アイコン 米国産穀物の海運会社なくなった? トランプの中国製船舶への高額入港料


アジアの輸入業者が米国産農産物の購入を減らしている。
トランプ政権が中国関連船舶に多額の入港料を課す計画を立てていることを受けて、海上運賃が値上がりしていることが背景にある。

米国の相互関税導入で先行き不透明感が増していることも、米国産農産物を敬遠する原因となっている。

トランプ政権は、国内造船業を復活させるため、中国関連船舶に対し150万ドル(約2.2億円/146円)~300万ドルの入港料を課すことを念頭に置いている。

これを受け、米国の輸出業者の間で中国以外の船舶を探す動きが広がった結果、海上運賃が上昇しており、米国産農産物の海運需要が減少している。(下記にバルチック海運指数の推移あり)

 

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●→『大型コンテナ船の造船は、中国と韓国とが市場の90%以上受注している。最近は安価な中国製厚板もあり、韓国はコンテナ船よりLNG船の受注に注力、大型コンテナ船では中国勢の受注が7~8割に上っている。
穀物などの大型バラ積み船の造船も中国がほとんど受注している。

韓国勢は、価格競争面から、2023年以降、LNG船の造船に特化してきている。
額も大きく、技術的にも中国より勝っているため、中国やロシア以外のほとんどのLNG船を受注している(箱型LNG船/仏GTT社に特許料として造船代の5%前後支払っている)。
韓国勢は海底天然ガスのLNG化の海上プラント施設などの受注に展開している。

韓国製のコンテナ船も大量に運航されているが、韓国勢のバラ積み船の造船はもともと少ない。大型コンテナ船の主受注先は欧州の超大手の海運会社や船主会社。
今後どうなるか不明だが、上海から米西海岸航路や東海岸航路は確立されており、当然、中国製船舶が主に運航されてきた。
ここ10年、世界の大型船の造船では半分以上が中国製のコンテナ船、バラ積み船、タンカーとなっている。

米国にも1995年当時、世界海運(コンテナ船)第2位だったSeaLandがあったが、現在はデンマークのマースクグループ傘下となっている。
同じく8位だったアメリカンプレジデントラインズ(APL)は、16位のシンガポールのネプチューン・オリエント・ラインズ社に1997年に身売り、現在は2016年にネプチューン社を買収したフランスのCMA-CGM社傘下になっている。

トランプ政権は、中国製船舶の米国入港に過料を取る方針だが、米国内外の海運会社はそうした中国製以外の船舶を新たに傭船調達することは非常に難題となっている。
バラ積み船でもコンテナ船でも今や8割以上を中国が製造している。それ以前は韓国製も多いが、それでも40%止まり。』←●

シンガポールのあるトレーダーは、「現在のところ、ほとんどの輸入業者は米国から輸入するリスクを取っていない」とし、「海運コストは上昇し、貿易戦争には多くの不確実性がある」と述べている。
別のトレーダーは、「当社は東南アジアに米国産小麦を輸送するために予約していた船舶の切り替えを目指している。中国以外の船舶を確保するには高い運賃を払わなければならない。今のところ、米国産小麦はお断りだ」と語っている。

日本や韓国など伝統的な米国産小麦の輸入国は、今後も輸入を継続する見通しだが、飼料用の米国産トウモロコシ、大豆については、一部を南米産や黒海地域産に切り替える可能性があるという。
同トレーダーによると、東南アジアのほとんどの穀物輸入業者は、5月の必要量の約半分をまだ予約しておらず、供給不足に見舞われるリスクがあるという。

米大豆輸送連合の幹部によると、
米国のある大手輸出業者が行った大豆ミール(大豆油)の輸送入札では船舶運航会社からの応札がなかったという。
中国船に多額の入港料を課すトランプ政権の計画が影響しているという。

フロリダ州を拠点とする米国最大の国際海上貨物輸送会社「シーボード・マリーン」のエドワード・ゴンザレス最高経営責任者(CEO)は「米国の造船業を強化する取り組みが、意図せずして米国資本の輸送会社を破壊するのであれば、国益にはかなわない」と公聴会で証言している。
同社は他の多くの米海運会社と同様に中国製船舶に依存している。
中国関連の船舶への料金徴収により、変化にうまく対応できる資源を持つ外資系海運会社に米国の貨物が、米資本の船舶運航会社から流れることになるとも指摘した。
今や米国には世界のトップ10に入る商船会社はない。それほど海外資本の船舶運航会社に海運を依存している。造船もしかりで大型船の造船会社は海軍の戦艦を造る造船所しかない。

韓国勢はたくましく、米国の造船会社に出資し、軍船から商船まで造船する動きに出ている。
ハンファオーション(旧大宇造船海洋)は、米海軍の艦船を整備するウィリー造船所(フィラデルフィア)を買収、米海軍と契約、大型艦船の整備を受注している。
また、現代自動車グループの現代製鉄は58億ドルを投じ、米ルイジニア州に年産270.万トンの製鉄所を造る。自動車向けだけではなく、米国の韓国系統造船会社向けに厚板も生産する計画を有している。

しかし、米国の現実は、大型商船を建造する造船会社も、世界大手の海運会社もない。米国は以前から海運を海外に依存していることで米経済を成立させている。
以上、ロイターやいろいろ参照

先が読めないトランプは、SeaLand社やAPL社を米国企業に買い戻させるかもしれない。そのためにMaersk社やCMA-CGM社の船舶が米国へ寄港する場合、売らなければ、巨額入港料を要求するかもしない。何があってもおかしくないのがトランプ、ゲルマン星の宇宙人かもしれない。ひょっとしたら単細胞の執拗なアメーバー。

バルチック海運価格指数

 

バルク船=バラ積船(穀物や鉱物)

 

2012年末

1,054

 

2015年末

474

 

2019年末

1,599

 

20/5/29.

504

 

2020/12

1,418

 

21/10/8.

5,526

 

22/12

1,515

 

23/12

2,094

 

24/12

997

 

25/1/29.

735

 

25/3/14.

1,669

 

25/4/8.

1,342

 

25/3/4日、トランプ施政方針で、国内造船業の復活計画の大統領令発布。

 
 
 

 

↓●電化製品、電子製品、機械類、雑貨、食品などはコンテナ船で運ぶ。ほかには石油タンカー、LNG船、穀物・鉱物のバラ積船、車両運搬船などの専用船がある。


スクロール→

コンテナ船 船腹量 世界ランキング

2024年4月現在/日本海事センター版

 

会社名

TEU

構成

1

MSC

スイス

5,773,512

19.7%

2

Maersk

デンマーク

4,228,692

14.5%

3

CMA-CGM

フランス

3,627,984

12.4%

4

COSCO=中国遠洋運輸

中国

3,109,813

10.6%

5

ハパックロイド

ドイツ

2,054,089

7.0%

6

ONE

日本

1,839,328

6.3%

7

Ever Green

台湾

1,669,299

5.7%

8

HMM=現代商船

韓国

786,131

2.7%

9

陽明海運

台湾

707,018

2.4%

10

Zim

イスラエル

692,084

2.4%

11

萬海航運=ワンハイ

台湾

487,425

1.7%

12

Pacific International

シンガポール

310,059

1.1%

13

SITC

中国

163,529

0.6%

14

X-Press Feeders

シンガポール

160,297

0.5%

15

KMTC=高麗海運

韓国

150,960

0.5%

16

Sea Lead

シンガポール

148,410

0.5%

17

Islamic Republic

イラン

144,292

0.5%

18

UniFeeder

デンマーク

143,239

0.5%

19

中谷物流

中国

123,166

0.4%

20

長錦商船

中国

122,158

0.4%

その他

 

 

2,805,212

9.6%

全世界合計

29,246,697

26,441,485

ONEは実質日本の会社だが、籍はシンガポールに置いている。

TEUは20フィートコンテナ、超大型コンテナ船はTEU2.4万個搭載船。

 

 

 

[ 2025年4月10日 ]

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