ウクライナめぐる24日の3会議 米・欧対立表面化 NATOの存続に飛び火も
停戦への動きは一切せず、弾薬も約束どおりにウクライナに供与しない欧州、特にEU諸国。欧州各国の足下では、ウクライナ支援に一線を臥す右翼政党が躍進し続けている。
戦争忌避派のトランプ氏の米大統領就任により、ウクライナ戦線は大きく転換しようとしている。
米国の露とのウクライナ停戦交渉でウクライナ政府は蚊帳の外、欧州も除外され、米と欧+ウクライナの対立は激化している。
トランプ大統領は2020年の恨みもあり、ウクライナのゼレンスキー大統領との仲は良くない。トランプ大統領は、停戦をめぐりゼレンスキー大統領に対して口撃すら行っている。直近では、ウクライナに関し、意識してゼレンスキー大統領の名を外している。
資源利権の米供与によるウクライナの対ロシアに対する安全保障提案、ウクライナは唐突にと米案を検討せず、トランプ氏が激怒したことも両者対立の原因にもなっている。
トランプはロシアにもロシア内の資源の共同開発を提案、すでにロシアでは交渉の特命大使を任命している。露制裁も大幅に緩和されることになる。
ただ、欧米などが更迭・拘束しているロシアの預金や資財の計2900億ドルは、ウクライナの都市再建の軍資金として没収、米欧はこの点では歩調を合わせるだろうが、ロシアも黙っていないだろう。
欧米のロシア資産凍結資金2900億ドルの内訳:仏710億ドル、日本580億ドル、独550億ドル、米国380億ドル、英国260億ドル、オーストリア260億ドル、カナダ160億ドル。
トランプ対ゼレンスキー 2人の亀裂は2020年にさかのぼる
2020年米大統領選、夏場、ゼレンスキー大統領は米国にミサイルの提供を要請したが、当時のトランプ大統領は、見返りに大統領選の相手であるバイデンの息子(不正腐敗蔓延のウクライナで、企業役員になり巨額報酬をえていた)の情報を要請、しかし、ゼレンスキーはバイデン氏が大統領選で優勢と見てトランプ氏に情報提供せず、ゼレンスキーはバイデン大統領待ちにした経緯がある。僅差でバイデンが大統領選に勝利、トランプ氏はゼレンスキー氏に対して恨み骨髄、好きではない。バイデン氏は2009年1月から2017年1月までオバマ政権の副大統領としてウクライナを担当、2014年2月のウクライナクーデターにもCIAを動かし深く関与していた。)
<<24日に開催された3会議>>
<国連総会>拘束力なし
24日の国連総会では、EUなどが提出した「戦闘停止+ロシア軍撤退」の決議案が日本を含む93ヶ国が賛成して可決、一方、アメリカやロシアなど18ヶ国は反対し、65ヶ国は棄権した。
米国は独自に「紛争の早期終結」とする決議案提出、これに対してフランスなどが「ロシアによるウクライナへの全面的な侵攻と撤退」という米案の修正案を提出、賛成多数で採決された。そのため、米国は米決議案に対して棄権に回り、廃案となった。
<国連・安保理>拘束力あり
24日の安保理では、米国が「侵攻」などロシアへの批判的な文言を使わず「紛争の早期終結」を要請する決議案を提出、英仏など欧州の5ヶ国が棄権に周ったものの、10ヶ国以上の賛成多数で採択された。
5ヶ国の常任理事国(米英仏露中)と10ヶ国の非常任理事国の15ヶ国で構成
<G7キーウ会議>
24日のG7等のキーウ会議には10ヶ国以上の首脳が参加したほか、訪米中の仏マクロン大統領やトランプ大統領はTVにより会議参加(日本もTV会議参加)、結束を確認したとされるが、国連総会や安保理ですでに米欧で亀裂が拡大している。
キリスト教の考え方である白・黒2者選択論法、東洋人には受け入れがたいのだが・・・。
ウクライナ戦争の終結に向けた動きをまったく見せなかったバイデン米前大統領、現在はトランプ大統領の価値観により、ウクライナ戦争は終結を迎えようとしている。
しかし、経済動揺、政治・外交もトランプ氏の価値観で米国は動き、米欧の対立は深刻、2017年のNATO会議でトランプ大統領が独メルケル首相を「軍事予算を拡大せよ」と叱責した時以上に、米欧の軋轢は深刻。当時、独仏などはNATOに変わり「欧州軍」創設まで検討された。現在、EU・欧州には当時のメルケル首相のようなリーダーはおらず、自国第一の民族主義派など右翼が勢力を確実に拡大させている。
米国がウクライナを支援せず、欧州が支援して戦争をウクライナが遂行することは不可能。ウクライナがロシアとの戦争を継続すればロシアを前にして玉砕しかない。
新たなる世界の権力争いでもあり、貿易赤字を盾にしたトランプ氏の動きは政治・経済全般に及び、決して侮れない。
オバマ米政権後期に中国が一体一路軍事覇権戦略により世界で台頭したが、米国に依存した経済貿易体制であり、トランプ1政権によりその野望と台頭は粉砕された。
2023年の世界のGDPは10,547百億ドル、うち米国は2,772百億ドル、シェアを率にして26.2%。中国は1,775百億ドルで16.8%。欧州主要14ヶ国合計2,092百億ドル、率にして19.8%(英国含む)。3つの国と地域で合計62.8%。残り175ヶ国のGDPが37.2%となっている(うち日+印+ブラジル+カナダ=4ヶ国合計は1,210百億ドル/11.5%)。
トランプ氏が登場しない限り、ウクライナ戦争に仲裁者は現れず、ロシアが撤退するまで=プーチンが生きている限り続くことになる。
その間、双方で何万・何十万も新たに戦死者が出ることになる。欧米はウクライナに戦争遂行の兵器と資金を供与し続けることになる。ただ、欧州ではこのままの状態を続ければ戦争支援忌避派の右翼が台頭してきており、EUやNATOの空中分解さえ危惧される。
米バイデンも英+欧州の首脳たちもウクライナにロシアとの戦争をさせ続けることが大好きのようだ。これらの欧米の各政権は、停戦への動きを一切せず、最新兵器の供与を続け、戦争をエスカレートさせるばかりで3年間を経過させた。





