アイコン ガダルカナルのソロモン諸島で反政府暴動 ソガバレ首相の退陣求める


野党指導者のマシュー・ウェール氏は、マナセ・ソガバレ首相に直ちに辞任するよう求めた。人口が一番多い島であるマライタ島の州首相のダニエル・スイダニ氏もソガバレ首相の退任で、野党指導者に同調しており、通算20年間トップの座にあるソガバレ首相は危機を迎えている。

ウェール氏は、「私は首相に正しいことをして辞任するよう呼びかけます」、さらに、「現在の状況を考えると、名誉あることは辞任することです」と付け加えた。
ウェール氏は、あまりにも長い間無視されてきた差し迫った問題についての彼の政府による長年の怠慢の結果として、ガダルカナル島にある首都のホニアラで発生した抗議と現在進行中の放火や略奪などの不安を指摘し、「レンガの壁に頭をぶつけないようにするというマライタ人(マライタ島の住民)に対する首相のコメントは、文化的に鈍感、それは(マライタ人に)さらに感情を刺激した」と述べている。

(首都のあるガダルカナル島へはマライタ島からマライタ人が大量に移住し、2000年6月原住民と衝突した経緯があるが、パプアニューギニアに近い同国北部に位置するチョイスル島出身のソガハレ氏が最初に首相に就任した年月でもある。ソガバレ氏による行政府により島嶼間で大きな格差が生じており、その不満が蓄積されており、今回、ソガバレ首相の発言にマライタ人たちが怒ったもの)

スポンサーリンク

ウェール氏はまた、「ソガバレ首相が辞任を拒否した場合、首相を国会で解任するために大臣と議員に呼びかけている」と付け加えた。

水面下にはソガバレ首相がインフラ投資をしてくれる中国寄りの政策を取り、ソロモン諸島の資源を中国への返済にあて国家収入が細くなり、財政破綻状態にあること。また、2019年6月に4回目の首相に就任したソガバレ氏が台湾と断交したことが、野党勢力や島嶼などの反発も生んでおり亀裂を深くしている。台湾断交で米国とも関係を悪化させている。ソロモン諸島は英連邦加盟国でもある。

反政府勢力は国会議事堂の詰め所に火を付けたり、中華街の商店に放火や略奪など行っており収拾が付かなくなっている。首都では24日に36時間の外出禁止令が出されたが勢いは衰えていない。それに加えマライタ島からマライタ人たちがさらに首都へ乗り込んできている。
2006年4月にも首都ホニアラで反政府運動が勃発して中華街が集中して襲撃された事件があった。

ソガバレ首相は、オーストラリア政府に治安部隊の派遣を求めた、これに応え、オーストラリア政府は25日、治安を目的に100人以上の軍や警察官を派遣した。ただ、内政には干渉しないとしている。

中国と国交を結んだソガバレ政権は、中国がスポーツスタジアム建設をすることで決定しているという。

エチオピアの現在の混乱にしても、アビィ首相のティグレ族に対する強硬策もあろうが、中国が支援してきた30年間続いた少数民族のティグレ族系の首相から、2018年に主要民族のオロモ族のアビィ首相に交代して、それまでの中国一辺倒から西洋にも目を向けたことから与党分裂が発生し、軍事衝突に発展している。

中国は膨大な貸付債権や資源開発権などの利権を有しようが、インフラ投資を続けなければ相手国は満足せず、地域や民族により格差も生じ内紛に至り、反中国政権になれば、借金や資源開発権すら反故にする可能性すらある。

ソロモン諸島にしても中国から資源を略奪されているという認識をしているのが野党勢力や格差を受けている島嶼の住民たちとなっている。
ソロモン諸島は約16島からなり、国民は69万人あまり、林業や鉱業を海外資本(マレーシア、フィリピン、香港、中国の企業)が抑えており、政府も彼らに実質牛耳られているという。大量の賄賂が渡っているのだろう。特に商店のほとんどは中国人が経営しているという。
鉱物としてはボーキサイト、金、銅、マンガン、ニッケルなどの鉱物資源がある。

1126_07.jpg

[ 2021年11月26日 ]

スポンサーリンク
 

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧