アイコン 米韓・意思齟齬「グッド・イナフ・ディール」 駐韓ハリス大使

 

 

韓国文政権は、昨年の10.19南北軍事合意を、米国になし崩し的に追認させるなど、米国の意向を無視して行っており、米政権も文政権の手の内を先読みし、韓国に対しても慎重な対応をとっている。
当然ながら北朝鮮に対し盲目的な愛を貫く文政権と北朝鮮の核完全廃棄を要求する米トランプ政権とは政策も相反し、意思齟齬も明らかとなっている。

韓国政府が提案した「グッド・イナフ・ディール」(=十分に良い取引/北朝鮮非核化交渉に中間段階を含むこと)に関し、 ハリー・ハリス駐韓米国大使が22日、「実際、中間段階が何であるのか私には分からない」と記者団の質問に回答した。

ハリス大使は「実際、非核化まで(対北制裁)解除はないが、韓国政府は私と中間段階について情報を共有することがなかった」とし、「ただ、トランプ大統領と文在寅大統領は『制裁解除問題はFFVD(最終的で完全かつ検証可能な非核化)にかかっている』という点にワシントン(韓米首脳会談)で共感した」と述べた。

こうした発言は、ハリス大使が官邸のソウル貞洞に外交部担当記者団を招待して開いた懇談会での発言。

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ハノイ米朝首脳会談の決裂後の3月17日、青瓦台(大統領府)関係者は記者らに対し、「北が包括的目標を達成するためのロードマップに合意するように導き、『スモールディール』を『グッド・イナフ・ディール』にすべきではないだろうか」と述べていた。

北核交渉に詳しい元外交官は「ハリス大使は、韓国政府が主張する『グッド・イナフ・ディール』を常識的には知っているが、受け入れることはできないという意向を明らかにしたと見るべき」と話した。

別の元外交官も「『私は分からない』という表現は外交用語ではかなり極端な表現」であり「段階的な非核化はあり得ないという立場を公表したということだ」と説明した。

この日の記者の質問も「韓国政府が(米国が主張する)ビッグディールの過程で中間段階(グッド・イナフ・ディール)交渉を考慮しているが、これは(米国の)考慮対象ではないのか」だった。
北朝鮮は、段階的な非核化と相応の措置を要求する「スモールディール」を要求する一方、米国は「ビッグディール(寧辺を含むすべての核施設の申告・廃棄・検証およびすべての大量破壊兵器の凍結・廃棄と制裁解除の交換)」を維持し、それを北朝鮮側の金正恩に首脳会談で伝えている。

ハリス大使は、ハノイ米朝首脳会談について「ビッグディールかグッド・イナフ・ディールかの選択ではなく、ノーディールかバッドディールかの問題であり、トランプ大統領が正しい選択をしたと考える」と述べた。

ハノイ実務交渉での北朝鮮の提案について、ハリス大使は「(北朝鮮の提案通りなら)核施設の寧辺が未来のある時点に廃棄されるという約束を受けることができただろう」としながらも、「大量破壊兵器と運搬手段、生産能力はほとんどすべて残り、韓国・日本・ロシア地域はさらに危険になるはず」と強調した。
ロシアにまで言及したのは今週開かれる露朝首脳会談を念頭に置いた可能性がある。

また、ハリス大使は「部分的な対北朝鮮制裁緩和と南北協力に対する見解」を尋ねる質問に対し、「部分的制裁緩和に対する公式的な提案書を韓国側から受けたことはない」とし「もちろん(部分的制裁緩和に関する)話を多くしたが、結局、トランプ大統領と文大統領は北朝鮮のFFVDを改めて強調した」と答えた。

韓国政府が要求する開城工業団地再稼働および金剛山観光再開など部分的な制裁緩和は北朝鮮非核化のビッグディール前には難しいと釘を刺したことを意味する。

ハリス大使は「金正恩委員長は、トランプ大統領が何を望むのかをもう知っている」とし「テニスに例えれば、ボールは金委員長側のコートにある。トランプ大統領は打ち返しやすいショットをした」と話した。
続いて、日米同盟の強化で韓国が孤立するのではという質問に対しては「韓国は孤立していないと考える」とし、「日米同盟があり、米韓同盟があるが、日韓間で意見が一致すれば日米韓同盟も強化するだろう」と答えた。
以上、
韓国で北朝鮮愛の文政権やともに民主党政権が続く限り、日韓間で意見が一致することはまずない。反日を支持の吸引力にしており、敵対することはあっても真に一致することはない。

<もはやお飾りの鄭景斗韓国国防長官>
それはプロの軍人である鄭景斗韓国国防長官が、危機的状況や戦争でもないのにもかからず、文在寅氏に完全に飲み込まれ、文氏や大統領府の意のままに動いていることによるもの。(大出世させてもらったことによるものだろうが、判断力もなく存在感0、大統領府の御用聞きの長官に甘んじている)
それは軍人として政権の意のままに動くという宿命だろうが、東アジアの軍事的情勢に対する判断も放棄し、大統領府に判断を任せるというものであり、急にトップまで上り詰めたことから、国防長官として政権に、的確なアドバイスする立場を理解していないことに起因しているものと見られる。国防長官の職責は大統領府の思いのままに動くような、お飾りではないはずだが・・・。

<文在寅氏は過去の失敗をまったく反省していない>
米側に中間段階があるとすれば、それはあくまでもビッグディールの一貫性の中でのこと。ロードマップに基づくものでなければならない。
韓国文政権は、米国と目標は一致していると強く述べているが、方法論はまったく別のもの。文在寅氏にしても盧武鉉時代の大番頭として、北朝鮮に対して、核開発放棄を前提として資金を垂れ流し(借款3500億円以上)続け、結果、2006年10月の北朝鮮初となる核実験を行わせた経験は、一分一厘も反省されず、今回の核完全廃絶に対しても高尚に当たっているところに、文在寅氏の限界とともに、核心の問題があるようでならない。

2.28ハノイ会談でも、核施設解体において、寧辺のほか、一般に知られていない核施設の廃棄を金正恩が提示していた場合、その真剣さを勘案し、合意していた可能性はある。
しかし、以前から北が提示している核施設の解体だけでは、すでに物足りず、北がロードマップも示さないようでは、米側が多くを要求することは当然のことだろう。

米トランプ政権は、北朝鮮に駆け引きを要求しているものではなく、核の完全廃棄を要求している。
文政権は北朝鮮の駆け引きに単に利用され、北朝鮮の脅威の前に当事者としての立場をすでに完全放棄、今や米朝の仲裁者面しているものの、実際は北朝鮮の報道官どころか、代理人としての役割を果たしているところに、米韓間の関係が暗礁に乗り上げる結果となっている。
それもこれも10.19の南北軍事合意に起因しているよだ。

 

 
[ 2019年4月24日 ]

 

 

 

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