ウィーワーク/米破産法11条申請 ソフトバンク160億ドル出資 ARM上場で帳消しへ
ソフトバンクの孫氏がIT業界を拡大解釈して商業不動産業界のウィーワークに巨額出資、粉飾決算問題が浮上、前代表更迭まではよかったものの、巨額の追い銭=捨て銭を使って債権を試みたものの失敗、今回の事態に行き着いた。
所詮、成り上がりの顛末、自らの領域を天下無敵と勘違いして拡げ続け、奢れる者は久しからずの条理のとおりとなった。体現していれば、こうはならなかったろうが・・・、百戦錬磨の大きな勘違い。その後は、ウィーワークを引き金にカントリーリスクの宝庫・中国でも火の手が上がってしまった。
ウィーワークは公称、ピーク期、29ヶ国111都市、528ヶ所以上に拠点を有し、50万人の会員にコワーキングスペースやWeWork Commonsというコミュニティーを提供している。会員価格によって国内や海外のほかの店舗でも利用できる仕組み。
ソフトバンクは、
2017年3月、3億ドル出資
2019年1月、20億ドル出資
2019年9月、共同創業者でCEOのアダム・ニューマンが粉飾決算で退任、同月上場の申請を撤
回。
2019年10月、ソフトバンクが直接経営に乗り出し再建を目指す。再生費用として95億ドルをパ
ッケージ化して投下した。禁忌の追い銭。
2023年8月、業績悪化により継続企業疑念を表明、
2023年11月6日、ニュージャージー州連邦地方裁判所に連邦倒産法第11章の適用申請。
<出資額等債権合計額>
ソフトバンクGは、3億ドル+20億ドル+95億ドルの直接出資、118億ドル+ウィーワークの発行社債約41億ドル所有。
合計で約160億ドル(約2.4兆円/150円)。
これに対し、ソフトバンクGは、前期までにウィーワークへの投資金につき6000億円を評価損・特損計上して一部処理している。残りは1.8兆円を今期処理することになる。当然、ソフトバンクGの決算で処理される。
孫氏の自己満ロマンの代償となる損金計上はあまりにも大きい。
まだ孫氏にツキは残っている。
ソフトバンクはARMを上場させている。
ウィーワークへの投資金の減損処理と相殺させ、財務バランスを悪化させない。
ARMの株式の市場放出による受取額は資本剰余金に計上、ARMはその後も子会社として株式の評価替えを行いARM所有株の計上額を見直す=資産を増加させる。
2016年7月のARM買収額は約240億ポンド(当時為替レートで約3.3兆円)。
2023年9月上場、時価総額652億ドル(約9.6兆円/147円)。
2020年9月、米エヌビディアへの売却時は最大400億ドル(約4.2兆円/当時の為替レート)だった(買収が米独禁法で認められず売却は破産)。
スクロール→
9984 SBG 2023/3月期決算 /億円 IFRS方式 |
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連結 |
売上高 |
税前利益 |
株主利益 |
自己資本 |
19/3期 |
60,935 |
16,826 |
14,111 |
90,092 |
20/3期 |
52,389 |
500 |
-9,615 |
73,729 |
21/3期 |
56,281 |
56,704 |
49,879 |
102,130 |
22/3期 |
62,215 |
-8,695 |
-17,080 |
117,077 |
23/3期 |
65,704 |
-4,691 |
-9,701 |
106,492 |