半導体製造装置・スマホも適用除外へ、トランプ関税爆弾 中国製も対象
米国の信用低下=国債価格の急騰、株暴落により、息巻いていた関税爆弾で自爆、撤退を相次がせている。
隣国カナダに対しては、51番目の州になれとか、カナダ産の木材やエネルギーに対して追加関税を課すとしたものの、議会の承認を得られず(共和党4名造反)不発、議会に対して怒ったトランプはカナダとメキシコに25%の関税をかけ一網打尽。
4月2日には相互関税をぶら下げ、同盟国などを脅しにかかった。中国へは報復合戦の末、米国と中国製品に対して54%⇒104%⇒145%とエスカレートさせた。
全輸入自動車についても25%関税をかけており、米消費者にとって2ヶ月後=6月以降は値上がり必至、一説によると5千~1万ドルの値上げになるという。
GMにしても米国で販売している車両の半分は海外品だという、韓国GMからも米GMへ40万(2024年実績)送っている。
ホワイトハウスでトランプ(80歳)の関税爆弾、ナバロ上級顧問(75歳)とともに主導して製造・投下させているのがラトニック米商務長官(63歳/9.11で投資会社の自事務所破壊・弟も死亡)。
ブルームバーグが4月13日、次のように報じている。
●ラトニック米商務長官は、トランプ政権が上乗せ関税の対象から除外したスマートフォンやコンピューター、その他電子機器について、今後予定している半導体に関する関税の対象になると述べた。
米中の貿易戦争を巡っては緩和の兆候も出ていただけに、楽観論に水を差した格好となった。
ラトニック長官は13日、米ABCの番組で「これらの製品全ては半導体として分類され、生産を確実に米国内へと戻すために特別な関税をかけることになる」と説明。トランプ氏がかねて主張しているセクター別の関税の対象になるとの認識を示した。
その上で「必要とする基本的な物を中国に依存したままではいられない」と述べた。
ラトニック氏の発言に先立ち、中国政府は除外措置について米国が過ちを正すための小さな一歩だとして、関税をさらに撤回するよう促していた。
除外措置は、米税関・国境取締局(CBP)が11日の遅い時間に発表。トランプ大統領は12日、「14日にその答えを教えよう。14日にかなり詳しく説明する」と述べている。
スマホ・半導体装置など除外
除外措置は今月(4月)5日にさかのぼって適用される。
中国からの輸入品への125%の関税およびほぼ全ての国に対する基本税率(=一律関税)10%の関税の対象からこれら製品を外すことで適用範囲を狭める。
除外されるのは
スマートフォン
ノートパソコン、
ハードディスク、
コンピューター用プロセッサー、
メモリーチップ、
平面ディスプレー
半導体製造装置など。
これらの一般消費者向け電子機器は通常、米国内では製造されておらず、国内生産体制の構築には数年を要するとされる。 新たな関税の対象外となる製品には、半導体製造装置も含まれる。
これは米国での大規模な新規投資を発表した台湾積体電路製造(TSMC)などの半導体メーカーにとって大きな意味を持つ。
ここ数ヶ月間にトランプ大統領に対し巨額の米国投資を申し出た主要ハイテク企業にとっては、一時的にせよ大きな勝利となる。
トランプ氏の関税をきっかけに世界市場は大混乱に陥り、株価は急落。貿易戦争も急速にエスカレートした。
「小さな一歩」
中国商務省は13日、「これは米国が『報復関税』という一方的な誤った行為を正すための小さな一歩だ」と、微信(ウィーチャット)の公式アカウントに声明を投稿した。
さらに米国に対して「この誤った行為を完全撤回する大きな一歩を踏み出し、相互尊重に基づいた対等な対話を通じて意見の相違を解決する正しい道に立ち戻る」よう求めた。
これに対し、ラトニック長官や他の政権当局者は13日、今回の措置は一時的なものに過ぎず、今後、別の関税を賦課すると述べた。
ただ、中国製品に追加で課した125%の関税率より低くなるのは、ほぼ確実とみられる。
ランド・チャイナ・リサーチセンターのアソシエートディレクター、ジェラルド・ディピッポ氏の集計データによると、米国の2024年貿易公式統計に基づく除外対象は約3900億ドル(約56兆円)の輸入。うち25.8%に当たる1010億ドル強が中国からの輸入となっている。
中国関連で最大の分野はスマートフォン。
米国が中国からの輸入したスマートフォンは2024年時点で約410億ドル相当と、中国からの輸入総額の約9%に当たる。また、コンピューターや同類の機器も除外対象で、輸入額は360億ドル超に上る。
除外対象となる家電製品と半導体は、中国からの輸入総額の約22%を占めていたという。
(対象商品のほとんどは米メーカーが中国で直接や委託生産している商材、米消費者を直撃することから、消費者によるトランプ政権の関税政策の批判を反らすために実行されているもの)
トランプ大統領は既にこれまで、鉄鋼・アルミニウムと自動車について、セクター別の関税措置を発動。今後、自動車部品や銅、半導体、医薬品、木材なども課税対象にする考え(5月3日に発効させる予定)している。
ラトニック長官は半導体関税について「恐らく1、2ヶ月後に発動される」と発言。半導体に関する通知は、週内に連邦官報に掲載されると述べたが、詳細は明らかにしなかった。
トランプ氏「14日に詳細説明」
トランプ氏は12日、免除措置について詳細な説明は控えたが、14日にさらに進展があることをほのめかした。
大統領専用機エアフォースワンの機内で記者団に対し「14日にその答えを教えよう。14日にかなり詳しく説明する」と語り、「われわれは一国家として多くの資金を取り込む」と述べた。
ホワイトハウスのレビット報道官は声明で、「トランプ大統領は、米国が半導体やチップ、スマートフォン、ノートパソコンなど重要なテクノロジー製造を中国に依存できないことを明確にしてきた」とした上で、「だからこそ大統領は、世界の大手ハイテク企業から何兆ドルもの米国投資を確保した」とし、そうした企業は「急いで」製造拠点を米国に移転していると説明した。
以上、
トランプは米国民・消費者の怒りを恐れ修正するもの。中国製品、適用され関税率が低くなった中国製品が関税後の販売価格が消費者にとって対応できるかは別、2月と3月にかけた制裁追加計20%関税は適用されたまま。また、今回の適用外の対米輸出品はまだ78%あり、大勢に変更はない。
最大限脅して、少し引っ込めるのはトランプの常套手段。トランプ1政権の駐留米軍費用負担で立証済み。各国首脳をひれ伏させるトランプ神のやり口。
トランプは関税爆弾を弄んでいるが何れ米国民の尻に火がつき自爆する。任期は後4年もなく、棺桶も近い年齢。
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<<中国の対米貿易>>2024年/中国関税局版 |
対米輸出額は前年比4.9%増の5,246億5,600万ドル(76.0兆円/145円)、 |
対米輸入額が▲0.1%減の1,636億2,400万ドル(23.7兆円)、 |
対米黒字額は7.4%増の3,610億3,200万ドル(52.3兆円)だった。 |
<中国の対米輸出品目では> |
1位は、スマホなどで▲6.5%減の465億5946万ドル、(アップルはインドからの輸入を拡大するとしている。インドも26%の相互関税国/インドの生産量は少ないが、中国製は中国のほか欧州や日本などへ振り向ける計画) |
2位は、PCなどの自動データ処理機械で0.4%増の412億2,381万ドル、 |
3位は、小口貨物(小物雑貨・電化製品・通販品等)で30.3%増の218億7,053万ドル、 |
4位は、蓄電池で16.5%増の163億6,735万ドルと大幅な伸び。安価で高性能のためESS向けに伸びる。 |
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<中国の対米輸入品目では> |
1位は、石油・ガスが35.6%増の140億4,171万ドル、 |
2位は、大豆で▲29.7%減の120億5,645万ドル(量は変わらず、相場が大幅下落) |
3位は、集積回路で43.1%増の118億9,514万ドル |
4位は、自動車で▲13.3%減の72億8,205万ドル。 |