アイコン BMW3・5・7シリーズ27台炎上で10万台リコール/韓国 ディーゼル車だろう

 

 

走行中のBMW車両が30日正午ごろ、仁川・金浦高速道路のトンネル内で炎上した。車は全焼したが、ドライバーと同乗者の計3人は避難して無事だった。

今年に入り、韓国国内でのBMWの火災は、韓国国土交通部(省)によると27件に上っている。
 BMWは3・5・7シリーズなど10万台のリコールを決定し、事前緊急安全点検などを実施中。しかし、問題のない車両で火災が発生する原因は依然として究明されていない。

 BMWは「排気ガスの再循環装置(EGR)モジュールの異常と推定される」と説明した。原因を調査している国土交通部は「EGRに問題が発生し、高温の排気ガスが冷却されない状態で車体の内部に流入したことが事故原因とみられる」と説明している。
エンジンに流入した高温の排気ガスによってエンジンに穴が開き、エンジンカバーなどが発火して火災が発生したとの見方。 

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EGRはディーゼル車の有害な排出ガスを削減する装置。エンジンで発生した高温の排気ガスを、すぐに外に排出するのではなく、吸気管に吸い込ませて浄化する。

EGRのバルブが高速で開閉することで排気ガスを吸気管に送り込み、その過程で冷却装置が排気ガスの温度を下げる。
 こうした一連の過程で問題が発生したとみられるが、部品の不良なのか、設計の欠陥なのか、作動方式に問題があるのか、いまだに原因が特定できていない。

専門家は、「EGRバルブの異常」だとして「EGRのバルブが閉じる際に完全に閉じず、高温の排気ガスが冷めずに吸気管に流入し続けたことで、火災が発生した可能性がある」と指摘した。
また別の専門家は、「EGRのバルブではなく、バルブを作動させるシステムに問題がある可能性」を指摘した。
「BMWのEGRの冷却水は、ほかの車の平均量の半分にすぎず、限界値ぎりぎりに設計されている」として、「猛暑が続き過剰な負荷がかかったのだろう」と分析した。

「燃費と排出ガス規制の問題を同時に解決しようとしたため、EGRの設計に無理な点があったのではないか」とも指摘した。
 BMWは問題のEGRモジュールについて、全世界共通だと説明しているが、韓国でだけ火災が頻発している点も疑問。
ある自動車業界の専門家は「韓国は、渋滞が激しいことに加え、猛暑が続いていることも関係があるのではないか」として、「繰り返し渋滞すると、地熱などによって過熱した排気ガスが冷めにくくなる」と指摘した。
一方、BMWは、昨年11月に米国で、火災発生の恐れがあるとして100万台以上をリコールしており、韓国だけの問題ではないとの声も上がっている。
 一方、BMW520dの所有者4人が30日、BMWコリアを相手取り、500万ウォン(約50万円)の損害賠償を求めてソウル中央地裁に提訴した。
今後、集団訴訟が拡大する可能性もある。
以上、

EGRはVWの不正問題の1つでディーゼル車の有毒排ガス(NOx/窒素酸化物)を再燃焼させることで減らすシステム、しかし、稼動させることで、エンジンに負荷がかかり、燃費効率を悪くする問題とエンジンが高温になり過ぎて壊れる危険性がある問題。
一つ目の問題は不正が発覚して修正されたが、2つ目の問題はエンジンルーム温度が一定条件以上になれば、EGRを停止さらるプログラムにより、エンジンが保護されるというもの。その代わり、有毒排ガスは大量に市中にまき散らかされることになる。しかし、ユーロ基準ではメーカーに公認された裏基準があり、エンジンルーム温度による停止は容認されている。
ただ、日産のキャシュカイ(英国産ディーゼル車)は設定温度が35度だったとして、韓国当局が摘発し、裁判沙汰となったものの、韓国で日産は敗訴している。

韓国当局がVW不正排ガス問題で、輸入車量21台のディーゼル乗用車を検査したところ、2台がこうした設定をしていなかっただけだった。
キャシュカイだけが35度で停止するように設定され、残る18台は48度前後に設定されていた。
今回の炎上問題は、BMWがEGR停止設定温度を何度に設定していたかも問題にもなる。一連の不正で、設定温度を高く修正や撤廃していた場合、エンジンが高熱になり過ぎ破壊され、炎上する可能性がある。

エンジンルーム温度は、夏の極暑の炎天下で風通しが悪ければ、駐車中であっても50度から60度近くまで上昇する。それにEGRによりエンジンに負荷をかけた状態での走行での燃焼は更なる高熱をもたらす。
こうした車両は、高温下の夜だったら、エンジン本体が赤くなっている可能性もある。

韓国では、EUと自由貿易協定を2011年7月に発効させ、大量の欧州車が販売されるようになった。ドイツ信仰の強い韓国にあり、VWなどのダウンサイジングディーゼルエンジン搭載車が持て囃され、また燃料費も安いこともあり、国産D車も含め、瞬く間に韓国での乗用車総販売台数の約半分を占めるほどになった。

しかし、2015年9月に米国で発見されたVW不正プログラム問題から一転している。
EGR停止問題は、許容されたエンジンルーム48度前後の温度設定では、走行中、真冬でもない限りすぐ到達し、韓国の大気汚染の大きな原因ともなっている。
ガソリン車などに買い替えでもしない限り、ディーゼル車ならばこうした問題が発生する可能性が高い。

ドイツD車では先般、D車にEGRと併用され設置される排ガス尿疎水触媒装置(SCR)をまったく機能させていない車両も表面化していた。
メーカーにとって尿疎水タンクを小さくすることで軽量化が図れる。
ユーザーにとっても尿疎水を充填する費用の節約になる。
点が指摘されているが、VW不正問題も含め、硫黄酸化物など窒素酸化物を大気に大量に撒き散らしていたことになり、環境大国ドイツメーカーのいい頃加減さは目を見張るものがある。

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[ 2018年7月31日 ]

 

 

 

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