アイコン ニジェールの軍事クーデター 露と欧米のウ戦が飛び火か


サヘルベルト=南サハラ砂漠、大西洋に近いマリからニジェール、チャド、スーダンに至る地域、政権に安定性がなく揺れている。さらにリビアも混沌状態、優等生チュニジアもおかしくなっている。

1つ目は、軍事政権や独裁政権による不正・腐敗政治が横行し、軍事クーデターを起こされる原因となっている。それは西側から供与される経済援助が不正(大統領一族や一部の幹部だけに利権が集中)に利用されていることにあり、国民の不満が鬱積している。

2つ目は、西アフリカではIS系のボコ・ハラムが一定の勢力を保持し、攻撃し続け、政情を不安に陥らせている。
政府軍は空軍をもってしても紛争をサヘルベルトのボコ・ハラムの攻撃を食い止めることは困難となっている。
チャドでは北部で反政府武装組織が活発に活動いる(その戦闘でチャド大統領は戦闘地域の国軍視察中に攻撃を受け死亡している。
自爆まで行うイスラム過激派武装組織がサヘルベルト地帯で活動し、政権は神出鬼没で対応できず、政権に対する国民の不満が高まっている。
軍部もまた、イスラム武装組織を対する戦闘によりこれまで多くの死者を出しており、政権が強硬措置を取らない限り、政権に対して不満が鬱積している。
同地域の宗主国(植民地にしていた国)のフランスも長期に多くの兵を派遣することは止め、部隊も一定地域に駐屯させていたことから、侵攻したときには勝利したが、永続性はなく、再びIS系は活動を活発化させている。

3つ目は、軍事クーデターを起こす軍人やIS系以外の反政府勢力を支援しているのが、ロシアの傭兵部隊ワグネルの存在。
今回のニジェールのクーデターもワグネルの支援があったとされ、クーデター派はロシア万歳まで叫んでいるという。

 

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<ニジェール>★クーデター
7月26日、大統領警護隊長がクーデターを起し、バズム大統領を拘束したと発表した。
これを受け、欧米諸国などは暫定政権を認めず、経済的支援を凍結すると発表、西アフリカ機構(エコワス)は暫定政権に7日間の猶予を与えバズム氏を大統領に復帰させなければ軍事介入する発表した。
当然、西側がアフリカ機構をそのように動かせたものと見られる。その裏にはいつものように巨額の支援金が流れることになる。
ニジェールはウラン資源があり、フランスと米国が軍事基地を有しており、アフリカ機構が軍事介入すれば、それを支援する形で仏米軍は介入する可能性は高い。仏軍や米軍は手を汚したくないため、偵察飛行による情報収集とその提供、攻撃はドローンや爆撃機による攻撃に専念するものと見られる。当然、暫定政権が政権を握れば、仏軍と米軍は追い出されることになり、ウランの利権も失うことになり、到底容認できるものではない。ただ、欧米国は政権批判つながる前線戦闘員は派遣したくないため、ニジェール近隣国に対するウクライナ方式の武器支援をとるものと見られる。

<スーダン>紅海に至る 軍と民兵での内戦状態
アフリカの国々の政権は安定している国と不安定な国に分かれるが、不正・腐敗、民族・部族間の対立など多くの問題を抱えている国も多い。30年間という長期独裁政権を築いたスーダンのバシル政権も簡単にクーデターで失脚した。
ただ、バシル政権を倒した国軍と民兵組織の勢力は互角であったことから、暫定政権の国軍トップが、2023年に国軍が民兵組織を国軍に組み入れ解散させようとしたところか民兵組織が拒否、2023年4月15日に交戦状態に入り、首都を中心に各地の主要都市も戦闘状態に入り、国土はもうグチャグチャになっている。

ここでも民兵組織にはロシア・ワグネルがバシル政権時代から深く関係しており、西側が国軍を中東を、介して行ったとして、グチャグチャ状態は勢力均衡により長期化、長期泥沼化の様相を深めている。
中国も仲良しのバシル政権当時からスーダンに近く、原油開発などで深く関与し、多くの利権を有している。当然、自国の損得勘定でどちらに転んでも、利権と関与を継続するためにどちらに対しても裏支援しているものと見られる。

<チャド>北部の反政府勢力「チャド変革友愛戦線」(FACT)の活動
チャドの北部のリビアを拠点とした反政府組織、前大統領は戦闘地域の北部の国軍を視察中、攻撃を受け2021年5月死亡、息子が政権を引き継いでいる。西側のフランス軍(少数)はリビア国民戦線とともにリビアのFACT勢力を一掃する攻撃を行っている。ただ、一掃に失敗した場合、チャド北部はさらにぐちゃぐちゃになる可能性がある。

<マリ>★クーデター
特にマリやニジェールはIS系のボコ・ハラムの攻撃にさらされ、フランス軍が介入したが現在では撤退している。
ナイジャリア北部からマリやニジェールはイスラム教徒が多く、こうしたイスラム教徒の中でイスラム戦線は勢力を保持し続けている。

2021年5月、文民政治になっていたマリで、イスラム戦線に対して生ぬるいと軍部がクーデターに出て成功させ、軍事暫定政権はロシアのワグネルと共同してボコ・ハラムを攻撃していると発表、議会も向こう5年間、軍事政権を承認している。
マリ軍事政権は6月、10年間にわたりイスラム武装勢力への反撃を受け、国連の平和維持軍1万2000人も撤退しなければならないと発表し、国連軍は今年末までに撤退すると発表している。

<ブルキナファソ>★クーデター
2022年1月、ニジェールの南西、ブルキナファソでも政権が、イスラム戦線(ボコ・ハラム)を排除できないことから、若手将校らがクーデターを起こし、文民政治家のボコレ大統領が失脚している。

今や欧米は可能な限り手を汚さず、関係する勢力に経済支援・兵器支援を行い欧米に有利な勢力を政権に付かせる現代戦争に入っている。
アラブの春およびウクライナの2014年2月のクーデターがそれを物語っている。しかし、チュニジアもおかしくなり、内戦で膨大な死者と避難民を出した割には成功事例がなくなっている。

<傭兵部隊>
米軍も傭兵部隊を有しているが、シリアやイラクなどに米軍の代わりに展開させるだけで規模はしれている。
一方、ロシアはワグネルを利用して中東・アフリカ各国に深く浸透させており、今回、ロシアで不穏な動きをしたワグネルの総帥プリコジンを、プーチンが処刑することができない外交軍事の依存関係となっている。

ウクライナでは、ロシアが占領しているサポリーシャ原発の4号機(計6基)が「高熱停止」しており、IAEAは低温停止にするように、ウクライナは6基全基を低温停止するように求めている。
ロシアはカホフカダム同様、ウクライナがダムを破壊したと発表したときと同様、4号基をウクライナの攻勢・攻撃に対する報復手段として用いる可能性が一段と高くなってきている。
ウ軍はロシア支配の南部と東部を切り離すため、サポリーシャ州を集中攻撃して南下している。

モスクワが攻撃されるようになってきている。
欧米が最新兵器と砲弾を供給する限り、兵器の増産が限られるロシアは敗北する。
当然、ロシアがネズミになり、NATOの猫に逆切れし、窮鼠猫を噛む状態に至り、原発に手穂つけることになる。破壊には風向きなども関係してくる。
ロシアにとっては米軍との直接衝突の可能性がある戦略核の使用効果とほぼ同じ広範囲な効果がある。過去、チェルノブイリ原発の爆発で欧州中が大混乱した状態を再現することになる。

そのためにも、サポリーシャ原発を国連軍管理下に置くべきだろうが、国連に力もなく、国連軍もその都度、お金払って各国から募っている有様。国連軍の婦女暴行、少年性暴行、性提供配布物品優先配布が繰り返されていたとの調査報告を、潘基文前国連事務総長は隠蔽し、国連職員から新聞社にリークされ、発覚して改めて発表していた。事務総長はお粗末君以下の人物だった。

↓現在のアフリカ各国の地図と1885年欧州列強国のアフリカ統治地図(ベルリン会議により決定地図・・・アフリカでは第一次戦後までに多くが独立したが実質支配や関与は続いた。)

欧米列強諸国はアフリカを独立させるときに、多くの利権を継承し、経済援助や軍事援助を通じて緻密な関係を構築している。
植民地下の国境は直線が多く、民族や部族などお構いなしに列強間の線引きの植民地がそのまま独立、3~4000万人ともされるクルド人のように独立国とならず、現在でも、国内外から弾圧に晒されている民族もいる。
そしてそうした中東・アフリカ・中南米の国といまだ宗主国として多くの利権を持ち続けている。
日本のODAのような無償の愛は、現列強諸国には関係ない話。
日本はこれまでにパキスタンで巨額損、ミャンマーでは巨額有償資金免除、スリランカでも巨額有償資金を免除の動き。インドネシアではODAの地下鉄工事で日本ゼネコンは支払いさえ一時ストップされるザマ。
聖徳太子の時代は続かず、戦後、脳足りんな政治家が続き、日没する國に成り下がっている。

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・陽没する國のGDPと西から陽が昇る國のGDP

 


スクロール→

美しい日本のGDP

日本のGDP /名目

韓国/名目

 

ドル

ドル

 

兆円

兆ドル

兆ドル

1995

521

5.54

0.56

2000

535

4.96

0.57

2005

532

4.83

0.93

2010

505

5.75

1.14

2015

538

4.44

1.46

2020

539

5.04

1.64

2022

556

4.23

1.66

22/95年比

6.7%

-23.6%

196.4%

 

[ 2023年7月31日 ]

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