【経済ミニコラム】社会保障費の増大や財政赤字を背景に、増税の必要性がささやかれる場面が増えてきた。だが、その前に必要なのは「誰が、どれだけ、何のために負担しているのか」を可視化することではないか。現在の税制は、直接税・間接税・保険料などが複雑に絡み合い、家計が感じる“実質負担”が見えにくい。たとえば、給与明細に記載される社会保険料だけでなく、日々の消費にかかる税の総額を可視化すれば、国民の納得感も変わってくる。
「何に使われているか」が見えれば、「どれだけ負担すべきか」の議論も建設的になるはずだ。財政の信頼を取り戻す第一歩は、透明性から始まる。