アイコン 米中貿易戦争の行方は・・・追加制裁の3000億ドル分の詳細公表へ

 

 

トランプ米政権は10日、中国からの2000億ドル(約22兆円)分の輸入品に課す追加関税を、これまでの10%から25%に引き上げた。中国政府は直後に声明を出し、「必要な報復措置」を講じる構えを見せた。
また、米政権は残る3000億ドル制裁のリストも公表するとしている。
一時、まもなく合意されるとの楽観的な観測が広がった米中貿易協議は、中国側が土壇場で翻意したため、今後の見通しが不透明になったという。
ロイター通信8日付は、米政府関係者らの話として、中国当局は今までの交渉で知的財産権保護や技術の強制移転、為替などの事項に関して、国内法の改正を約束したにもかかわらず、今月3日に米政府に送った合意文書案で約束を撤回したという。
中国当局が突如態度を変えた理由について憶測が飛び交っている。

スポンサード リンク

「賭けに出た」中国当局
今年に入ってから、中国経済がやや回復の兆しが表れた。中国税関総省が発表した3月の貿易統計では、同月ドル建て輸出は、市場予想を大幅に上回り、前年同月比14.2%増加した。11月以降5ヶ月ぶりの高水準という。
中国当局によるテコ入れ策で、3月の新規人民元建て融資や社会融資総量が予想外に急増し、投資の拡大が示された。
中国当局は、景気が上向きになったことで、強気に出た可能性がある。
しかし、中国経済の好調が、約束を反故した主因ではない。中国当局の最高指導部が「政治的な賭けに出た」という見方は、最も説明が付く。

国際社会は、中国共産党政権が真に構造改革を行うと信じていない。構造改革を行い、市場を開放してインターネット封鎖を解除し、情報の自由を認めれば、虚言と圧政で維持された中国共産党政権の統治が、崩壊することを意味する。
さらに、ここまで米の要求を受け入れると、党内から「弱腰外交」と習氏への批判が沸き立つ。
中国共産党の本質を見極め、強硬姿勢を示すトランプ政権は、貿易戦を通じて、中国当局に2つの究極の選択肢を突きつけた。
中国経済を守るのか、それとも中国共産党政権を維持するのか。
約束の撤回は、中国当局からの返事だと見てもよい。
中国共産党独裁政権の中で「一強体制」を築いたように見える習近平国家主席は、政権維持に拘れば、難しい政権運営を強いられることになる。

江派の影
4月下旬、江沢民派の主要人物である曽慶紅氏が久しぶりに公の場に姿を見せた。習近平氏は近年、反腐敗キャンペーンで江派の高官を次々と失脚させ、江沢民派の勢力は衰退した。
その一方で、江沢民氏(元国家主席)、曽慶紅氏(元副主席)2人の摘発を放置した。専門家は、習近平氏は中国共産党体制の崩壊を避けるために、江沢民氏らに譲歩したとみてきた。
インターネット上に投稿された動画によると、4月20日、曽慶紅は、江西省トップの劉奇氏とともに、故郷の同省吉安市を視察した。劉奇氏は、習近平氏が浙江省トップを務めた際の部下で、習氏の側近だ。
曽と劉の両氏の組み合わせは、習派と江派が「仲良くやっている」というメッセージを送り、党内の団結をアピールしているように見える。
しかし、習近平氏が政権維持に拘り、江沢民派に譲歩しても、団結は長く続かない。
トランプ大統領が5日のツイッターで、対中追加関税の引き上げを発表したのを受け、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは6日、情報筋の話を引用し、貿易交渉で中国側が約束した内容の一部に対して習近平氏が認めず、交渉が失敗すれば「自分がすべての責任を負う」と述べたと報じた。
サウスチャイナ・モーニング・ポストは、2015年にアリババグループに買収され、親江沢民派メディアとして認識されている(アリババの馬は習・江の両刀使い)。

勝負の行方
劉鶴副首相は、9日と10日の米中通商協議に予定通り参加した。渡米前、劉氏は「圧力下での渡米」とメディアに語った。
習近平氏の政敵は、今回の交渉を「米国の圧力に屈した侮辱的な交渉」と捉え、習氏への批判を強めるだろう。
この交渉でどんな結果が生じても、敵対勢力に攻撃の口実を与えることになる。
劉副首相の訪米は、米国の圧力に屈したというよりも、親江沢民派メディアの報道への対応と言える。
実にトランプ米大統領の5日のツイッター投稿を受けて、中国人民銀行(中央銀行)は6日株式市場の取引開始前に、中小銀行を対象に預金準備率の引き下げを発表した。

これによって、市場に2800億元(約4兆5174億円)の資金を供給するという。
中国当局が、トランプ大統領の発言で、中国経済や株式市場が受ける影響を予測したことが読み取れる。
しかし、中国当局はサウスチャイナ・モーニング・ポストの報道を予測できなかった。
今後の見通しとして2通りの展開がある。

一つは、中国側が大幅に譲歩し、米側と合意する。
しかし、こうなった場合、江沢民派が必ず、「主権を失い国を辱めた」として、習近平氏に反撃する。党内闘争が一段と激しくなり、政権の不安定さが高まる。
もう一つは、中国当局が引き続き意図的に貿易交渉を先延ばし、米中両国が物別れに終わること。
これが起きれば、中国経済が壊滅的な打撃を受けることになる。
輸出、投資、個人消費の低迷が深刻化するほか、中国当局が最も不安視する債務危機もぼっ発する可能性が高い。
これに伴う企業の倒産、労働者の失業が急増し、中国当局への社会不満が一気に爆発する。
この中国当局が最も恐れる状況に、どう対処するのか。
習近平氏が政治手腕を発揮し、反対派の攻撃を圧制することができたとしても、経済危機に陥ることになる。
米中貿易戦、中国国内および共産党の現情勢を分析すれば、米中貿易交渉で勝負に出た中国当局は、初めから失敗に向かっていることが分かる。

10日、2日間の米中閣僚級協議を終え、トランプ大統領は同日、今後も交渉を続ける方針を表明した。
ロイター通信は10日、情報筋の話として、劉副首相は国内法の改正を拒む立場を変えておらず、国務院令や行政命令で対応すると提案したと報じた。
米側はこれに拒否したという。
前国家経済会議(NEC)副委員長のクリート・ウィレムス氏は米メディアに対して、トランプ氏は交渉チームに「満足できる内容でなければ、いつでも立ち去れ」と告げた、と話した。
以上、中国関係紙参照

チャイナ7+α(第19期1中全会(2017年10月~)
序列1位:習近平国家主席(太子党)
王岐山:副主席 前序列6位、現在序列8位(2位の説もある)、腐敗撲滅を陣頭指揮、習派
序列2位:李克強首相、共青団(団派)
序列3位:栗戦書、共青団 前胡錦濤国家主席に近い
序列4位:汪 洋、共青団 前胡錦濤国家主席に近い
序列5位:王滬寧、江・胡に仕え・習に仕える「三朝帝師」、党の理論構築者・知恵袋
序列6位:趙 楽際、太子党、人民解放軍将軍で政治家でもある趙寿山の息子
序列7位:韓正、共青団、上海が長いが上海を牛耳る江派の圧力を受け、出世が遅れた。

中国では米企業製は不買にさらされ、自動車もiPhoneももう売れていない。米系車に日・独車に対して優位性はなく、回復することは困難。iPhoneもサムスンGALAXYがそうであったように中国では回復できない。

米中貿易戦争、5月10日の決裂は、毎年8月開催される現在の中央の幹部政治家と長老たちとの北戴河会議、昨年8月には、7月から米中貿易戦争が始まっていたことから、長老たちは習近平氏に不満を述べたという。習氏の戦いは、江沢民派との権力争いと見るより、硬派の長老たちとの葛藤が大きいと見られる。
 また、支持率が47%と過去最高に達したトランプ大統領、米中貿易戦争で中国が制裁を受けて立つならば、米消費者を直撃することになる。
消費は低迷期に入れば、すでに製造業はピークアウトしており、支持者の生活も悪化することになり、支持率は下がる(支持のコア部分は42%前後)。
2000億ドルについては3ヶ月後(8月)以降に米消費価格に影響を与えることになる。
残る3000億ドルについても、トランプ政権は詳細を発表するとしているが、残るもののほとんどは、iPhoneのような米企業が直接・間接に中国で製造しているものとなり、消費者を直撃、支持率が低下する。
ただ、トランプ大統領は、中国製品から徴収した制裁追加関税額を、影響を受けた企業に対して補填するとしている。しかし、どの段階で補填しても消費者に与える影響は払拭できないだろう。追加関税は、米国で中国製品を消費できないようにするものであり、補填した場合、その効力そのものをなくしてしまう。
2000億ドル分も追加の15%は之までの10%で限界、企業努力で100%解消できず、消費者に影響を与えることになる。その次には3000億ドル分も控えている。

すべては、来年まで中国経済が持ちこたえるかにかかるが、為替安に誘導すれば、その衝撃を和らげることは可能。中国の米国への輸出比率は全体の15%程度まで下がってもいる。

昨年7月の一次制裁の中国の報復では、昨年11月の中間選挙に向け、共和党の支持基盤の農家の州を直撃する大豆などの農畜産物に対して報復関税をかけた。このことから、トランプ大統領再選拒否に向け、中国が今回、行動を起こしたものと推量してもあながち否定はできない。

6月のG20大阪で両首脳は会うが、決着する可能性は低いと見る。米トランプ政権は、いろいろ和解条件を引き上げ続けていることにも原因があろうか。
現代版の大国どうしの実質的な戦争だぁ。
経済問題が片付いたとしても南シナ海領有・私物化問題は残る。

スポンサード リンク
[ 2019年5月13日 ]

 

 

 

関連記事

 

 

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
スポンサード リンク
 


PICK UP


PICK UP - 倒産

↑トップへ