アイコン HD韓国造船 原子力商船開発へ 安全コスト増で未知数


HD韓国造船海洋は2月12日、米ヒューストンの「アジア·ソサエティー·テキサス·センター」で開催された「ヒューストン海洋原子力サミット」で、原子力推進コンテナ船の設計モデルを初公開したと明らかにした。

これに先立ち、HD韓国造船海洋は、米国船級(ABS)からSMR技術を適用した1万5000TEU級コンテナ船の設計モデルに対する基本認証(AIP)を獲得している。

HD韓国造船海洋が今回公開した原子力推進コンテナ船の設計モデルは、実際の機材と安全設計概念まで反映し、経済性と安定性を高めたのが特徴。

HD韓国造船海洋は、放射線遮蔽システムにステンレス鋼と軽水を使用した二重タンク方式を適用し安全性を確保したとしている。
商船でも1万5千TEUクラスになると12万馬力は必要となり、90MW以上となる、
小型原子炉SMRは出力30万キロワット以下をいう。
普通原発1基100万kW=1,000MW

ただ、原子力空母や原子力潜水艦、ミサイル巡洋艦(米、「ベインブリッジ(9,100t・6万馬力)+「トラクスタン(8,659t・7万馬力))があり、放射能漏れや放射性物質の排水など軍事機密下に運用されており、商用では原子力商船の放射線情報を明らかにする必要があり、実際は難問が山積している。

 

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搭載価格重量が増大、放射線遮蔽鋼板の厚さが一定以上に必要で、SMRでもMRXでも変わらない。重たく、軽くするためには馬力を落とすしかない。
原子炉点検人員コストの負担、
燃料交換・点検時の長期不稼動
廃船・廃炉コストが嵩む

原子力空母の運用年数は40年、原子炉の廃炉コストは規模と仕様にもよるが、1基500億円以上とされるが現在は大幅に増加しているものと見られる。それも、船体が被曝して放射能を帯びている場合、廃棄コストは急増する。

米国船級(ABS)から原子力商船の造船を承認されたわけではなく、設計モデルの基本認証を獲得した段階。

米国では巨大データセンターが各地に設けられているが、30万KWの電力と冷却用の膨大な水が必要となっている。そのため、SMRの需要が急増しているが、現実はまだSMRは設置されていない。
最近では、米国でデータセンター用に計画されていたSMRが資源価格・物価高騰により中止されたと報じられている。
問題はそれだけではなく、原子炉は小型だから安全だというものではなく、いったん爆発すればメルトダウンが生じ、周囲に大量の放射線を飛散させる。通常の原発同様、そのための安全コストが大きな負担となっている。

米トランプ2政権は、シェールオイルガスを大増産させ、エネルギーコストを大幅に下げ、産業を活発化させ、電気代やガソリン価格を低減させるとしている。
こうした中で、米国でSMR事業が推進されるかは、エセCO2のバイデン政権時代とは異なり、建設コスト急増・ランニングコスト増の物価高およびトランプ2政権の政策により、まったく未知数となっている。
以上、

HD韓国造船海洋のチャレンジ精神は評価されようが、SMRは、特に船舶の場合は海洋汚染問題もあり、前提となる問題が山積しているようだ。

★世界最大の巨大コンテナ船・・・・今治造船
追、現在世界最大のコンテナ船は、2.4万TEU(20フィートコンテナ2.4万個積載可)搭載の日本の「ONE INFINITY」号、
全長400m、全幅61.4メートル、総トン数は23万5311トン、
造船会社:ジャパン マリンユナイテッド(株)、
造船所:今治造船丸亀造船所。
竣工:2023年7月。
発注者:ONE=Ocean Network Express(日本の3大商船会社のコンテナ部門が大赤字となり、政府主導でコンテナ部門を統合させたコンテナ船運行会社。新コロナ事態で荷役作業遅滞・船舶港湾滞留により船舶不足に陥り、この間、船賃高騰でコンテナ船事業は膨大な利益を出した。提出船腹量にて利益を3社に配算)

国のご加護もある日本の商船会社(郵船・商船・汽船)は、関係会社が中国に造船所を持つ汽船を除き、これまで韓国の造船会社に大量発注している。日本の商船会社は、日本の造船業を延命させ、育てるなど毛頭考えていない。日本の商船会社すら、ダンピング受注で韓国政府支援の韓国勢へ発注している現実がある。

日本の財閥系造船会社は聖域なき削減で技術力もなくし、価格競争力などもともとなく商船建造から撤退、現在は、政府発注の高価格の艦船や潜水艦などの軍船や巡視船専門の造船会社に成り下がっている。それも納品遅れなど失態も演じている。
今や日本一の造船会社は今治造船、「空に船を浮かべよう」のCM。
以上、

 

 

[ 2025年2月15日 ]

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