アイコン 陸海空封鎖監視のガザ・ハマスが大規模作戦を実行できた謎・・・


イスラエルの情報機関は世界屈指の情報力を有している。

さらにエジプトに隣接する細長い土地のガザ地区は、地球上で最も監視の厳しい場所の一つ。
陸海空が監視下に置かれ、渡航も厳しい制限下で監視されている。電話は盗聴され、頭上では衛星が偵察している。

南北40キロ×東西奥行き10キロの地域に207万人の住民には、イスラエル側への密告者にも目を光らせる。
(イスラエル・モサドが世界一の諜報機関とされるのは、その情報取得力、ハマスやヒズボラ、イラン政府関係者・シリア兵などにも情報提供者を多く擁しているという。)

ハマスに予想外の攻撃と数百人の殺害や拉致を許した失態について、米国やイスラエルなどの現役・元情報機関当局者によると、ハマス戦闘員がイスラエルの監視網をかいくぐった様子は既に浮かび上がりつつあるという。

 

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明らかなのは、ハマスはイスラエルの通信傍受を避けるためテクノロジーに頼らない方法をとったということだという。
ミサイル攻撃は阻止できるというイスラエル軍の自信を逆手に取った可能性すらある。

元米国家情報副長官のベス・サナー氏は「私が思うに、多数の教官や実動訓練、膨大な量の弾薬搬入を含むこのような大規模な作戦をハマスが隠しおおせたのは、極めて古いやり方がとられたからだ」と指摘している。

「作戦が電子機器でやり取りされたことはなかったのではないか。
ハマスは少人数のグループに分かれ、
それぞれ会合を重ねた。
グループごとに、それぞれ異なる任務を与えられた。
全体としてどのように組み合わさるのか、
把握していたのはごく少数でしかなかっただろう」
とサナー氏は語っている。

7日(土)の明け方、ガザを隔てるハイテクフェンスを破って約1000人のハマス戦闘員がイスラエル領土に侵入、各地に散った戦闘員によって子供は親の前で射殺され、市民は自宅から人質として引きずり出され、コンサート会場は血の海と化かした。

一方で、数千発のミサイルが降り注ぎ(7~10日までに8000発との報道も)、パラグライダーでイスラエルに侵入した戦闘員もいた。
(境界壁をブルドーザーで一気に壊し進入している/イスラエル側は、壁の下には地下道建設など防止するため、音波などのセンサーを張り巡らし、日々監視している。しかし、ブルドーザーでの破壊など想定外だったのだろう)

イスラエルの情報活動に詳しい関係者はハマスの攻撃成功について、
ガザの動向監視を主に担当する同国情報機関が、ハマス指導部内部に質の高い人的な情報源を欠いていること示唆しているようだと語った。

<暗号化技術での通信か>
米セキュリティー会社フラッシュポイント幹部で、米国家テロ対策センター(NCTC)のグループチーフを務めたアンドルー・ボレーヌ氏は、
ハマスが攻撃計画策定に暗号化技術を活用した可能性もあるとみている。「機器を使った秘密通信の要素があるという感触を受けている」と述べた。

イスラエル軍の無線諜報を担う8200部隊の元メンバー、アロン・アルバツ氏は、
同国の電話や電子メールの通信傍受能力をハマスが、かわしたことは明らかだと指摘。イスラエルが過去に使用した「知覚技術」の一部もそれに含まれるとし、
「ハマスは情報が(イスラエル側で)どのように収集されているかを明らかに学んだ。そして、それを回避する方法を学んでいる」と続けた。

文字通りの地下潜伏
暗号により通信傍受を無力化させることに加え、文字通り地下に潜ったことも、イスラエルの監視網をかいくぐる一助になった可能性があるという。
ハマスに詳しい米情報関係者によると、
ハマスは貯蔵兵器をトンネルや地下に隠すことが長年にわたり長(た)けている。その結果、イスラエルが地上の倉庫を何度となく空爆しても無駄に終わっていたという。

ハマスは、イスラエルの混乱にも乗じたはず。
同国の治安当局幹部は、国内の政争に気を取られ、司法権の弱体化を図る強硬派のネタニヤフ首相の取り組みに多くの市民が数ヶ月にわたって抗議活動を続けていた。
(2022年12月ネタニヤフが組閣し、首相に返り咲いた。21年6月に組閣できず首相を退任していた)

エジプトがイスラエルに事前情報を流し続ける
タイムズ・オブ・イスラエルは9日、ハマスが「何か大きいこと」を計画していると、エジプト情報当局が繰り返し警告していたものの、イスラエル当局は「ガザ」ではなく「ヨルダン川西岸」地域に注目することを選択したと報じた。
こうした判断からかネタニヤフ軍は今年7月からヨルダン川西岸のパレスチナ自治区に対して大侵攻作戦を行っている。
以上、ブルームバーグ等いろいろ

[ 2023年10月11日 ]

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