アイコン パレスチナ西岸 軍が攻撃・戦線拡大か ガザ南部空襲/北部避難民犠牲に


西岸は武装闘争を放棄したファタハの統治となっているが、イスラエル軍は容赦なく攻め立て、エルサレム旧市街にあるアルアクサ・モスル(岩のドーム含む全体を「高貴なる聖域」と称す)を何回も襲撃している。
 
10月7日のハマスの奇襲攻撃の情報は、エジプトから事前に何回もイスラエル政府にもたらされていたと報じられている。

 エジプトの情報はパレスチナ人のイスラエルに対する攻撃として情報提供されたようで、対パレスチナ最強硬派のネタニヤフ首相は、ガザについては、軍が陸・海・空・宇宙から完全監視をし続けており、問題ないと判断したもよう。
結果、ネタニヤフ軍はヨルダン川西岸に対して、今年7月から大攻勢を仕掛けていた。

 

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西岸はバレスチナ自治区、イスラエルとの対話派のファタハが統治しているが、武器を持たず、イスラエル軍の相手ではない。
しかし、イスラエルのネタニヤフ軍は、西岸の勢力拡大=占領域拡大⇒入植地拡大を図り続けており、エジプトからのパレスチナ人の襲撃の事前情報もありながら、その目的をすり替え、ガザではなく、7月から西岸に大攻勢を仕掛けていた。
 
西岸の一角、エルサレムにあるイスラム教3大聖地の一つ、アルアクサ・モスルに対するイスラエル軍による度重なる襲撃、それもラマダン中の信者たちが礼拝に集まっているところで襲撃され、アラブ世界を怒らせるものとなっている(ハマス奇襲攻撃の1日前にもサウジが批判コメントを発表していた)。

西岸ではイスラエルの入植地拡大に伴い、パレスチナ人との諍いは絶えず、またイスラエル政府も、アルアクサ・モスルの聖地一帯の入り口に金属探知機を設置するなど衝突原因をイスラエル政府も作っている(現在撤去)。
 パレスチナ人が怒り抗議活動をすれば、イスラエル軍の治安部隊が出動するという構図が続いている。

イスラエル統治の西岸エルサレム旧市街には、ユダヤ・ムスリムの聖地が・・・
ユダヤ教関係の聖地(神殿の丘と嘆きの壁)の2ヶ所、
キリスト教関係の聖墳墓教会
イスラム教の聖地(岩のドーム+アルアクサモスル)があり、

エルサレム旧市街では、居住地域も聖地に合わせて分かれ、ユダヤ人、キリスト教徒、アルメニア人(アルメニア使徒教会の信徒/聖ヤコブ主教座聖堂)、ムスリムの4居住区に分かれている。
ムスリムとユダヤ教原理主義者(イスラエルでは治外法権の信者)たちとは実に衝突するリスクがある。
入植者たちはそうしたユダヤ教原理主義の「超正統派」に近い人たちが多く入植していることも衝突を多くしている。

(ガザのハマスはイスラム原理主義のムスリム同胞団系統/西岸のファタハはイスラム・スンニ派の穏健派/レバノン・ヒズボラはイスラム・シーア派系原理主義組織)

<10倍返しのユダヤの法則>
イスラエルの手法は、イスラエル1に対して、パレスチナは10以上にカウントする。10倍返しを基本にしている。
パレスチナの西岸ファタハは、イスラエルとの対話により国土を一定地域に回復するという立場、ガザのハマスのような武器は持たず、イスラエル軍から弾圧を受けるのは鶏をひねるより容易いことでもある。

<西岸でも衝突>
パレスチナ人約330万人が暮らす西岸では、ハマスの7日の奇襲攻撃来、ユダヤ人の入植者(自警団)たちによる西岸パケスチナ人たちに対する襲撃が増加、衝突が相次ぎ、イスラエルの治安部隊が出動している。
西岸の町ナブルスでの衝突では、イスラエル軍は攻撃ヘリまで出動させ、入植者たちではなく、パレスチナ人たちの鎮圧に当たっている。
西岸の住民の多くは、すでに「イスラエルとは対話できる相手ではなく、信用できない」と述べているという(以上、ル・フィガロ紙)。

<ガザ・兵糧攻め下の大空襲>
ガザではすでに空襲で2500人以上が死亡している(14日現在)。
イスラエルは北部のバレスチナ人に対し、南部へ避難せよと警告しているが、南部も空襲しており、60万人とも100万人ともされる北部からの避難民たちが安全なはずの南部の空襲で亡くなっている。
避難民に対して周知もほとんどなされていないが、南部の幹線沿いだけが空襲回避地となっている。しかし、そうした大量の避難民たちは、南部の至るところへ逃げ、結果、多くが空襲で亡くなっている。
16日には、その南部の幹線道路でも空襲があり、多くが犠牲になり、北からの避難車両も動けず大渋滞になっているという。

エジプトは、パレスチナ人は同じアラブ人ながら境界の検問所を解放せず、避難民の受け入れを拒否している。

<ガザの次の段階、イスラエル領土拡大へ>
対バレスチナ強硬派のネタニヤフ政権は、ガザ北部からパレスチナ人たちを追い出し、ハマスを殲滅し、そこにユダヤ人たちを入植させる魂胆のようだ。地中海に面し風光明媚地。 
入植地拡大はネタニヤフ政権のこれまでの衝突の常套手段。今回は1回の規模が大きいだけの違いのようだ。

 ネタニヤフ政権は西岸のファタハとも対話せず、パレスチナの地からバレスチナ人全部を追い出すか、パレスチナ系イスラエル人として支配する構図を描いているようだ。
イスラエル各地にはパレスチナ系イスラエル人が別途120万人ほどいるという。ただ、ユダヤ系から多くの差別を受けているという。
 
戦後、列強諸国が支援したシオニズムによるユダヤ教の聖地があるパレスチナへの帰還運動、パレスチナ人には安住の地はないようだ。
1000年前、ユダヤ人たちはイスラム教の王朝によりエルサレムから追い出され、避難民となり世界各地へ逃れた。
大戦中・欧州で迫害を受けたユダヤ人たちは、国を持とうといシオニズム運動が提起され、世界からバレスチナにあるユダヤ教の聖地エルサレムに向け移住が始まった、1948年にイスラエルが建国されたが、現在に至るまでイスラム教徒の国や集団との戦争に明け暮れている。今回のハマスの奇襲攻撃によりユダヤ人にとってもイスラエルは安住の地ではなくなった。

イスラエルのいかなる政権でも、最低、西岸のファタハとはパレスチナ国家樹立に向け対話を続けるべきではないだろうか。そうしなければ、力だけによる統治ではイスラエルに平和=シャロームは訪れない。

米バイデン大統領とユダヤ社会との関係は長く深い、ロックフェラー財団との関係は特に深い。

 

[ 2023年10月18日 ]

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