アイコン 口ばかりの原油価格引き下げ要請 バイデン大統領 まずは国内生産を増加させるべし


米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官は11日、今週のバイデン大統領の中東訪問について、「大統領はガソリン価格の引き下げに向けて打てる手はすべて打つ」と述べ、産油国に原油の増産を働きかけることがねらいだと説明した。

バイデン大統領は今月13日から4日間の日程で、イスラエルとヨルダン川西岸のパレスチナ暫定自治区、それにサウジアラビアを訪問する予定で、このうちサウジアラビアでは、GCC=湾岸協力会議の加盟国など中東の産油国の首脳らとの会合に
以上、

 

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サウジとの関係
原油の生産量・増産はサウジが主導するOPECの会合で決定することから、その会合に圧力を加える意図しかない。
前トランプ大統領の場合は、当時、原油価格高騰にサウジに対し「増産せい」と命じ、何をしでかすかわからないトランプへの恐怖からサウジはOPECとともに増産していた。

OPECは今年5月からすでに計画より20万バレルほど増加させ、月の増加幅を65万バレルまで引き上げており、サウジはロシアとの関係もあり、それ以上増産に応じるかどうかは不明。

サウジは米国を向いているが、王権の人権問題を抱え、米民主党政権とは決して仲はよくない。2015年、オバマ時代には米国のシェールオイル増産で原油価格が急落、オバマ大統領に対して協調減産を要請したが、オバマ大統領は応えず、ロシア・プーチンに要請したところ減産を了承し、それ以降、OPEC+の+部分にロシアがいる。そのため、米主導の露制裁でも参加していない。

また、サウジは中国の支援を受け、国産の迎撃ミサイルを開発中という。米国の民主党政権は、オバマ政権時代、人権問題と兵器の輸出を絡めたことから、そうした開発に当たっているものと見られている。

ベネズエラにも要請
ならず者国家であるベネズエラにもバイデン政権は増産要請している。
ベネズエラは米企業の原油生産施設を接収して国有化した経緯があり、メンテナンスの部材や改修工事をこれまで米国は拒否し、大幅に生産量が落ちていた。
愛の手を差し伸べたのは予想通り中国、原油輸入代金を返済にあてさせ、中国が改修工事を行い、5割方生産を回復させていたが、OPEC加盟国であり生産枠はOPECで決められている。現在の生産量や生産枠は不知(大きな枠を持っている)。
ベネズエラ政府としては制裁解除を求め、前向きであるが、中国がバックにいることだけは間違いなく、トランプが返り咲いた暁には、またならず者国家に陥落する可能性もある。オバマ政権によるイランとの核合意をひっくり返したように。

バイデン大統領の最大の問題は、
国内のシェールオイル軍団に対して、強く要請していないことにある。コメントで増産を呼びかけるだけで、団体に直接会い、増産要請することなどしない。
それは、トランプ政権が承認したパイプラインをバイデンが大統領就任早々、白紙にしたことから、完全に敵対関係にあるもの。
米大富豪であるコーク兄弟、稼業はメキシコ湾岸の巨大な石油精製施設と燃料油の国内配送を担う運送会社などを擁している。共和党の超保守ティーパーティを支援していることや共和党への巨額寄付者としても知られている。シェールオイル軍団の親分がそのコーク兄弟である。

国内の原油掘削リグの稼動数も新コロナ以前の19年12月の本数には程遠く、原油生産量もOPEC並みのスピードでしか増産させてこなかった。
トランプ゜前大統領にしても、今秋の中間選挙でエネルギー価格の高騰(もともと化石燃料を嫌うバイデン政権)、物価高によるバイデン政権批判により共和党を勝利に導き、2年後の大統領選への弾みにする段取りと見られる。
そのためにも、シェールオイル軍団は、巨額の利益を貪り続けるため、増産スピードはとろいものになっている。
バイデン大統領はトランプにより分断されたままの米国を象徴しているのかもしれない。

 

 


スクロール→

米原油掘削リグ稼動数

WTI価格

各月末

本数

ドル

19/12

677

59.80

20/4

378

16.71

20/8

172

42.42

20/12

267

47.09

21/12

480

71.53

22/3.

531

100.28

22/4.

552

104.69

22/5.

574

114.67

22/6.

594

105.76

79

597

102.66

・ベーカーヒューズ社版

 

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[ 2022年7月12日 ]

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