アイコン 原油価格87ドル台まで大幅下落 WTI


4日米市場では原油価格が大きく落ち込んだ。 3月の露制裁で130ドル台まで上昇した原油価格も、4日は87ドル台まで下がり、制裁前の1月水準まで下がった。
その理由は、
1、 OPEC+が5月から25万バレル増加させ65万バレル増で生産しているが、9月からはバイデン米大統領の要請もあり、さらに10万バレル増加させ日々75万バレル増加させる。

2、 米国の消費量が大幅に落ち込んでいる。ガソリン価格の上昇により、米国でも節約ムードが広がり、20年夏水準まで減っている。

3、 米原油在庫が直近400万バレル増加している
4、 インフレ退治の急速な米金利高で米経済の落ち込みが指標で顕著になってきている。

 

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5、 西側のロシア制裁により露産原油は大幅輸出減になる計画だったが、ロシアが相場より安価に販売することから、インドや中国、東南アジア各国がロシア産原油を購入して、原油の逼迫感が大幅になくなってきていること。中国は政府の意向を受けない民間精製会社が安価なロシア産を大量購入している。

6、 ロシア産原油はインドへ輸出され、インドで精製され、ガソリンや軽油などに化け欧州へ大量に流れ込んでいる。

7、 国際先物商品価格が上昇、米国でも大幅なインフレに陥り米金利上昇、その反動で各国が為替安に陥り、物価高の中での為替安でさらに高騰した価格で商品輸入、しかし、物価高・金利高で消費が世界で低迷、経済が低迷している。
経済の3大市場である欧州がインフレで、中国が不動産政策とロックダウンで経済低迷、米国も低迷しかかってきている。

8、 価格高騰で消費低迷、ほかの資源も高くなっており、世界各国で景気後退が顕著になってきており、今後、需要が低迷するとの投資判断。

WTI価格は
7月29日、一時101円台だったが終値は97ドル台
8月1日、93ドル
2日、94ドル
3日、90ドル(OPEC会合/わずかだが9月から増産決定)
4日、88ドル(米在庫増)

ただし、天然ガスは、パイプライン以外はLNGによる輸出となり、米国の価格も一時、米国のLNG施設の火災により、欧州へ輸出されていた分が引き内需用に回され、下落したものの、改修工事も進んでおり、米国でも高騰している。欧州ではロシアがパイプライン供給を減らしており、最高値水準が続いている。
米国の天然ガスは、シェールオイル層でオイルと同時に天然ガスも採れる。
米経済が短期的に悪化しない限り、資源価格は元に戻らない。しかし、現実はインフレ退治の金利高でそうなってきている。ただ、製品輸入の高騰は3ヶ月以降、資源は5ヶ月以降に市場商品価格に反映されることから、まだインフレは続く。
今年いっぱい、インフレとインフレ退治の金利高で経済悪化は続く。米国で金利高が長期化すれば世界経済の底が抜ける。

そもそも昨年バイデン大統領により、新コロナ経済対策と称して1.9兆ドルもの予算が市場に流れ込み、堅調な購買力により、昨秋からインフレが顕著になっていた。それに露制裁が輪をかけた物価高、世界経済をこれ以上悪化させないようまず米国がケツを拭く必要がある。

 

[ 2022年8月 5日 ]

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