アイコン デサント×伊藤忠の戦争 非公開化阻止の敵対的TOB 「伊藤忠は不誠実と」

 

 

デサントは、経営方針をめぐって対立している筆頭株主の大手商社の伊藤忠商事が進めているTOB(株式の公開買い付け)に反対することを決定した。
両社の対立が深まっている。

両者の確執は、2代続いた伊藤忠出身社長を創業家の石本現社長が、2013年に大政奉還させたことにある。
さらに昨年8月のワコールとの業務提携に、伊藤忠から派遣されていた取締役に事前の連絡がなかったことや、両社のトップ会談のやり取りが外部に流出したことなどを挙げて、企業統治の体制を再構築する必要があるとしている。・・・デサントは全部反論している。
伊藤忠が無視されたことに腹を立てている。

ところが、TOBの真の目的は、石本社長が進めている株式の非公開化、それの阻止にある。

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筆頭株主の伊藤忠商事は、
1、「デサントに対して、今後の企業価値向上が疑問視されると判断」、
2、「経営体制の見直しと健全なコーポレート・ガバナンスの再構築を行い」、
(ワコールとの包括提携につき、事前に伊藤忠出身の取締役に対して説明がなかった・・・デサント反論)
3、「デサントの成長戦略及び施策について、建設的な協力関係を構築する」としている。

伊藤忠商事が、現在の体制の見直しと、「(デサントは)韓国の事業に過度に依存している」などとして、株式の保有比率を現在の約30%から、最大40%まで高めることを目指し、1月31日、株式の公開買い付けを開始した。
2018年3月期の韓国事業の売上高は725億円、経常利益は69億円。
同期の日本事業の売上高は506億円、経常利益9.32億円(デサント・ジャパンの業績/デサントに対するロイヤリティが経費に含まれている)。

<デサントTOB反対表明>
これに対し、デサントは7日に臨時の取締役会を開き、「強圧的な手法により、最小限の資金で実質的に支配権を取得し、株主にリスクを負わせるものだ」などとして、伊藤忠の公開買い付けに反対することを表明した。

デサント側は、
1、伊藤忠商事は、同社が派遣した社長時代、デサントに対して150億円の取引目標設定、達しなければ、他社との取引を付け替えして達成させていた。

2、伊藤忠は、デサント株を、デサント経営陣に対して、事前にも事後にも一切説明せず、買い増しを進めてきた。
2018年7月、25.5%⇒26.5%に、
2018年8月、28.25%に、
2018年10月、30.44%に
2019年1月31日、伊藤忠商事は40%までデサント株をTOBで取得すると表明

3、ワコールとの業務提携は、伊藤忠商事派遣の取締役に対するだけではなく、全取締役で審議し、実施したものであり、何が問題あろうか。
(事前に伊藤忠に相談しなかったことに伊藤忠が激怒しているようだ)

4、株式の非公開化
  非公開化するための多額の負債は、従業員に不利益を生じさせるとの伊藤忠に対し、
デサントは、まだ検討の初期段階であり、仮に行うとしても財務体質を踏まえ、十分に返済可能でのみ行うことが前提であり、伊藤忠が指摘している「非公開化に伴い多額の負債を抱え、従業員を軽視する」どころか、従業員との関係を重要視し、良好な関係を構築しているとしている。

(今時、オーナー企業でない限り、従業員を大切にしている日本の上場企業など100%ない。特にサラリーマン社長は、株主に脅え、自己保身から、使い道も描けず内部留保に務め、高配当に加え、自己株式を買い入れ、自己消却するなどおろかな経営ばかり行っている)

そのうえで、デサントは、株主に対して、公開買い付けに応じないよう求めている。

これをもって、現在の伊藤忠による同社株の公開買い付けは「敵対的なTOB」となった。

<伊藤忠は・・・>
伊藤忠はまず、デサントの事業展開の在り方について、今のデサントが利益の大半が韓国事業に依存し、日本国内では十分な利益を上げられていないと指摘している。
そのうえで、日本国内での直営店やネットを通じた販売を強化するとともに、2022年の北京での冬季オリンピック開催に向けて、中国での事業展開を加速させるべきだと主張している。

デサント・ジャパンの2018年3月期の業績:506億93百万円、当期利益962百万円(分割初年度/親会社デサントにロイヤリティ支払後の利益)。
(長期消費不況下、少子化が進む日本国内において、どれほど業績を伸ばせるというのだろうか。ましてや、激戦の業界にあり、500億円前後の売り上げに対して、十分な利益を取れる業種でもない。)

<非公開阻止/実質乗っ取り計画か>
また、伊藤忠は企業統治の在り方ついても、見直しを求めている。
事前通知がなかったとしてワコールとの包括業務提携を快く思わない伊藤忠は、デサントに現在10人いる取締役を6人に減らし、その役員構成もデサント内部、伊藤忠、外部から、それぞれ2人ずつを起用する体制を提案している。

伊藤忠は、こうした経営上の課題についてデサント側に何度も見直しを求めたものの、真摯に検討する姿勢が見られなかったとしている。

株式の保有比率が3分の1を超えれば、株主総会で経営の重要事項について事実上の拒否権を持つことになるが、伊藤忠はTOBによって、これを上回る最大40%まで保有比率を引き上げたうえで、デサント側に具体的な協議に応じるよう求める方針。
以上、

デサントは2000年に韓国事業をスタートさせ、2001年には中国事業もスタートさせている。しかし、軌道に乗ったのは韓国事業だった。
日本では、広告宣伝も減り、ブランド力が落ち衰退するばかり。そこで2017年に日本事業を強化すべく、会社分割して、日本事業を、デサント・ジャパンを立ち上げ承継させた。その後、水沢ダウンをCMも行いヒットさせたが暖冬もあり、その効果はまだ現れていない。

はっきり、傘下に入れるためにTOBを行うとすれば、誰が文句を言おうと関係ない話であるが、中途半端な40%の株を持つためのTOBという伊藤忠であり、乗っ取りのイメージを作りたくなく、単に非公開化阻止のための買い増しが実態のようだ。
資本の論理による乗っ取るだけの金の玉のないやっちゃということになる。

内紛やどうのこうのが大好きな村上氏がこっそり大規模に株を購入している可能性もある(村上氏曰く、「乗っ取られたくなかったら上場するなぁ」)。

デサントの対抗策は、逆TOBで非公開化を進めるか、新株発行により伊藤忠の持株比率を減らすことが考えられるが、相手が伊藤忠だけに引受手は伊藤忠からの報復を恐れ皆無と見られる。
しかし、逆TOB=非公開化の話に乗っている投資ファンドや新株引き受けでは村上氏系や外資ハゲタカ、韓国勢ならば引き受ける可能性がある。意外とその後も踏まえ糞詰まりのワコールが伊藤忠に対抗する可能性もあるが・・・。

デサントは、伊藤忠の持株が33.3%を超えたら、非公開化はほとんど不可能、新株を発行して比率を落とす対抗策しかない。
どちらにせよ、石本体制では、伊藤忠との関係は悪化するばかりだ。

伊藤忠は繊維から出発しており、繊維関係では、これまでに経営破たんしたアパレル企業を取り込んだりし、表や水面下で数多くの企業支配を強化してきており、その一環での今回のTOBにより、デサントを実質子会社化し、アパレル事業の強化をはかると見られる。

伊藤忠は、強力なブランドを持つ傘下企業はほとんどなく、アパレル事業を維持強化するためにもブランド力のあるデサントが欲しいと見られる。
さりとて、伊藤忠傘下になったとしても、世界のスポーツブランドメーカーの1社まで上り詰めるにはハードルは高い。海外ではよほどアシックスの方が知名度は高い。
(伊藤忠が言うように、その絶好の機会が冬季北京五輪かもしれないが・・・。
日本では、消費不況・少子化が進む中、傘下に納めたアパレル企業が大回復して大成功している話も聞かない。伊藤忠だろうとそんなにうまくはいかないものだ。)
元々商社は証券会社とともに生き血を・・と呼ばれていた。

非公開化は伊藤忠としては、これまでデサントの経営危機に際しても支援し続けてきたことに対する裏切りと見ているようだ。
ただ、取引を需要視するのか、資本関係で会社までコントロールするのか、ファミマ・ユニーを見ていると、伊藤忠の戦略は企業支配にあるようだ。
 
 韓国ではデサント店舗は、欧州のブランドと見ている客がほとんど、海外ブランドと提携したルコックス、アリーナ、アンプロ、商標権を取得して昔大ヒットさせたマンシングウェアなどあり、以前はアディダスも総代理店になっていた。あまりに日本で売ることから、デサントが直接日本に進出し、提携関係が消滅した(欧州ブランドがよく使う手口)。
アディダスだけではなく、こうしたブランドを有していることから、商品展開も多彩となり、洋物好きの韓国では売れている。
ただ、今回の騒動で、デサントが日本企業であることが知れ渡り、反日不買に遭う可能性もある。
中国では、なかなか軌道に乗らず、合弁方式により、ここ2年間で100店舗展開している。
韓国・中国いずれも景気後退期。日本は少子化、低賃金の非正規化が進み、アパレル市場は縮小している。アベノミクスを象徴するかのように西海岸は子供からお年寄りまで人がいっぱいだった。

 

デサント業績推移
連結/百万円
16/3期
17/3期
18/3期
19/3予
売上高
135,778
131,543
141,124
148,000
営業利益
10,376
8,418
9,596
9,600
経常利益
11,053
8,631
9,698
10,000
当期利益
7,870
5,650
5,771
6,500
総資産
107,624
106,976
117,828
 
自己資本
69,748
70,944
78,875
 
資本金
3,846
3,846
3,846
 
有利子負債
5,761
5,024
5,539
 
自己資本率
64.8%
66.3%
66.9%
 

 

 

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大株主の状況  /2018年9月30日現在
氏名又は名称
所有株(千株)
割合%
伊藤忠商事
21,304
28.25
UBS AG HONG KONG
3,465
4.60
日本生命保険相互会社
3,238
4.29
三井住友銀行
2,110
2.80
帝人フロンティア
2,034
2.70
日本マスタートラスト信託銀行・信託口)
1,921
2.55
公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団
1,652
2.19
石 本  和 之
1,600
2.12
東洋紡STC(株)
1,594
2.11
デサント共栄会
1,429
1.90
40,352
53.51
・伊藤忠商事は現在30.44%保有し、これまで買い増している。
 

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[ 2019年2月 8日 ]

 

 

 

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