アイコン 韓国勢の鉄鋼業 不振にポスコ工場閉鎖や売却 日本の生産減続く


韓国の主力産業である鉄鋼業が深刻な危機に陥っているという。
2015年に韓中FTA締結、これにより中国から大量に中国製の鉄鋼製品が輸入されるようになった。韓国の鉄鋼業界が悲鳴を上げ、韓国政府は輸入規制しようとしたが、FTAを盾に「報復するぞ」と脅され、韓国の鉄鋼業界は安価な中国勢の鉄鋼製品と戦わざるを得なくなっている。
また、中国製の鉄鋼製品を加工して米国へ輸出していた韓国の鉄鋼製品メーカーは、米国から中国製の迂回輸出だと叩かれ、韓国内の需要市場へ侵攻し続けている。

さらに、韓国勢は、最近まで電力料金が据え置かれたため、そうして生産された鉄鋼製品の米国輸出は、米国から実質、政府補助金製品だとして高関税を課せられる事態にいたっていた。
特にポスコの場合は、インドネシアに高炉を構え、さらに高炉を追加する予定でもある。インドネシアは鉄鉱石も石炭も取れ、インドネシアにとどまらず東南アジア市場を念頭に高炉による鉄鋼生産を行っている。しかし、世界景気悪化時、ポスコはインドネシア高炉の製品を韓国へ輸出しようとしたが、中国製に国内市場を荒らされている韓国の鉄鋼業界が猛反対し、実現されなかった。こうした動きはポスコがベトナムに持つ電炉の鉄鋼製品にもおよび、輸入を実現できなかった。

そして現在、利益はともかく過去最大級の受注残を抱え活況の造船業にあり、厚板需要は旺盛、しかし、造船業界はこれまで売上高に比し利益が取れないまま経過、ここに来て、韓国の産業用電力が10月から上昇し、電炉で生産する厚板価格が上昇、中国製の輸入厚板価格との差が拡大している。造船業界は現在、中国製厚板導入率(使用率)は20%前後だが、30%以上に引き上げざるを得ない状況だとしている。
以上、前段説明

 

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世界的な景気低迷の中で中国の安値攻勢、トランプ政権2期目の関税引き上げに対する懸念、電気料金の値上げという三重苦が重なり、世界6位の鉄鋼生産国である韓国は大規模な再編と減産に突入した。
好況期には90%に迫っていた鉄鋼大手各社の工場稼働率は年々低下し、一部の工程は60~70%台にまで落ち込んでいる。
ポスコは、そうした状況に耐えられず、45年間にわたって操業してきた浦項製鉄所第1線材工場を閉鎖したと発表した。
ポスコは最近、会社が保有している中国唯一の製鉄所「張家港浦項不銹鋼」の売却手続きに踏み切った。
現代製鉄も最近、浦項第2工場の閉鎖を目指すと公表した。
自動車、造船など韓国の中核産業をしっかりと支え、高品質の「メードインコリア」神話を作った鉄鋼業は低迷の泥沼に陥ったと指摘されている。
業界筋は「世界の鉄鋼需要が2023年にマイナス成長を記録したのに続き、24年と25年も1%台の成長にとどまる」と予想している。

★ポスコ、4ヶ月で2ヶ所の工場閉鎖
 ポスコが閉鎖した浦項製鉄所第1線材工場は、7月の浦項第1製鋼工場に続く閉鎖。
製鋼工程は銑鉄の不純物を除去し成分を調整する製鉄所の中心的な工程であり、線材工程は高炉で生産された半製品のビレットを製品に加工する後工程。
第1線材工場は1979年に操業を開始し、45年の歴史を持つが、結局は閉鎖された。ポスコは「世界的に鉄鋼の供給過剰が続いているほか、海外産の低価格鉄鋼による攻勢、設備の老朽化などを総合的に考慮して決定した」と説明した。
ポスコは浦項製鉄所で今月10日に発生した火災で年産200万トンの第3ファイネックス工場が稼働をストップしたが、工場稼働率が低いため、鉄鋼需給には全く支障がない皮肉な状況だった。

★ポスコ、希望退職募集とストライキに直面
 ポスコは現在、赤字事業、非中核資産125項目を選び、売却・処分を進める厳しい構造調整を進め、希望退職も募集している状態。
こうした中で1968年の会社設立以来初のストライキ危機にも直面している。
会社側との賃金交渉が決裂したポスコ労組は11月25日、スト権行使のための投票に突入する。中央労働委員会による調整が失敗した場合、史上初のストライキが決行されかねない。

★現代製鉄も同じ状況
生産量を減らすために「長期特別補修」に着手した業界2位の現代製鉄も内紛を経験している。忠清南道の唐津製鉄所は9月から3ヶ月間、特別補修工事に着手し、仁川工場も2月から6ヶ月間の特別補修を行った。
これまで補修工事を繰り返し、稼働率を下げた浦項第2工場は閉鎖を目指しているが、労組の激しい反発に直面している。同工場には現代製鉄の社員200人と子会社現代IMCの社員200人が勤務している。
現代製鉄労組は20日、京畿道の板橋本社で闘争を計画している。
こうした中、産業用電気料金の値上げまで重なり、炭素削減のために、再生可能エネルギー投資に乗り出した鉄鋼業界は負担がより重くなった。

★電炉の東国製鋼も苦境
電気炉だけで製品を生産する東国製鋼は、電気料金が安い夜間にだけ操業し、コスト削減に取り組んでいる。

韓国鉄鋼協会によると、今年1~9月の粗鋼(溶銑)生産量は4764万トンで、2010年以降14年ぶりの低水準を記録している。工場稼働率もポスコが85%、現代製鉄が84%、東国製鋼は棒鋼が77.4%、厚板が63.8%となっている。いずれも過去3年間で最低だという。
業績も揺らいでいる。ポスコの7~9月の鉄鋼部門の営業利益は前年同期比▲39.8%減の44380億ウォン。現代製鉄の営業利益率も▲77.4%減の515億ウォン、東国製鋼が▲79.6%減の215億ウォンと大幅に減少している。

■中国に代わる市場を模索 インドに注目
 危機の最大要因は、世界最大の鉄鋼生産国であり消費国である中国の低迷が上げられる。建設景気をはじめとする中国の内需低迷に伴い、中国国内で過剰生産された鉄鋼が消費されず、低価格の製品が韓国に大量に流入している。

中国政府は生産過剰を解決するため、主な鉄鋼メーカー間の合意を推進し、内需浮揚策も発表したが、まだ韓国には目立った効果がない。
 さらに、トランプ米次期大統領が「米国優先主義」を掲げ、鉄鋼輸入規制を強化する可能性も高い。鉄鋼業界はトランプ政権2期目が高率の関税適用に加え、主要国に対するクオータ(輸出割当)を見直す可能性があるとみている。米国の対中制裁もさらに強まる見通し。

外部の不確実性が高まると、韓国の鉄鋼メーカーは中国国内の生産拠点を整理し、現金の確保に乗り出している。
現代製鉄は最近、中国で重慶と北京の現地法人と資産を全て売却し、ポスコも中国のステンレス鋼生産子会社「張家港浦項不銹鋼」の売却手続きに入った。韓国勢は、同時に建設、自動車など鉄鋼需要が高まると予想される新興市場インドを目指している。

現代製鉄は最近、インドのプネーに年産23万トンの鉄鋼サービスセンタ(SSC)を着工し、来年から本格稼働に入る計画。
ポスコは現地鉄鋼大手JSWグループと提携し、年産500万トン規模の一貫製鉄所の建設を推進している。
以上、報道など参照

韓国の場合、大企業へのヨイショ記事ばかりが紙面を踊っており、こうしたマイナス報道ではどうしてそうなんといつも疑問に陥る。ただ、政府データからの数値は嘘を付かない。

↓日本の鉄鋼生産も落ち込んでいる。
・経団連主導で大手製造業が海外へ工場を移転させ、国内需要も生産も減るのが当然。
・半導体のように巨額補助金を交付して日本へ回帰させるのだろうか。
・日鉄のUSスチールの買収にトランプ2は反対しており、民主党政権下の1月19日までに買収契約を締結すれば、トランプ2政権のゲーム感覚の万手勝流により、日本の貿易は関税攻撃を受ける可能性もある。


スクロール→

日本の粗鋼生産量 転炉=高炉+電炉

経産省版 /千トン

2020

83,186

 

2021

 

96,336

15.8

2022

 

89,227

-7.4

2023

 

87,001

-2.5

2023

 4 6

22,214

 

 7 9

21,557

 

1012

21,605

 

2024

 1 3

21,452

 

 4 6

21,246

-4.4

 7 9

20,591

-4.5

2023

 4

7,237

-3.1

 5

7,648

-5.2

 6

7,329

-1.6

 7

7,383

0.8

 8

7,147

-2.9

 9

7,028

-1.6

 10

7,511

2.4

 11

7,111

-0.9

 12

6,983

1.2

2024

 1

7,264

0.6

 2

6,992

1.1

 3

7,196

-3.9

 4

7,054

-2.5

 5

7,168

-6.3

 6

7,024

-4.2

 7

7,097

-3.9

 8

6,871

-3.9

 9

6,623

-5.8

 10

6,925

-7.8

 

世界の粗鋼生産量 品別ランキング

 

202410

2024110

 

百万トン

前年比

百万トン

前年比

中国

81.9

2.9

850.7

-3.0

インド

12.5

1.7

123.0

5.6

日本

6.9

-7.8

70.2

-3.7

米国

6.6

-2.0

66.7

-1.9

ロシア

5.6

-15.2

59.4

-6.8

韓国

5.4

-1.8

53.1

-5.1

ドイツ

3.2

14.7

31.6

5.0

トルコ

3.0

0.7

30.9

12.4

ブラジル

3.1

16.2

28.4

6.0

イラン

3.0

-1.9

25.0

0.6

 

日中韓の粗鋼生産量

年 月

日本

中国

韓国

 

 

千トン

千トン

前年比

千トン

前年比

2020

83,186

1,064,767

 

67,190

 

2021

 

96,336

1,035,243

-2.8

70,516

4.9

2022

 

89,227

1,019,080

-1.6

65,734

-6.8

2023

 

87,001

1,019,000

0.0

66,492

1.1

2023

 4 6

22,214

274,454

 

17,006

 

 7 9

21,557

260,184

 

16,753

 

1012

21,605

222,630

 

16,258

 

2024

 1 3

21,452

256,230

 

16,254

 

 4 6

21,246

270,410

-1.5

15,419

-9.4

 7 9

20,591

237,930

-8.6

16,559

-1.2

2023

 4

7,237

92,608

 

5,681

 

 5

7,648

90,419

 

5,795

 

 6

7,329

91,427

 

5,530

 

 7

7,383

91,143

 

5,714

 

 8

7,147

86,964

 

5,588

 

 9

7,028

82,077

 

5,451

 

 10

7,511

79,090

 

5,492

 

 11

7,111

76,100

 

5,383

 

 12

6,983

67,440

 

5,382

 

2024

 1

7,264

86,779

 

5,721

 

 2

6,992

81,181

 

5,242

 

 3

7,196

88,270

 

5,291

 

 4

7,054

85,940

-7.2

5,091

-10.4

 5

7,168

92,860

2.7

5,168

-10.9

 6

7,024

91,610

0.2

5,160

-6.7

 7

7,097

82,940

-9.0

5,516

-3.5

 8

6,871

77,920

-10.4

5,521

-1.2

 9

6,623

77,070

-6.1

5,522

1.2

 

[ 2024年12月 5日 ]

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