アイコン 東芝 コンピューター革命 レーザーコンピューターより10倍速い世界最速実現

 

 

東芝は、複数の計算を並列で同時に行うことで従来のコンピューターの計算能力を大幅に向上させる新技術「シミュレーテッド分岐アルゴリズム」を開発したという。
最適な解を選ぶ「組み合わせ最適化問題」の計算では、NTTが開発しているレーザーを使ったコンピューターの10倍の速度で世界最高速度、世界最大規模の最適化に成功した。

従来の技術では困難であった複雑で大規模な組合せ最適化問題の高精度な近似解(良解)の短時間導出が可能となるだけでなく、既存の計算機を活用した低コストでの大規模化を可能にするものであり、現在の最適化プロセスを一変させる可能性があるという。

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この計算は新薬開発での分子の設計や効率的な配送ルートの選択などさまざまな分野での活用が期待されている。
現在のコンピューターでは膨大な時間がかかるため計算には開発が進む「量子コンピューター」が必要だとされていた。
東芝は新技術について年内の実用化を目指すとしている。
東芝の研究開発センターの後藤隼人主任研究員は「従来のデジタル計算機をそのまま活用できるのがいちばんの成果であり、社会や産業を効率的にしたい」と話しているという。

東芝は次のとおり説明している。
量子計算機をはじめとする次世代計算機への期待が高まっている。次世代計算機として、超電導回路、レーザー、半導体デジタル計算機といった様々な方式の組合せ最適化専用計算機が現在活発に研究開発されているが、扱える問題の大規模化や解を見つけるまでの時間の短縮が課題だった。
例えば、超電導回路を用いた量子計算機では、大規模で複雑な問題を扱うことが現状困難。一方、半導体デジタル計算機では扱える問題の規模を大規模化しやすくなるが、そこで用いられている従来アルゴリズムは並列化しにくく、並列計算による高速化が原理的に困難であった。
既存の計算機をそのまま利用できるため新たな設備導入が不要となり、低コストでの大規模化も容易です。
例えば、FPGA(演算処理集積回路の一種/書き換え可)を用いると、2000変数・全結合(約200万結合)の問題の良解をわずか0.5ミリ秒で得ることができる。これは同問題の計算において世界最速だったレーザーを用いた量子計算機に比べて約10倍高速。
また、GPU(多数の演算処理部を含む画像処理向け集積回路)を8台つないだGPUクラスタを用いて、10万変数・全結合(約50億結合)の大規模問題に対し、わずか数秒で良解を見つけ出すことができるとしている。
これらの結果は、社会やビジネスが抱える大規模な組合せ最適化問題を解くための新たな道を拓くもの。

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[ 2019年4月22日 ]

 

 

 

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