アイコン 危機的なルノーサムスンの労組と会社の攻防 解決はルノー撤退のみか

 

 

韓国では2017年5月、左派の文政権が誕生以来、労働組合の力が増している。ストを打つ韓国労総・ゼネストまで敢行する民主労総とも、民間企業の2組織がこの間拡大させている。

韓国の労働組合は、企業の経営状態などまったくお構いなしに、いくらでも企業から搾り取れると見ており、常に要求を突きつけ、ストを打っている。
ただ、実質経営破綻し、インドのマヒンドラ傘下になった双龍自動車だけは労働組合の活動はほとんどない。
現代・起亜・韓国GM・ルノーサムスンでは労働組合が幅を利かせている。韓国大手と親会社が大手だからだろうか。
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ルノーサムスン販売台数推移 単位:千台
 
世界市場
前年比
うち韓国
前年比
 
2012年
154
 
59
 
 
2013年
131
-14.9%
60
1.7%
経営不振
2014年
169
29.0%
80
33.3%
9産OEM協定
2015年
229
35.5%
80
0.0%
 
2016年
257
12.2%
111
38.8%
 
2017年
276
7.4%
100
-9.9%
 
2018年
227
-17.8%
90
-10.0%
 
2019年の月別状況 単位:台
9月日産OEM終了
19/1月
13,693
-37.3%
5,174
-19.2%
 
19/2月
11,721
-26.7%
4,923
-8.0%
 
19/3月
13,796
-49.0%
6,540
-16.2%
 
1~3月計
39,210
-39.6%
16,637
-9.1%
 
 
 
労組の要求・主張とは、
ルノーサムスンの労働組合は、昨年9月、過激な民主労組が主導権を握り、早速10月から時限ストを今日まで打ち続け、最近はそのスト時間も拡大させ、すでに生産に大きな支障をもたらしている。
 
1、<賃金対立>
ルノーサムスン労組は「釜山工場で8年間勤めても基本給は133万ウォンにすぎない」と主張している。
 
これに対し会社側は「平均年俸は8000万ウォンに達する」と反論し、事実、基本給に連動する固定手当てや成果給などを含み、給与+福利厚生費など賃金性支出総額を釜山工場の労働者数で割った平均年俸での計算は8000万ウォンになると説明している。
 
労組は、基本給を月10万667ウォン賃上げ、自己啓発費を月2万113ウォン、激励金として300万ウォン+基本給の250%を要求している。
 
一方、会社側は、「2017年の賃金団体交渉で、すでに韓国の自動車業界で最大水準となる月6万2400ウォンの基本給を引き上げており、基本給追加引き上げの余力はない」との立場を表明している。
 
労組は、絶対賃金水準が2017年基準で(韓国民から労働貴族と呼ばれている)現代自動車の従業員平均賃金9200万ウォンの85%にすぎない上に、ルノーサムスンの釜山工場は、生産性が(現代自動車より)非常に高く、賃金引き上げ余力があると主張し対抗している。
実際にルノーサムスン釜山工場は時間当たり自動車生産台数が2017年基準で66台。
 
会社側は、釜山工場の標準時間比の生産投入時間1.99であり、九州苅田工場の1.90より5%ほど低く、2.00を上回った場合、ルノー本体から製造の割当車種が来なくなると表明している。
 
2、<人事経営権につき、合意制を要求>
人事経営権の「協議」事項を「合意」に転換することを要求。
人材200人を補充し、時間当たり生産台数(UPH)を60台から55台に引き下げ要求。
 
一方、会社側は、この条件を受け入れれば釜山工場の最大の長所の一つである生産性が低下するため受け入れられないとしている。
 
ルノーサムスン関係者は「グローバル企業のうち作業転換配置時の労組との合意を受け入れた前例はない。会社の経営権侵害が懸念され、生産性低下が予想される労組の要求を受け入れることはできない」と言い切っている。
 
3、<全生産台数の半分が日産ローグ、変わる生産車種要求>
仏ルノー本社が提示した交渉期間である3月8日を1ヶ月過ぎ、日産ローグの追加委託生産は水泡に帰した。ルノーサムスンは9月に日産ローグの委託生産が満了する。
これで年間10万台のローグ生産台数が、今年は6万台水準に落ちる。
 
2019年10月はSUVローグのフルモデルチェンジ時期、生産機械の更新が必要なことから、日産は、生産委託した場合、よほど売れない限り、次のモデルチェンジまで委託を止められない事情がある。
だが、ルノーサムスンにはローグに変わる後続対策がない。
 
4、<労使対立の余波>
ルノーサムスン関係者は「ローグは、昨年基準で釜山工場の輸出台数の半分ほどを占めてきた核心モデルだ。後続対策として3月に公開された新車『XM3』の輸出生産割り当てを確保しなければならないが、労使対立の長期化で本社の信頼を失っており台数確保は容易でない」と話している。
最近2019ソウルモーターショーで公開したXM3の輸出分生産割当が釜山工場ではなくスペイン工場に渡る可能性が高いという。
 
5、<委託生産車・日産ローグの委託終了>
2018年のルノーサムスン、米国への輸出車であるローグの生産台数10万7245台はルノーサムスン釜山工場の総生産台数22万7577台のほぼ半分の47.1%を占める。
ストで輸出遅れ・納品遅れが生じれば、同車は米国日産の最大の売り筋車両であり、販売に大きな支障が生じることから、日産にしてみれば委託生産させられない事情もある。
 
6、<組合への自制要求・組合は無視>
ルノーグループのロス・モザス副会長(製造・供給ネットワーク管理部門総括)は2月、釜山工場の労働者にスト自制を要請した。
ルノーサムスンは「ローグ後続生産がすべてなくなると仮定する場合、理論的に釜山工場は約900人の人材縮小が必要な状況」と深刻性を伝えた。鋭く対立する双方の立場をファクトチェック(検証)した。
 
7、<ルノーがサムスン自動車を買収した経緯>
元々サムスン自動車が操業開始1年6ヶ月でアジア通貨危機に見舞われ、2000年に経営破綻状態に、ルノーが80%の株を取得して経営に直接乗り出したのが始まり。
しかし、2010年代に入り、販売不振、経営不振に陥り、ルノーの子会社であり、ルノーのCEOのゴーンが日産にローグを2014年9月から委託生産させ、黒字経営に転換させた。
2005年からルノーのCEOになっていたゴーン(日産のCEOは1999年~2017年4月まで)は、フランス北部の工場でも同じ手法で日産車を委託生産させ工場稼動率を上昇させ、黒字経営を定着させ、こうしたことからゴーンはルノーの収益を稼ぎ出し評価され、さらに日産からの巨額配当もあり、安定したCEOに上り詰めていた。・・・日産のゴーンに対する不満はこうしたことにもある。
以上、

 
[ 2019年4月11日 ]

 

 

 

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