アイコン ソウル・江南繁華街の不動産空き室率16%と 韓国

 

 

昨年4.27板門店南北首脳会議を前後して、中国資本がソウル中心街の不動産を買い漁り、不動産バブル沈静化のため、朴政権後期から文政権に至っても継続していた不動産に対する規制強化により、沈静化しつつあった不動産市場がソウルだけは急騰した。

韓国メディアは挙って、外資の韓国投資が急拡大していると喜んでいたが、実態はそうしたものだった。
その不動産も北朝鮮の非核化の長期化とそのものの嫌疑により、不動産の規制強化の勢いを増している。
さらに2.28ハノイ米朝首脳会談の失敗により、北朝鮮の完全非核化も不透明感が台頭してきている。

韓国はそうしたソウルを除き不動産バブルが崩壊、不動産業界の低迷は、不動産業従事者や建設業の就業者数の減少にも現れている。そのソウルでも不動産取引件数は前年比で2桁減と落ち込んでおり、価格も今後下落すると見られている。

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だが、不動産価格が過度に落ち込めば、国民の家計負債150兆円の65%を占める不動産担保融資の担保不足問題も生じる。結果、金融機関の不良債権が増加すれば、金融機関は融資抑制策・選別融資に走り、企業の資金繰りにも影響することになる。
それでなくても、過度なこうした家計負債は、消費に影響を与える。
また、文政権の経済失政は失業率を増加させ、住宅難民も増加させている。

それでも現在のところ、ソウル都市圏は別、部屋の賃借料は高止まりか上昇している。不景気になると地方から職を求めて大都市に集中し、不動産価格の上昇に伴い家賃も上昇している。最低賃金増で労賃が上昇、資材も上昇し、結果、建築価格も上昇していることも背景にある。

ソウルを賑わした中国人観光客が最近、増加しているというが、大幅に減少した中での増加では、その影響力も小さく、また、中国経済も低迷し、爆買いすることもなくなっている。韓国の化粧品は知らないが、中国では今では海外製品が中国のネットで買え、爆買いする必要も、海外旅行での近隣から購入を依頼されることもなくなってきている。

ただ、春節期間中、明洞や江南などの商店街や飲食店は、外国人観光客の客足が途絶えていると報道されていたが、2月の中国人訪韓客数は31.3%増の40万人と報告されており、中国人たちはどこへ行ったのだろうか。

江南「新沙洞」:
ソウル市の繁華街江南区の「新沙洞」の広い幹線道路沿いにある商業ビルには壁に「譲渡・賃貸」と書かれた横断幕が風になびいている。
江南地区でも最も栄えた地区なのだが、「カロスギル(街路樹通)」の入り口から江南乙支病院の方向に向かう通り沿いに並んだ建物26棟のうち7棟は1階部分の店舗物件が空いている。
ある物件には、「権利金なし」という文字が掲げられていた。
建物の前面ど真ん中に賃貸募集の横断幕を掲げた物件もあった。
「オーナーが直接賃貸」とうたった物件も目についた。
ある建物の管理人は「オーナーは(借り手がつかずに)焦り、賃貸広告のフレーズにも気を遣っている」と話した。

江南「狎鴎亭洞」:韓国一おしゃれな町
江南区「狎鴎亭洞」の「ギャラリア百貨店付近」にある商業ビル1階には、店舗物件に至る所に賃貸の文字が躍っている。
不動産業界関係者は「以前は、商売がうまくいかずに空きが出てもすぐに埋まったものだが、最近は一度空くとしばらく空いたままだ。賃料も下がったが、借り手がいない」と話している。
幹線道路から路地に入ると、空き物件は目立って増える。
「ロデオ通り」では、一軒また一軒と「賃貸」の文字が掲げられていた。あるカフェの経営者は「賃料と人件費に持ちこたえることが難しくなった。自分もいつまで耐えられるか分からない」と語っている。

江南「ノンヒョン洞=論峴洞」:狎鴎亭洞の南に隣接
「ノンヒョン洞」の15階建て商業ビルは6、7階がまるごと空いている。
1年半前には空室率がわずか1%で、空き物件を探すことさえ難しかったノンヒョン駅周辺では、空室率が18.9%まで上昇している。

最低賃金が、今年も昨年の16.4%に続き10.9%も上昇、増加傾向にある観光客も昔のような爆買いはなくなり、商店では店を畳むか、従業員を減らすしかなくなっている。
韓国のカネが集まるという江南商圏もやっていけないほど街角景気が冷え込んでいる。

 

 
[ 2019年3月26日 ]

 

 

 

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