漂流の末が身売り?どこへ行く大塚家具 中国ECサイトと資本業務提携
啖呵を切った娘に同調したハゲタカ含む投資家たち、その結果は惨憺たるもの。今になって親父に救ってほしいと哀願するも・・・。
一方で3月4日、中国EC企業ハイラインズとの資本業務提携を発表した。ハイラインズ関係社に対して第3者割り当て増資で1311万株発行し38億0,334万2,100円調達、31.58%の実質筆頭株主になる。(3月3日現在の発行済株式総数1,940万株)
別途、新株発行予約券も650万株分発行し、行使総額は29億90百万円となり、同額を調達する。
予約権行使後は44.34%の筆頭大株主となる。
今後、役員を過半入れ、さらに増資すれば過半の株式も手に入れられる。
ただ、その命運は、大塚家具が中国展開し成功できるかどうかだろう。
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家具を取り巻く環境:政府は、アベノミクスの成果を低賃金にしてしまい、実質労働シェアさせたことで人手不足に陥るほど企業経済は良好、一方で賃金は伸びず、生活のため共稼ぎ世帯が急増したものの、消費不況は続き、高級家具を購入するゆとりなどない。また、使い捨て時代になって久しく、モノを一生モノとして大事にする人たちも大幅に減っている。
しかし、一方でその間、富裕層も拡大するなか、同社は高級家具をどこの層にターゲットを絞るかで、親子は軋轢が生じた。
結果、イケヤやニトリに対抗しようとした娘の社長は、打ちひしがれた業績を毎期発表しつづけている。
大塚家具は、30年以上前から上海総家具公司(国営だったはず)で主力商品を徹底した管理の下で製造しており、そのノウハウは、中国でも評価されていた。
今般、ECサイト・越境ECサイトを運営する中国のハイラインズと資本業務提携した。中国で、中国製の大塚家具が受け入れられるかは不明だが、日本製の大塚家具製だったら受け入れられる可能性はある。中国仕様のデザインにすることも簡単だろう。
中国のマンションは中身なしのガカラガラポンの状態で販売され、内装は購入者が行なうシステム。
そうしたことを考慮すれば、大塚家具がどれほど中国で認知されているか、中国での販売展開がどうなっているのか不知であるが、遅すぎているとも思われる。
せっかく30年以上前から中国で家具を製造し、中国で新富裕層が1億数千万人にも増加し、高級マンションを購入し、高級住宅を建てる層をターゲットにしない手はなかったと見られる。
特にインバウンド効果により日本製品が評価される中、娘社長は業績悪化に、市場が縮小し続ける日本で売ることばかりに気を取られ、中国企業との販売業務提携は遅すぎたとも見られる。
娘社長は、身売り同然の今回の新株発行等により、今更、父親と和解し、父親の力を借りたいとしても、もう遅すぎよう。
娘さんは社長に以前1回なり、その味が忘れられなかったのだろう。結局、内容がどうであれ、社長として良かれ悪しかれ取り上げられることに魅了され、経営を楽しんでいるようだ。
同社にとって、日本でも新富裕層は増加しており、そうした層への徹底したマーケティング展開と、中国の新富裕層に対する本格的な展開は必須と見られるのだが・・・。
当然、高品質でニーズやデザインでも魅了できる家具でなければならない。
機能・品質・シンプルデザイン、価格面からイケヤやニトリに適う家具屋はなく、それはフラッシュ構造家具、安価な表面材だからこそ実現されている。
以上、家具会社の経験者による記事。
<↓大塚家具の過去10ヶ年の業績推移>
/百万円
|
09/12期
|
10/12期
|
11/12期
|
12/12期
|
13/12期
|
売上高
|
579,257
|
56,912
|
54,366
|
54,520
|
56,230
|
経常利益
|
-1,337
|
38
|
1,304
|
1,317
|
1,004
|
同率
|
|
0.07%
|
2.40%
|
2.42%
|
1.79%
|
当期利益
|
-1,490
|
-255
|
203
|
640
|
856
|
純資産額
|
34,655
|
34,019
|
32,666
|
32,799
|
36,250
|
総資産額
|
43,707
|
42,714
|
41,751
|
41,725
|
47,657
|
現金等残
|
7,097
|
6,270
|
7,123
|
7,320
|
7,431
|
従業員数
|
1,747
|
1,678
|
1,673
|
1,673
|
1,749
|
2009年娘社長に、2014年父社長に、2015年1月父解任娘社長に
|
|||||
/百万円
|
14/12期
|
12/12期
|
16/12期
|
17/12期
|
18/12期
|
売上高
|
55,501
|
58,004
|
46,307
|
41,079
|
37,388
|
経常利益
|
-242
|
633
|
-4,436
|
-5,144
|
-5,313
|
同率
|
|
1.09%
|
|
|
|
当期利益
|
473
|
359
|
-4,567
|
-7,259
|
-3,240
|
純資産額
|
34,665
|
34,464
|
26,024
|
17,648
|
12,729
|
総資産額
|
46,710
|
45,712
|
37,685
|
29,169
|
20,927
|
現金等残
|
11,519
|
10,971
|
3,853
|
1,806
|
|
従業員数
|
1,749
|
1,744
|
1,662
|
1,489
|
|
大塚家具の大株主 平成30年6月30日現在
|
||
株主名
|
所有株数/千株
|
比率
|
株式会社ききょう企画
|
1,292
|
6.66
|
株式会社ティーケーピー
|
1,290
|
6.65
|
日本生命保険相互会社
|
1,140
|
5.88
|
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口)
|
1,048
|
5.40
|
SMBC信託銀行(三井住友銀行退職給付信託口)
|
570
|
2.94
|
大 塚 春 雄
|
483
|
2.49
|
東京海上日動火災保険株
|
312
|
1.61
|
三井住友銀行
|
311
|
1.60
|
大塚家具従業員持株会
|
285
|
1.47
|
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口9)
|
203
|
1.05
|
計
|
6,937
|
35.76
|
<↓資本業務提携したハイラインズ陳海波CEOと>
[ 2019年3月 5日 ]