アイコン UAE バラカ原発にヒビ亀裂 韓国建設中

 

 

アラブ首長国連邦(UAE)で、韓国が建設中のパラカ原子力発電所3号機格納建物に“亀裂”がある可能性が提起されている。(バラカ原発4基を186億ドル+韓国軍警備で受注/1・2号機完成済、最終完工20年)

韓国ハンギョレ新聞によると、
コンクリート壁内に注入した潤滑油のグリスが、壁の外側にできた空隙から漏れ出ているのが発見された不良施工問題で、工事期間の遅延と建設費用の増加が予想されている。

UAEのクリステル・ヴィクトルソン原子力規制庁(FANR)庁長は11月21日、米国のエネルギー分野専門紙「エネルギー・インテリジェンス」(EI)とのインタビューで、昨年3号機の格納建物の壁でグリスの漏出が発見されたと明らかにした。

ヴィクトルソン庁長は「予想外の所からグリスが流れ出始めた」として、「作業者が1ヶ所で空隙を発見した」と明らかにした。
該当インタビューは12月7日「パラカ原子力発電所は、魔法を失ったか?」というタイトルの記事に含まれた。

UAEの原子力規制庁は、韓国の原子力安全委員会のようにUAEの原子力公社エネク(ENEC)などを管理監督する連邦政府の機構。

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グリスが漏れ出たというのは、当初知らされた問題の“空隙”より深刻な水準である“亀裂”がある可能性を示唆する。

規定の品質基準のコンクリ使用と打設作業を綿密かつしっかりとしていない場合、コンクリ内に空隙や亀裂が生じる。

厚さ100~120センチの格納建物の壁は、原子炉の異常などで内部の圧力が増加しても耐えられるよう、壁内に金属のケーブル“テンドン(腱)”を複数埋設する。
コンクリート打ちを終えれば、鉄鋼材の円筒内に入れたテンドンを引き寄せ、壁に張力をかけるいわゆる「ポストテンショニンング」工法、この過程を容易にするため円筒内にはグリスを注入する。
したがって、グリスが外壁で発見されたということは、壁に亀裂があるかもしれないということになる。

今年8月、同じ問題が発見された全羅南道霊光の新古里4号機は、現在もグリスの漏洩部位を探しているほど、簡単でない問題。
「エネルギー・インテリジェンス」も「テンドンからコンクリート壁までの“漏洩経路”(leakage path)がありうる」という業界専門家の説明を伝え、UAEの原発建設の「技術的問題が予想より大きくなった」と評価した。
UAE側は、原因調査と補修工事中だと明らかにした。

エネクは、12月4日にホームページを通じて「パラカ原子力発電所2号機と3号機で空隙が発見された」と公式に認めた。

エネクが空隙の存在を対外的に認めたのは、今回が初めてで、10月16日にキム・ジョンガプ韓国電力社長が、国政監査で「UAEの原発にも空隙がある」と明らかにしてから約2ヶ月ぶり。

エネクは特に、韓電、現代建設、サムスン物産、斗山重工業の“コリアチーム”とだけの作業ではなく、エネクと契約した「独立的なコンクリート専門家」も調査に参加したと明らかにした。
エネクは、公式立場文で「パラカ2・3号機の整備が、原子力発電所建設プロジェクトには影響を与えないと予想される」と明らかにした。

しかし、当初3号機の竣工目標時期は今年末であり、もう半月しか残っていない。
1~4号機全体を対象に空隙の存在有無を確認するために、すでに追加の費用と時間が少なからず投入された。

さらに、エネクと韓電は、契約当時「工事遅延時には一日60万ドルの遅滞補償金を賦課する」ことに合意した。

脱原発のためにアラブ首長国連邦の原子力発電所事業が揺らいでいるという原子力発電所業界など一部の主張とは異なり、建設中に生じた技術問題が工期の遅延および費用増加の憂慮を膨らませている。

ヴィクトルソン庁長はインタビューで「私たちが運営許可を出す前に、彼ら(韓国)がこの問題を直さなければならない」と話した。
以上、ハンギョレ参照
ハンギョレによると最初にバラカ原発で空隙が見つかったのは、昨年8月だという。

コンクリ品質技術も日進月歩、そうした最新の技術が韓国企業にあるようには思えない。購入するなり、盗むなり、常に日本の後追いだ。
こうした中、バラカ原発管理の一部をUAEはフランス企業と契約したとの話も伝わってきている。当然、韓国側は投資金の回収に支障が出ることから、大問題だとしている。

当原発は当初、原発先進国のフランスが受注するものと見られていた。李明博率いる韓国企業が受注したのは、金額の安さもさることながら、韓国軍を原発の警備に当たらせるという裏契約があったことによるものだった。すでに2011年から派遣し、20年に完成してからも40年、60年間、韓国軍は「パラカ原発」の警備をし続けることになる。その費用は当然、韓国持ちだ。

バラカ原発は、韓国は例によって完全韓国製だとしているが、米WHの技術が入っており、東芝が建設に携わっていた(東芝のWH撤退でその後は不知)。

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[ 2018年12月17日 ]

 

 

 

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