EMS世界最大手の鴻海 第1・四半期 2.8%増にとどまる 台湾
世界最大のEMS(電子機器の受託製造サービス)メーカーの鴻海精密工業が10日に発表した3月の連結売上高は3,766億460万台湾元(約1兆3,600億円)で、前月比41.8%増、前年同月比では7.9%増となり、同月としての過去最高を更新した。
第1四半期(1~3月)の累計売上高は、前年同期比2.8%増の1兆563億3,200万元で、同期の過去最高だった。
鴻海の3月の売上高を製品別で見ると、前年同月比と前月比ともにコンシューマー・エレクトロニクス製品、通信製品、コンピューティング製品の順で伸び幅が大きかった。
証券ジャーナリストたちは、第2四半期(4~6月)の展望について、今後のマクロ経済情勢、特に米中貿易摩擦の行方を注視する必要があるとし、今年の鴻海の業績についても、1桁台前半の小幅成長になると予測している。
以上、
中国では米メーカー製品が売れていない。自動車は中国で製造しているにもかかわらず、貿易戦争により不買に遭っており(米系自動車販売台数(工場出荷数)は、2018年下半期は前年比▲27.7%減)、鴻海が受託しているApple製iPhoneも中国経済の減速と不買もあり、売れていない。そうしたことを反映して、鴻海の売上高も昨年11月から急激な落ち込みを見せている。
高価格帯にしてしまったiPhoneは、機能面では半額以下の中国勢スマホの高価格帯とほとんど変わらず、日米を除けばブランド離れも生じさせている。
今後、中国で販売台数が回復するかは定かではなく、APPLEは世界での営業を強化すべきところ、世界も米国自身が仕掛けた貿易戦争により、不景気に突入し、その間に安価な中国勢スマホが、iPhoneどころかサムスン電子のGALAXYの市場も奪いながら、世界中を席巻してきている。
APPLEはスマホ、タブレット、スマートウォッチ、PCほかに、爆発的ヒット商品を新たに創造しなければ、中国勢に駆逐されることにもなりかねない。
鴻海精密工業の直近売上高推移
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台湾元
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億元
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前年比
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2018年10月
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5,897.35
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21.5%
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2018年11月
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6,014.41
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5.6%
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2018年12月
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6,191.16
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-8.3%
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2019年1月
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4,140.95
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3.4%
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2019年2月
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2,656.33
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-4.4%
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2019年3月
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3,766.05
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7.9%
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・台湾元は3.63円。
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