦争で若い男性は徴兵、消防や役所などの官職以外若い男性はおらず、田舎には高齢者と婦女子だけ、逃げ遅れる危険性もある。

ドニプロ川は、本来河川、カホフカ貯水池は、現地では海と称せられている。
ウクライナの雨季は5~7月、雨季といっても月の降水量は60ミリ前後と少なく、穀倉地帯でもあり、大規模貯水しておく意味があるようだ。

一度あることは必ず2度あり、3度ある。
キーウの南方、ウクライナの中央に位置するドニプロ川のクレメンチューク貯水池。この貯水池も巨大であり、破壊されれば、下流の比較的小さな2つの貯水池も破壊され、カホフカ貯水池に流れ込み、ザポリージャ原発は一時的に水没する可能性もある。

権力者たちのゲーム、とにもかくにも一時停戦すべきではないだろうか。
まずロシアが2014年停戦時の領域まで撤退すべきだ。
ただ、ウクライナへはNATO軍がエスカレートして最新兵器を送り続けており、ウクライナ軍はロシア軍をウクライナ領土から完全に追い出すとし、その勢いも有している。NATO軍もバイデン米大統領もそれを期待している。陣取りゲームだ。

今回のダム破壊も昨年から想定されていたこと、
そして、ザポリージャ原発の爆発も想定されていることでもある。
核を使用せずとも核の脅威は米国民を除き、欧州人を震え上がらせる。
さらにエスカレートすれば、ロシア軍により、広島や長崎に落としたレベルの「戦術核」の使用も想定されている。
ウクライナが核攻撃された場合、NATO軍は報復としてロシアの飛地でバルト海に面するカリーニングラードを核攻撃するシミュレーションも描いている。
NATO軍がロシアに対して直接核報復すれば、NATO軍がロシアを攻撃した途端、プーチンがプッチンしてNATO軍の基地や首都向けに設定された核ボタンを押す危険性は、プーチンが個人的に窮鼠状態で置かれているがゆえに非常に高いといえる。

それも、米バイデン氏は副大統領時代からロシアプーチンを目の敵にしており、老人性脳硬化症により柔軟性はますますなくなっており、行き着くところまで行き着かせる人物のようだ。

停戦に向けた交渉は、2015年のメルケル主導の停戦交渉の時のように、米バイデンを外すしかないだろう。2014年秋の停戦交渉時、バイデンもしくは代理人を入れたらまとまらなかった経緯がある。今回は停戦を司るリーダーがいない。目先、エルドアンに期待するしかない。
本命は、ブラジル・インド・中国が雁首揃えなければ、米国は別にしても欧州国も動かないだろう。・・・BRICs・・・。


スクロール→

ドニプロ川の水力発電所と貯水池  北から南へ

場所/水力発電所

ダム

表面積

竣工

キーウ

キーウ貯水池

922 km2

1964

カニウ

カニウ貯水池

675 km2

1975

クレメンチューク

クレメンチューク貯水池

2,250 km2

1960

カーミヤンシケ

カーミヤンシケ貯水池

567 km2

1964

ザポリージャ

ドニエプル貯水池

420 km2

1948

 ザポリージャ原発

カホフカ貯水池上流

別途専用貯水池あり

カホフカ

カホフカ貯水池

2,155 km2

1956



↓ドニプロ川の最下流域 
左下のヘルソン市に近いドニプロ川が狭くなる所に(破壊された)堰がある。
右上の寡占が広くなっている中央部あたりにザポリージャ原発がある。

0609_08.jpg

[ 2023年6月 9日 ]

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