【経済ミニコラム】近年、焼肉店の倒産が目立ち始めている。コロナ禍からの回復途上にあった飲食業界だが、ここにきて人件費・食材費の高騰、そして電気代などの固定費上昇が重くのしかかる。特に焼肉業態は原価率が高く、和牛など高級食材を扱う店舗ほど打撃は深刻だ。一方で、価格転嫁には限界があり、客足の戻りも想定より鈍い。都心では再開発や賃料の上昇が、中小規模店を直撃している。デリバリーやテイクアウトに不向きな業態という弱点もある。今後、生き残りには仕入れや店舗運営の効率化、集客力を高めるブランディング戦略などが不可欠だ。焼肉業界にも、これまでの「味勝負」だけではない経営力が問われる時代が来ている。