アイコン 10月1日 やっと「十八親和銀行」始動 難産だった合併


ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)傘下の十八銀行(長崎市)と親和銀行(長崎県佐世保市)10月1日、合併し「十八親和銀行」が始動した。

新銀行の総資産は5兆8453億円(3月末時点)で九州の地銀で4位。

貸出金残高は3兆8513億円(同)で、長崎県内の貸出金シェアは約7割を占める。
地方銀行の収益環境が悪化する中、店舗統合を進めるなどしてコスト削減を図る。

2021年1月には、旧十八銀行の出入金や決済を管理する基幹システムをFFGのシステムに統合し、通帳の相互利用などが可能になる。
同年5月以降は、現在の両行で182店ある店舗数を114店まで減店し、近隣店舗の再編を行うなどして2024年度には年100億円の利益改善を見込む。
※店舗統廃合に68店舗なくなり、実質大量解雇が待っている。

合併前の旧2行のうち、旧親和銀行は2007年にFFG傘下に入った。

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旧十八銀行は2016年2月にFFGとの経営統合で基本合意したが、統合すれば同県内での貸出金シェアが7割以上に高まり、独禁法を盾に公正取引委員会が認可せず、貸出債権を他銀行に譲渡させ、シェアを下げさせようとしたが、九州財界や麻生財務大臣などから公取委批判が展開され、結果、他金融機関に1千億円弱の債権を譲渡することで2018年8月に統合が承認された。
十八親和銀の発足は、当初計画から2年半遅れとなった。
金融機関の再編等は、法整備して進めなければ、こうした問題が必ず生じる。

日本の金融の歴史は、都道府県単位に国立銀行を1行設立して、戦前から補強として無尽銀行が存在し、無尽銀行が相互銀行に変わり、現在では第2地銀となっている。

全国の主要な地方銀行の以前は、日銀系と大蔵省(現、財務省)系に分かれ、頭取としての天下り銀行として存在していた。
福岡銀行は日銀系であったが、日銀系の頭取の急死を受け、日銀を追い出した経緯があり、日銀や財務省・金融庁とのパイプは限られ、今回の十八銀行との経営統合に何らかの影響が出たものと推測される。

関係する各銀行の歴史
親和銀行の前身は佐世保海軍基地の関係で海軍が主導して明治40年に第九十九国立銀行して発足。
親和銀行は、経営不振の九州相互銀行を吸収合併したが、九州相互銀行は佐世保無尽として発足、1951年に相互銀行法により九州相互銀行に商号変更、その後第2地銀法で九州銀行となっていた。
九州銀行はバブルの後遺症で実質経営破たん、親和銀行に吸収された。

しかし、その親和銀行もバブルの後遺症が表面化して福岡銀行が救済、FFGはグループとして吸収した。
十八銀行は、明治10年に第18国立銀行として発足、優良銀行であるが少子高齢化・過疎化が進む長崎にあり、将来に向け経営の安定化を図るため、FFG入りを決断したもの。
福岡銀行も明治10年に第17国立銀行として発足した歴史がある。

福岡銀行を中核とするFFGには、熊本ファミリー銀行もある。

熊本無尽が「熊本相互銀行」⇒旧熊本銀行、肥後無尽が「肥後相互銀行」⇒肥後ファミリー銀行、両行が平成4年に合併して「熊本ファミリー銀行」に。
平成16年にバブル崩壊の後遺症もあり、業務改善命令を受け、整理回収機構の支援を受けた。その債権を福岡銀行が買い取り「熊本ファミリー銀行」を買い取り、その後完全子会社にし、平成25年には新・熊本銀行として商号変更し今日に至る。

FFG=ふくおかフィナンシャルグループは、
福岡銀行・十八親和銀行・熊本銀行、+αで福岡中央銀行(福銀が筆頭株主/社長も福銀から出している)となる。
福岡銀行・FFGをこれまでにした豪腕・辣腕の谷氏も平成30年に退任されたようだ。

[ 2020年10月 2日 ]

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