アイコン 韓国最新鋭ハイブリッド護衛艦「大邱」就役5ヶ月でモーター損傷・運用停止

 

 

韓国海軍の新型護衛艦=フリゲート艦「大邱」(2800トン)が電力化から5ヶ月が経過した今年1月、推進システムの異常で運用できなくなったことが2月20日分かったと朝鮮日報が報じている。

「大邱」は、韓国海軍の次期護衛艦のうち、初めて電力化された先導艦。軍は2013年から合計3400億ウォン(約335億円)をかけて「大邱」を建造した。計9隻建造が予定されている。

軍関係者は20日、「今年1月末、『大邱』の推進システムに欠陥が生じて運用を中断し、原因を究明しているところだ。プロペラを回すモーター付近の部品が過熱して駆動を中止した」と明らかにした。
軍のある幹部は、「プロペラを動かすモーターが過熱して焼けてしまった」と言った。
推進システムの欠陥でプロペラを動かす動力源が破損し、艦艇が動かなくなったという。

「大邱」は、電力化前からエンジンなどの推進システムの問題を指摘され続けていた。韓国海軍は新型護衛艦事業を推進する際、ガスタービンと電気モーターを組み合わせた「ハイブリッド方式」の推進システムを導入した。
同艦は、普段は電気エネルギーを利用したモーターで巡航するが、緊急時は瞬間速度が出るガスタービンを利用する仕組み。

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<引渡し前の試運転段階での問題>
ガイタービンブレードで23ヶ所に損傷(エンジンはロールスロイス製)
潜水艦感知用の曳航型ライン配列ソナー(TASS)に海水流入
モーター起動からガスタービン起動に切り替える時間が従来品より6分以上かかる性能欠陥問題
数十ヶ所に損傷があり、海水流入問題
(韓国軍ではよくある事前設定の性能評価未達でのメーカー引渡し問題/その多くが賄賂や天下りに関係している。性能評価との乖離が多過ぎ、引き渡されたものの係留されたままの軍艦もある)

同艦は、試験運用の過程で電気を利用して艦艇を駆動してからガスタービンに転換する時間が過度に長引き、「戦時に不適切な艦艇」という声もあった。

問題は、軍や艦艇製造企業が「大邱」の故障の根本的な原因を見つけられていないことにある。
軍関係者は、「モーター付近の付属貧であるベアリングの問題だと思われる。しかし、なぜ推進システムのベアリングに過熱という問題が生じたのかは、まだ究明されていない」と話した。

このため、複数の専門家が「大邱」の復帰に最長1年かかる可能性があると見ている。
ある防衛産業関係者は、「推進システムは艦艇の最も重要な部分なので、内部に固定されている。このシステムを直すには、新しい艦艇の鋼板をはがして船体の一部を切断しなければならない状況だ」と言った。

だが、海軍関係者は「故障の一次的な原因が見つかっただけに、修理期間は長くはならない可能性もある」と語っているという。

<護衛艦「大邱」概要>
大邱級フリゲートは、韓国海軍のフリゲート艦。沿岸防備中核戦力となっている前級仁川級フリゲートを元に改良型であるバッチ2型で9隻建造予定。

建造価格低減のためガスタービン機関をGE製のLM2500×2基からロールス・ロイス製MT30×1基に変更、国産の個艦防空ミサイルおよびK-ASROC対潜ミサイルのためのVLSが装備されるなど、大規模な設計変更が行われている。
艦番号:FFG-818
排水量:軽荷: 2,800 t/満載: 3,592 t
全長:122m、全幅:14m
機関:ディーゼルエレクトリック・ガスタービン複合推進方式
進水は2016年4月/就役は2018年7月
建造:大宇造船海洋。

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[ 2019年2月21日 ]

 

 

 

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