アイコン 9月の米自動車販売台数11%増の111万台 日本勢不調 半導体・部品不足の生産減


調査のオートモーティブ社が10月4日発表した9月の米国の自動車販売台数は、前年同月比11%増の111.8万台だった。
 日本勢は半導体や部品供給問題から生産減、タマ不足に陥り、販売台数を大きく下げ、生産増を図った海外他社メーカーに市場を奪わ
.2-+れている。

第3四半期(7~9月)では、
ゼネラルモーターズが24%増の55万1976台、
9月は部品部材の供給難が解消され生産増から68%の大幅増となった。
四半期ベースでは、主力の「シボレー」ブランドの販売は30%増、高級車「キャデラック」が50%増と大幅に伸びた。
燃料費高騰にかかわらず、大飯食らいの大型スポーツタイプ多目的車(SUV)「シボレー・サブアーバン」の販売が40%余り、ピックアップ「シルバラード」の重量級バージョンも60%近く伸びた。
GMはEV「シボレー・ボルト」と「ボルトEUV」の世界生産台数を3万台増やして7万台余りとする計画を示し、需要の伸びを理由に挙げた。同社は今年に入り、コンパクト電気自動車(EV)の価格を6000ドル引き下げている。

 

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トヨタは半導体不足やサプライチェーンからの部品供給問題により▲7.1%減の52万6017台、1~9月でも▲15%余りの減少となった。
クロスオーバー車「RAV4」の9月の販売は約51%伸び、トヨタブランド車全体をけん引した。
高級車「レクサス」の9月の販売は▲43%減り、1~9月では▲16.8%減少。同ブランドのSUV「RX」の9月販売の伸びは1%に届かず、1~9月は▲5.1%減だった。

ステランティスは▲6%減の38万6375台。
調査のコックス社が予想していた38万8481台をやや下回った。最も売れたのはピックアップ「ラム」で「ジープ・ラングラー」と続いた。
  「ダッジ」ブランドの「チャレンジャー」は17%増、「チャージャー」は25%増となっている。EVに移行するためこれらモデルのガソリン車バージョンは来年打ち切られる。

ホンダの7~9月期の米国販売台数は前年同期比▲36%減だった。
高級車「アキュラ」が▲44%落ち込んだ。それでも同社によると、在庫状況の改善の兆しが見られ、クロスオーバー「CR-V」の9月の販売は27%伸びた。ピックアップ「リッジライン」は53%増加し、9月としては過去最高となった。
 10~12月(第4四半期)の生産増加が「CR-V」「CR-Vハイブリッド」「パイロット」などの全く新しいモデルを投入する。

 日産自動車の7~9月期の米国販売台数は、前年同期比▲23%減少した。
半導体不足が影響し、日産ブランドの販売は▲24%減った。高級車ブランド「インフィニティ」は5.4%増加した。
  セダン「アルティマ」の販売台数は2倍に伸びたが、クロスオーバーSUV「ローグ」は19%減の4万2460台にとどまった。

韓国勢の現代自動車G(+起亜)は3.8%増の38万4451台、
クロスオーバー「ツーソン」とエコノミーセダン「エラントラ」がけん引した。ハイブリッドと完全EVモデルは過去最高を記録した。9月の販売台数は前年同月比11%増だった。
EV販売台数は9月3533台で前年比28.0%増となったが、6月の7129台以降、3ヶ月連続して前月比で減少している。

これは、米国のインフレ抑制法施行(米生産車優遇策)により、今年8月17日以降、EVを契約した消費者は、税額控除のEV補助金7500ドル(1台あたり)を受け取ることができない。
それ以降に契約した車両が引き渡される今年末や来年初めから、現代自動車グループのEV販売台数が本格的に減少する可能性が高い。

EVは、テスラを除く完成車メーカーの月別電気自動車販売台数はほぼ同水準、供給能力によって順位が決定されるだけに、現代自動車グループが現地生産を急がなければならないが、工場はまだ建設中。日本勢は営業力のない日産のEVのみ、トヨタは自己チュー埋没中。

テスラは世界販売で発表している。
7~9月期の世界出荷台数は過去最高の42.5%増の34万3830台だったが予想(35.8万台)に届かず、発表した3日の株価は大幅安となった。週末の納品車両の確保が難しくなっているという。21Q3は24.1万台、Q4は30.8万台、22Q1は31万台、Q2は25.4万台、Q3は34.3万台で増加トレンドは不変。米政府による補助金も他社EVを圧倒して享受することになる。同社にはフォローの風が吹き続ける。

フォードはまだ販売台数の概要を公開していない。

EVをほとんど持たない日本勢は、CMや自動車記事での打ち出しが弱く、販売に大きく影響している。半導体不足や部品不足の問題もあろうが、CMや雑誌やニュースで取り上げられる頻度が減少すれば販売不振に陥る。民主党政権下、EV投入が遅れ、逆に日本勢はたたかれる。韓国勢とは対称的。自動車情報誌や自動車評価会社・評価機関に対しては合法的に積極的なロビー活動が必要なようだ。
 
加速度的に進む世界にあり、亀さん経営ではウサギさんに飛び越されてしまう。その亀さんは首さえも引っ込めてしまっている。


スクロール→

米・中・日・英・独・韓の自動車月別販売台数/千台

 

米国

中国

 

22

21

前年比

22

21

前年比

1月

1,002

1,109

-9.6%

2,531

2,503

1.1%

2月

1,058

1,196

-11.5%

1,737

1,455

19.4%

3月

1,249

1,605

-22.2%

2,234

2,526

-11.6%

4月

1,256

1,512

-16.9%

1,181

2,252

-47.6%

5月

1,115

1,586

-29.7%

1,862

2,128

-12.5%

6月

1,146

1,300

-11.8%

2,502

2,015

24.2%

7月

1,147

1,291

-11.2%

2,420

1,864

29.8%

8月

1,151

1,095

5.1%

2,383

1,799

32.5%

9月

1,118

1,007

11.0%

2,067

 

累計

10,242

11,701

-12.5%

16,850

18,609

1.9%

・中国は工場出荷台数ベース、輸入車含まず。単位は千台

 

ドイツ

イギリス

 

22

21

前年比

22

21

前年比

1月

184

169

8.9%

115

90

27.8%

2月

200

194

3.1%

59

51

15.7%

3月

241

292

-17.5%

243

284

-14.4%

4月

180

229

-21.4%

141

141

0.0%

5月

207

230

-10.0%

124

156

-20.5%

6月

224

274

-18.2%

141

186

-24.2%

7月

205

236

-13.1%

112

123

-8.9%

8月

199

193

3.1%

69

68

1.5%

9月

197

 

215

 

累計

1,640

2,014

-9.7%

1,004

1,314

-8.6%

 

 

日本

韓国

 

22

21

前年比

22

21

前年比

1月

329

384

-14.3%

94

116

-19.0%

2月

354

432

-18.1%

103

101

2.0%

3月

512

613

-16.5%

111

141

-21.3%

4月

299

349

-14.3%

119

135

-11.9%

5月

261

319

-18.2%

119

124

-4.0%

6月

327

365

-10.4%

121

134

-9.7%

7月

349

377

-7.4%

122

123

-0.8%

8月

290

319

-9.1%

105

106

-0.9%

9月

395

318

24.2%

113

91

24.2%

累計

3,116

3,476

-10.4%

1,007

1,071

-6.0%

↓ホンダのピックアップトラック「リッジライン」
1005_02.jpg

 

[ 2022年10月 5日 ]

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