アイコン 台湾TSMC ファーウェイからの受注停止 苦悩のサムスン電子・SK


半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が、中国通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)からの新規受注を止めた。米トランプ政権が求める禁輸措置に対応したもの。
ファーウェイはスマホ市場で世界2位だが、基幹半導体の供給が断たれれば次世代通信規格「5G」向けの端末開発などで影響が出る。
以上、
来る大統領選で劣勢に立たされ、新コロナでも対応が遅すぎた批判を浴びるトランプ大統領は、再び中国を槍玉に挙げ、ヒステリックに中国との国交断絶まで言及するにいたっている。そうした米中経済戦争激化で、中国を代表するファーウェイに更なる禁輸措置強化を図り、再び、ファーウェイのサプライチェーン(供給網)の問題が急浮上している。
米商務省は、米国の技術を使った海外半導体企業が製品をファーウェイに売るためには許可を経なければならないという制裁案を発表している。直接間接の米製半導体製造装置が組み込まれてない半導体製造工場はなく、TSMCはそれに沿ったもの。

TSMCは先に米国へ120億ドル投資して工場進出すると表明している。同社の米企業向けは60%、ファーウェイ向けは20%となっている。

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一方、サムスンはファーウェイ向けにスマホや5G通信機器用半導体を納品し、SKはパソコン向けのメモリ半導体を中心に納品している。両社は合計して年間1兆円相当の半導体を納品している。
サムスンは米国のオースチンにファンドリー工場を有しているが、投資額はそれほどなく、トランプ政権から増設圧力を受けている。

中国の清華紫光集団(清華大学財閥)の系列会社である長江メモリTC(YMTC)は4月128層3次元(3D)NAND型フラッシュを開発、年末までに生産を開始すると発表している。同製品はサムスン電子が昨年開始し、量産化したばかりの新製品であり、メモリでは中国と韓国との技術的な差はすでに1年以内まで短縮されていることになる。

サムスン副会長は先日、中国西安のNAND工場を訪問しているが、TSMCがファーウェイからの受注を断り、サムスン電子が断ることができるか、SKにしては死活問題もあり、韓国勢にとって試練の時を迎えている。
また、サムスンはトランプ政権のファーウェイたたきにより、5G通信中継機器では2018年上半期まで5%未満だったシェアが今では35%前後まで上昇、ファーウェイに肉薄、棚からボタ餅状態となっている。現在のところ欧州勢のエリクソンやノキアへの恩恵は限られている(米国にメーカーはない)。
(メモリ半導体の暴落により、増設の工場や生産調整で空いた半導体工場を利用して、システム半導体のファンドリー事業を拡大している。サムスンは2030年にはシステム半導体でも世界一になると豪語しており、生産工場を持たないファブレスメーカーもサムスンに生産委託すれば、長生きできなくなることも予想される。

サムスンはファーウェイがズッコケた場合、競合する自社製スマホ販売の増加で、収益を稼げ、影響を吸収できるが、SKは代賛がなくそのまま受注減となる。

これまでは中国制裁でも難を逃れ、かえって利益を享受してきているサムスンであるが、ファーウェイに対して納品できなくなれば、その打撃は大きい。
トランプ政権しだいだが、次には中国の電子製品業界のあらゆる分野に及ぶ可能性も秘めている。

ただ、11月5日の大統領再選にトランプが勝利する保証もなく、中国はトランプに見切りをつけ、強硬対決姿勢に拍車をかける可能性もある。

中華思想の一帯一路軍事戦略は譲歩することを知らず、国情以上のインフラ投資を謳い文句に、行く先々の国を借金の漬物国にして実質支配し、自由主義社会と対立を生み出し続けている。

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[ 2020年5月19日 ]

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