2月の韓国の輸出は増加だが15品目中11品目下落、増加は4品目だけ
2月の韓国の輸出額は前年同月比1.0%増の526億ドル(約7兆9026億円)となり、1ヶ月ぶりにプラスに転換した。しかし、主力輸出品目である半導体の不振で、今年の輸出展望に暗雲が立ち込めている。(昨年2月のSKのHBMはまだ増産途上、今年2月はそうした昨年2月より減少している。深刻。)
トランプ米大統領が予告した半導体、自動車などに対する関税が現実化すれば、輸出の不確実性がさらに大きくなる。
韓国産業通商資源部によると、15大輸出品目のうち、2月、前年同月比で輸出が増えた品目は4品目に過ぎなかった。
★増加
自動車は17.8%増、(4月関税爆弾、駆け込み輸出拡大)
バイオ医薬品は16.1%増、
無線通信機器は42.3%増、(サムスンの高級スマホは韓国で製造)
PC・コンピューターは28.5%増
★減少
○最大輸出品目の半導体は
・メモリ半導体は▲4%減
・システム半導体は▲2%減
サムスンのシステム半導体は歩留まり、消費電力の問題を抱え減少傾向、NVIDIAのAI半導体向けHBMも、当初サンプル提出してから1年経過しても、NVIDIAの使用認可水準に達していない。SKハイニックスはフル生産しており、生産量の問題からこれ以上の増加はない。サムスンのHBMのNVIDIAの認可にかかっている。
高帯域幅メモリー(HBM)とDDR5は好調、汎用半導体は中国勢との価格競争により販価下落、半導体全体の輸出高を減少させている。汎用メモリ半導体の価格は2023年10月底→2024年7月に早ピークアウト⇒現在も下落中。
中国の多くの半導体企業は米国のエンティティリストに掲載され、米国への輸出は限られ、米国外の中国市場や欧州市場などは韓国勢と中国勢との半導体価格戦争となっている。
○二次電池は▲9.6%減、EVは米国では売れてないが、欧州では販売好調、欧州では現地生産分で対応しているのだろう。
○石油製品は▲12.2%減、
○鉄鋼は▲4.4%減、3月12日からトランプ関税爆弾投下予定
○一般機械は▲12.3%減、
○船舶は▲10.8%減。2028年まで受注算を抱えており、納品のタイミング
トランプ関税爆弾は全世界に向けられたクラスター爆弾、各国は戦々恐々、世界経済が大きく後退する可能性すらある。
関税爆弾は米国にあっては地雷、販売価格を上昇させ景気を冷やす可能性もあり、デフレの危険性すらある。
トランプ氏は関税による収入源を減税の原資にするとしており、大幅減税により購買力に拍車がかかれば、米景気だけは好調に推移、再びインフレの洗礼を受けることになる。
どっち道、米経済にとっていいことはない。そして4年後、民主党政権が誕生すれば、再度、世界経済はグローバル化が図られることになる。
世界経済は米国にあり、トランプ氏の遊び道具に過ぎないようだ、パッパカパー。
世界各国は米国に対抗して保護主義に入ろうが、日本は超円安政策で輸出拡大策を取り続けており、その保護主義による日本の打撃はカウンターパンチになる可能性もある。
トランプ政権は、日本はより多くの米国製品を輸入せよと迫る。
米国の農産物をさらに輸入することになり、そうした日本國政府により、日本の農業はさらに破壊される。政府はコメを暴騰させているが、今後、コメ市場はトランプ圧力もあり、外米が主導し、国産米は農水省の思惑通り衰退し続けることになる。