アイコン 韓国・BMW車28台炎上問題 本社から来韓し説明 、だが納得いかない説明 

 

 

BMWグループコリアは、車両火災事故が相次ぐなか、国民に対してやっと謝罪し、BMW本社の社内調査結果を公開した。

BMWグループコリアのキム・ヒョジュン会長は6日、ソウル中区のウェスティン朝鮮ホテルで緊急記者会見を開き、「一連の火災事故で不安とご心配をおかけしてしまい、頭を下げてお詫びする」と明らかにした。
今年に入り28台が炎上しているが、BMWが公開席上で直接謝ったのは今回が初めて。

<BMW本社の品質部門責任者の説明>
BMWグループ本社の高位関係者4人もこの日の記者会見に参加して、車両火災事故の原因を発表した。
BMWグループ品質管理部門のJohann Ebenbichler首席副社長は、
1、「排気ガス再循環装置(EGR)の冷却器から流れ出た冷却水の漏水が火災現象の根本的原因」と説明した。
今までBMWグループコリアが明らかにしたEGRが原因という立場をここでも貫いた。

BMWの4気筒ディーゼルエンジンから排気ガスが発生するが、窒素酸化物を規制値以下に下げるため、排ガスをエンジン内へ再度送り込み再燃焼させている。この役割を果たす装置がEGR。

BMWグループのPeter Nefischerディーゼルエンジン開発総括責任者は、
2、「EGRの冷却器から漏れ出た冷却水がパイプ・吸気多岐管に沈殿物のように溜まり、特定条件で発火することがある」と主張。

3、Nefischer氏は
▼冷却水がすすのように沈殿していて、走行距離が非常に長い車両が、長時間走行中に排気ガス迂回バルブ(bypass flap)が開いて冷却できなかった高温の排気ガスが出る場合にのみ、沈殿物に着火するおそれがあると説明した。

4、また、駐車中やアイドリング中には火災は発生しえないと説明。

5、一部で取り上げられたソフトウェア改ざんの可能性は一蹴した。

6、Ebenbichler氏は「米国を除く世界BMWディーゼル車両は、同じソフトウェアと同じEGR部品を使っている」と説明した。

だが、韓国だけで唯一連続火災が発生している現象に対しては、依然と明確な説明ができなかった。

Ebenbichler氏によると、
7、ディーゼルエンジンを装着したBMW車両の欠陥率は韓国(0.1%)で、むしろ世界平均(0.12%)よりもやや低いとした。

それでも韓国で販売された30台余りの車両が、わずか数ヶ月間に集中的に火災が発生した理由を説明することができない。論理的にも矛盾している。

Ebenbichler氏は、
8、同じ欠陥が発生した車両のうち、全焼するほどの大きな火災が発生するケース(レベル3欠陥)は欠陥車種の1%にしかならないと主張した。

確率的にいえば、韓国で販売したリコール対象車両(10万6000台余り)のうち、もし火災が起こるとすれば1.06台となる計算だという。

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<BMWと異なる当局の見解>
だが、国土交通部交通物流室のキム・ギョンウク室長はこの日、「安全診断の結果、10%程度が問題車両に分類された」と明らかにした。

10万6000台余りのリコール対象車両のうち、少なくとも1万台以上は火災のリスクがあるという。

<BMWの駐車場入行お断り>
一方、BMW車の所有者は、依然として大きな不便を強いられている。
アパートでも駐車を拒否されている。ソウル市瑞草区良才洞のある住宅商店複合アパートと、京畿道利川市のマンションでは、BMW車両の入車が拒否されている。利川市の同マンション住民掲示板には、最近BMW火災を報じた記事をスクラップしながら「訪問者のBMW乗用車は当アパートに駐車することはできません」という案内文が添えられているという。
以上、中央日報紙

<ドイツはかたくなに見取るない民族>韓国で持て囃されるドイツ神話などない
これまでに、BMWコリア関係者は、EGRモジュールは韓国製だが、本社で承認を受け、搭載しているもので問題はないとしていた。
韓国のBMW車の冷却水は、ススのように沈殿して固まり、排ガスの熱で着火するのだろうか。何か腑に落ちない。

2015年9月米国で指摘されたVWの排ガス不正プログラムも、VW側は当初なかなか認めようとしなかった。
その後、不正プログラムはドイツ当局の検査で、VW系のアウディや尿素SCRシステム不正も含めBMW・ベンツでも露見している。VW問題発覚後であっても、自ら、不正を申告していなかった。
ドイツ勢はシラをきるのが常套のようだ。

<VW問題に遡る>
韓国当局は、VWの不正排ガス問題時、VWが補償はせず、リコールしかしないとしたことから、カンカンに怒り、VWの輸入車を徹底的に調べ上げ、当局と癒着して不正に認定検査を受けていたとして、多くの車両が販売停止に追い込まれた。その当時、当局は、輸入ディーゼル車20数車種を調査し、SCRを機能させることで、エンジンを高熱による破壊を回避させるため、エンジンルーム温度によりSCRを停止させるプログラムが設定されていることを明らかにした。その温度は、日産の英国産キャシュカイだけが35度設定、ほかの18車種が48度前後に設定されていたことまで調べ上げている。
そうしたことから、BMWが生半可な回答をすれば、韓国当局が調べ上げ、原因を究明する可能性がある。そうすれば、もっと大きな問題に発展する可能性がある。

今年、BMW520dを中心に28台の車両が燃えているが、幸いなことにトンネル内での炎上も含め多重事故や死傷者が出ていないことから、BMW側もこれまで謝罪すらしなかったものと見られる。

BMWのディーゼル車やガソリン車の火災は、韓国で昨年までにも生じているが、短期間に集中して発生しているのは今年だけ。
BMWコリアは今年、これまでに火災の件で、何回もドイツ本社に報告したものの、本社が何も対応してくれず、BMWコリアも対応できなかったとされている。

韓国国土交通部も相次ぐ車両火災に乗り出し、BMWコリアは7月26日にやっと10万6千台あまりをリコールしたもの。

<韓国首相も動く>
韓国の李洛淵首相は7日、「BMW車両の火災が相次いでいる」とし、「国土交通部は対処のやり方を再検討して国民が納得できるような事後措置を講じてほしい」と指示し、「BMW問題がこのようなかたちで幕引きすることはできないと思う」と指摘している。
国土交通部が徹底して調査に乗り出すことになる。

<参考>
EGRは、高温のEGR導入による吸気充填効率の低下が無視出来ないため、外部EGRを採用する殆どの機関は、熱交換器によるEGR冷却機構を持つ(EGRクーラーを用いるクールドEGRやクールEGR)。多くはエンジン冷却水を冷却材として用い、熱交換器で吸収した熱はラジエーターにより排熱するが、これによりラジエーターに必要な放熱量は最大で30%程度増加する。これは冷却ファンの大型化その他による重量増を招く。

<安全点検受けたばかりのBMW車、29台目燃える>
朝鮮日報は8月6日次のように報じている。
今月4日、全羅南道木浦市玉岩洞の道路を走行していた乗用車「BMW520d」で火災が発生した。
先週だけでBMW4台が燃えた。
問題は、今回の事故車両がBMWによる本格的なリコール(回収・無償修理)に先立ち実施した安全点検で「異常なし」と判定されていたことだ。
専門家は、「BMWの安全点検全体が信頼できないことになる。BMWが果たして火災原因を把握しているのか疑問だ」と指摘した。

<一貫性のないW規制当局>
 BMWは4ヶ月前、韓国環境部(省)が排気ガスの過多排出を改善するため5万5千台のリコールを承認した際、今回火災原因として指摘された排気ガス再循環装置(EGR)の欠陥を把握していた。
BMWは、当時、520dを含むリコール対象車両数十台について、EGRバルブを交換すると表明していた。
烏山大自動車学科のムン・ハクフン教授は、「EGRバルブが開いた状態で作動が止まり、熱のショックで破損したという当時のリコール理由は、今回の火災原因と同一だ。火災リスクが高まるという事実を当然把握していたはずだ」と指摘した。

このため、BMWが、これまで車両の欠陥を把握していながら放置していたのではないかとの批判が出ている。

BMWは2015年から2016年にかけ、既に20件余りの火災が起きていたにもかかわらず、「原因不明」、「顧客による管理に問題があった」などと責任を回避し、一部しか補償に応じていない。

国土交通部(省)と環境部の連携ができていれば、今回のような事態を事前に防げたのではないかという批判もある。

国土交通部は2015年に最初に火災が発生した当時や今年4月に環境部がBMWのリコールを実施した際、積極的に対応していなかったが、最近になってようやく官民合同の調査チームを発足させた。
環境部は、当時、EGRの欠陥による火災の可能性を把握できていたにもかかわらず、「(車両の)安全は専門分野ではないので分からなかった」との立場をとっている。
(韓国では車両につき、排ガスは環境部が対応するなど縦割り行政のようだ。日本のようにどうして国土交通部でまとめないのだろうか)

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[ 2018年8月 8日 ]

 

 

 

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