アイコン 中国の債務トラップ外交を知らないデニー知事

 

 

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2019年4月29日 (月)

中国の債務トラップ外交を知らないデニー知事

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沖縄のレフト方向の人たちの通弊は、沖縄を本土政府との関係でしか見ないことです。

その視野に入る「外国」といえば、せいぜい米国と中国ていどなもので、「国境の県」としてのアンテナはなきが如しです。

故翁長知事は県の「大使館」を米国に作りましたが、そもそも食い込めもしないワシントン政界にそんなものを作ってみてもしょうがないのです。

どうせ「大使」を置くなら、米国や中国、あるいはアジア諸国の動向を探れる、たとえばシンガポールなどに気の利いた「諜者」を置くほうがよほどましでした。

あるいは、外国に展開する商社筋に情報コネクションを持つだけでもだいぶ違います。

ですからデニー知事は、国際政治に何が起きているのか、まったくブラインドなくせに安易に火遊びに手を突っ込もうとしています。

中国の一帯一路について、歓迎するとデニー知事が言い出しました。それを伝える琉球新報です。

「玉城デニー知事は26日の定例記者会見で、河野洋平元外相が会長を務める日本国際貿易促進協会の訪中団の一員として16~19日に訪中した際、面談した胡春華副首相に対し「中国政府の提唱する広域経済圏構想『一帯一路』に関する日本の出入り口として沖縄を活用してほしい」と提案したことを明らかにした。胡副首相は「沖縄を活用することに賛同する」と述べたという。

 巨額融資によって債務を抱えるリスクも指摘される同構想だが、玉城知事は「沖縄がどのように関わっていけるか詳細に検討している段階ではない。情報収集し、沖縄がどのように関わっていけるか模索し、広く中国や台湾、アジア全域への懸け橋につながっていけることを期待している」と説明した」(琉球新報4月27日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190427-00000003-ryu-oki

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ハーバービネスオンライン https://hbol.jp/173834

ほー、「一帯一路の出入り口として沖縄を使ってくれと中国要人に伝えた」、ですか。

公人として訪中した席上での発言ですから、大変に問題です。

よもやこんな重大なことを知事の独断専行で言ってしまったんじゃないでしょうね。とうぜん県議会にかけて審議した上での発言でしょうね。

いやそもそもわが国の外交政策とも大きく異なりますから、政府に打診したのでしょうね。

一帯一路の国際会議が国の大統領・首相クラスが集まったのは、これが国家が国家を対象として貸し出す融資だからです。

そんなことをたかだか地方自治体の首長が国の頭越しに発言してしまっても、沖縄だけは特別だとでも言いたいのでしょうか。あんた何様?

こういう沖縄県の恣意的な「県外交」はいいかげん止めてもらえませんか。

デニー知事は小沢親分の影響で親中派ですが、親中かどうかであるというよりも無知に過ぎます。

政治家の無知は県民どころか、国民全体を不幸にします。

この中国の一帯一路政策は、ひとことでいえばヤクザがよく使う「債務トラップ」です。

借金が返せそうもない案件を甘い言葉で勧誘し、カモがそれに食いつくと巨額の融資をしてやり、その見返りに土地や港を担保にしてしまいます。

当然返済は予定調和的にショートしますから、担保物件としてそれを押えてしまうという悪どいやり口です。

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出典不明   一帯一路の概念図
 

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日経

先日の4月25日に、第2回一帯一路の閣僚級会議が開かれました。

この席上、中国は参加各国の「オレたちを債務トラップに陥れて、土港を取り上げる気か」という声に、火達磨になって言い訳に追われました。

中国人民銀行(中央銀行)の易綱 (いこう)総裁は、4400億ドル(約49兆2千億円)を提供した」と豪語する反面で、 こんなことを認める始末です。

「債務が増加しても、インフラ整備や貧困率の低下などに貢献しているならば、経済が成長し長期的には財政の持続性をもたらす」

苦しいですね。

債務が超過してもそれ以上の成長のメリットがあるんだから問題ないだろうという論法ですが、ちょと待ってくださいよ、その担保で取られた港は中国が所有権を押えて私物化し、運営権も握っていたんでしたよね。

誰が誰のためにやっているのか、その国の「貧困率を下げる」ためにやっているなんておためごかしはよして下さい。

あるいは劉昆(りゅうこん)財政相はこんなことを言ってなだめようとしています。

「(途上国の)財政の持続性を評価する仕組みを作り、債務リスクを防止する」

同じことは、他ならぬ会議で演説した習近平も言っています。

「中国の習近平国家主席は26日、北京で開かれた巨大経済圏構想「一帯一路」がテーマの第2回国際協力フォーラムで演説した。習氏はインフラ建設などで、「国際規則・標準に基づいて進め、各国の法律法規を尊重しなければならない」と述べた」(産経4月26日)

え、なんですって。

では、いままで国際規範も当該国の国内法も尊重せずに、債務返済の持続性を評価する仕組みもなく、債務リスクを増大させていたということですか。呆れたものだ。

こういう無計画で杜撰極まるインフラ投資は、今の中国ではあたりまえでした。

金融機関が不良債権も厭わず、改修不能なカネを貸し付け、中国全土に「鬼城」とよばれるゴーストタウンを林立させました。

この過剰資本が国内で融資先に行き詰まり、外国に資本投下を拡大したのが、この一帯一路です。

19世紀の古典的帝国主義そのままのことをしているのが、今の中国です。

会議の席上、IMFのラガルド゙専務理事はこう述べています。

「[北京 26日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は26日、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」について、インフラ事業は必要な地域でのみ行い、負債を持続可能な水準に抑えるべきだとの認識を示した。

専務理事は、港湾・道路など取引の拡大につながるインフラの建設事業は一部の国で成長に好影響を与えているが、慎重な管理が必要だと指摘。

その上で、透明性向上、競争入札による調達プロセスの公開、プロジェクト選定のリスク管理向上を盛り込んだ「一帯一路2.0」に改革すべきだと主張した。専務理事は「歴史を振り返れば分かるが、インフラ投資は慎重に管理しないと、債務の拡大につながり、問題を引き起こす」と発言。「以前にも指摘したが、一帯一路は、完全な成功を収めるためには、必要な地域でのみ行う必要がある。そして今日追加するが、あらゆる側面で、持続可能な場所でのみ行うことも必要だ」と述べた。」(ロイター4月26日)

だから、一帯一路は巨大な街金のカードローンだといわれるのです。
簡単に貸すものの、トイチですぐに返済が行き詰まり、家屋敷が丸ごととられるか、苦海の泥沼に身を沈めることになります。

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中国の典型的な手口として、スリランカをケーススタディしてみましょう。

まず中国は、絶対に返せないことを見込んで港湾、空港、大型高速道路などといった巨大インフラの投資話を持ちかけます。

前スリランカ大統領のラジャパクサは、親中派だったことから目をつけられ、三期当選を可能にする改憲を強行し独裁政権を固めるために、この中国の甘い誘いに自ら飛び込みました。

そして自分の地元のハンバントタ県に、現地経済の実体にまったく不必要な港湾と空港を建設したのです。
借りたカネは、なんと約13億ドル(約1440億円)。

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ハンバントタ港  産経前掲

その裏にはおそらく巨額なリベートが支払われたはずです。プロジェクトに乗り、中国企業に発注することで、おそらく3割近いリベートが大統領とその周辺にばらまかれたと思われます。

一帯一路と中華民族の伝統的しきたりである賄賂は切っても切れない仲で、アジア・アフリカの各地で汚職疑惑が浮上しています。

ところでこのハンバントタ港は2010年に、中国から建設費用の85%を借款して、中国港湾工程公司という国有企業が受注しました。

金利は年利6%という高利で、返済がいったん滞ればたちまち返済不能となります。

日本のスリランカ支援は0.5%で、付帯する危ない条項は一切ついていません。

「最終的には株式の70%を中国国有企業に99年間貸与せざるを得なくなった。

リース料として11億2千万ドル(約1240億円)が支払われるが、事実上の“売却”といえる。

債務によるわなだ。植民地になったと同然だ」。

野党系国会議員は憤りを隠さないが後の祭りだ」(産経2018年1月18日)
https://www.sankei.com/world/news/180118/wor1801180016-n2.html

しかもこの港湾の利用率は一日一隻。

国の経済規模にふさわしくない事業見通しと、ズサンな返済計画、未熟な財政基盤。返済不能は目に見えていました。

そしてこんな閑散とした港を作らせたあげくさらに、中国資本1600億円を投入して大型港湾都市を空港と都市を建設しています。

ハンバントタ港から北へ30キロは、同じように中国の融資で中国国有企業が作ったマッタラ・ラジャパクサ国際空港があります。

ここも建設費2億1千万ドル(約234億円)の9割ほどが中国の融資で、中国港湾が建設担当しましたが、開港してみれば月の収益はわずか約1万5000円(!)。

国際空港を名乗ってはいるものの、付近には漁村と不人気なビーチリゾートがあるだけで、当初から建設はラジャパクサ前大統領の地元への利益誘導だったことは明らかです。

ちなみにこの空港はフォーブス誌に、2016年「世界で最も空いている国際空港」に輝きました(苦笑)。

なお、同じような巨額融資を中国から貰っているコロンボ港では2014年には、中国の潜水船が寄港しており、このハンバントク港も遠からず、中国海軍の施設が作られるとみられています。

一般的に今のグローバリズム経済下ではそうですが、政治と経済が一体化しており、経済を外国に握られた国はその国の経済的・軍事的支配下に組み入れられてしまうのです。

このような流れを受けて多くの国が眼を覚まし始めています。

第1回一帯一路会議にあったイケイケムードは影をひそめ、パキスタンは、計画途中で中国資本での開発継続の見直を開始しマレーシアのマハティール政権は、ナジブ前首相と中国共産党政府が契約した、2つの一帯一路プロジェクトである計4兆円相当の鉄道計画の中止と見直しを発表しました。

それでもまだ懲りない国は旧東欧圏やアジア・アフリカの一部に残っており、たとえばラオスでは現在、中国とラオスを結ぶ高速鉄道の建設が進められていますが、その総事業費はラオスの国家予算の2倍にも及ぶといいます。

これでは破綻した場合(当然そうなるでしょうが)、国全体が中国の経済植民地となる可能性があります。

デニー知事はこういう事例研究をしてから、中国要人に沖縄を一帯一路に使ってくれと言ったのでしょうか。

わけはありません。

善意に解釈しても、左面に落ちた橋下徹氏のように「本土政府を牽制するために、本土政府が一番いやがる那覇港を租借させると中国に言ってみる」ていどのことでしょう。

悪くすれば、ただ中国に媚びて、本土政府からの3千億円の振興予算以外にも、チャイナマネーを吸いたいかのいずれかです。

前者なら沖縄を真面目に考えない浅知恵。後者なら欲ボケで島のみならず国全体を売る愚者です。

いずれにしても、為政者失格であることに変わりありません。

 
[ 2019年4月30日 ]

 

 

 

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