韓国スーパー2位 ホームプラス/民事再生申請 韓系投資ファンドMBK傘下
韓国・スーパー業界2位のホームプラスが3月4日、プライベートエクイティファンド(PEファンド)のMBKパートナーズに買収されてから10年ぶりに企業再生手続きに突入した。
ホームプラス本社地:ソウル特別市江西区禾谷路398
営業業績不振の長期化と財務構造の悪化が重なり格付けが下げられると、短期資金返済の負担を減らすための方法として企業再生を選んだ。
再生手続きと関係なく、「ホームプラスマート」、「エクスプレス」、オンラインなどすべてのチャンネルは正常営業。
ホームプラスは、韓国で「ホームプラス マート」、「ホームプラス エクスプレス」の形態で、200店舗以上展開している。
ソウル回生裁判所の回生4部は3月4日、「ホームプラスの回生手続きの開始と事業継続のための包括許可決定を下した」と明らかにした。
これに先立ってホームプラスは同日0時3分、構造調整のための企業回生手続きの開始を申請し、裁判所は午前10時に非公開で代表者尋問を行った上で申請から11時間で手続き開始を決定した。
裁判所は、「ホームプラスは現在正常営業中であり不渡りは出していないものの企業手形や短期社債の格付けが下げられ、財務構造の改善がなければ5月頃には資金不足事態が予想された」と明らかにしている。
以上、
系譜
•1997年9月、サムスン物産の流通部門がホームプラス1号店(大邱店)を開店
•1999年5月、(株)サムスンテスコ発足 (テスコは英スーパー)
•2008年5月、ディスカウントストアチェーンのホームエバー(旧、仏カルフール韓国法人)を買収、ホームプラステスコ発足
•2011年7月、サムスン物産が保有株式を英テスコに売却。サムスングループから離脱。
•2015年10月、英テスコが保有株式を韓国系投資ファンドのMBKパートナーズに売却。
•2025年3月4日、ソウル回生裁判所に企業再生手続きの開始を申請
以上、
韓国では新コロナ事態、その後も物価高により、消費不況に見舞われており、スーパーは厳しい経営を強いられている。ただ、物価は米を暴騰させている日本と違い落ち着いている(1月の韓国の食料インフレ率は2.4%/日本は7.8%)。
韓国では失業率も低下しているが、消費増に結びついていない。GDPに匹敵する家計負債による消費圧迫も、一時より金利低下により借入金利の支払いは軽減されているのだが・・・。
なお、韓国スーパーの1位は新世界グループのイーマート。